他人の秘密を勝手にバラしたら罪になるの? | - 法律をわかりやすい言葉で噛み砕きたい弁護士キタガワと申します。 -

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法律に関する諸問題を説明できればと思っています。
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【ざっくり説明すると…】

 

→医師や弁護士などの専門職は

他人の秘密をバラすと犯罪になる

 

→被害者が

「犯人を処罰してほしい」と主張しないと

警察は捜査などができない

 

→秘密を開示することについて

正当な理由がある場合には犯罪にはならない

 

 

先日、Twitter

このような質問を頂戴しました。

 

 

Twitterでの回答にも書きましたが

このお医者さん、

かなりマズイことをしていると思います…。

 

今回は、刑法に規定されている

“他人の秘密を侵害してしまう犯罪”について

わかりやすい言葉で

噛み砕いて説明したいと思います。

 

 

 

さて、他人の秘密を

第三者にバラしてしまうのが

よろしくないのは理解できると思いますが

それが

犯罪行為になってしまうとなると

怖いですよね。

 

刑法134条では

第三者の重要な情報を得る機会が多い

専門的な役職の人に対してだけ

情報を漏らしてしまうことを

犯罪行為としています。

 

 

次の職業の人たちです。

 

医師

薬剤師

医薬品販売業者

助産師

弁護 (弁護人)

公証人

宗教や祈祷をやる人

および

過去にこの職業をやっていた人

 

です

(もちろん、刑法以外の法律で

他の職業であっても

罰則を定めているモノもあります)。

 

 

 

(1)この職業の人たちが

 

(2)仕事を進めていく中で

 

(3)少数の人にしか

知られていないような

本人にとって

拡散したくない情報を

 

(4)漏らしてしまった場合

 

(5)違反した場合は

1ヶ月~6ヶ月の間で

裁判所が決めた期間、

刑務所に入って働いてください

または

1万~10万円の範囲で

罰金を払ってください 

 

ということになっています

刑法の中では

比較的軽い罪になっています

(ちなみに親告罪といって

被害者が

「犯人を処罰してほしい」と

主張しないと

警察は捜査などが

できないことになっています)。

 

 

もっとも、

 

(7)他人の秘密を

第三者に開示することについて

正当な理由がある場合

 

は、犯罪行為にはなりません

たとえば

法律的に許されている場合や

本人の同意がある場合などが

これに該当します。

 

ですので

Twitterのご質問にある

“医者がカルテの内容を

話のネタにして

スナックのママに話しているケース”は、

おそらく…

めちゃくちゃアウトだと思います。

 

 

もちろん、

刑法134条に規定されている

職業以外の人なら

他人の秘密を漏らしても大丈夫、

というワケではありません。

 

刑事責任(犯罪行為)は

発生しないかもしれませんが

民事責任

(プライバシー侵害による弁償)は

発生する可能性がありますので

注意してくださいね。

 

 

“他人の秘密を侵害してしまう犯罪”について

ご理解いただけましたでしょうか。

 

それでは、Twitterのご質問にあった

スナックのママも

犯罪に加担したことになるのでしょうか

次回は、刑法に規定されている

「共犯関係」について

わかりやすい言葉で

噛み砕いて説明したいと思います。