フェラーリ     ★★★☆☆

 

1957年、新車が売れず経営不振に陥ったフェラーリがレースに優勝して注目されて販売台数を増やす戦略に出て、妻と共に会社を立ち上げて、元プロレーサーでもあるエンツォ・フェラーリは、この戦略に全てを賭けることになる、というフェラーリの激動の一年に焦点を当てて描いたドラマで、イタリア全土1000マイルを走る公道レース、“ミッレミリア”優勝を目指して着々と準備していく中で、一年前に病気で亡くなった息子のことで夫婦関係は冷えきっている中で、戦時中に産まれた愛人の子の認知問題で揉めていて、そこにも向き合わなければならない、というエンツォ・フェラーリの心情に焦点を当てて、会社存続の為に冷徹に決断を下していく中で、会社に対して同等の権利を持っている妻とも交渉しなければならない、という具合に、エンツォの様々な葛藤を浮き彫りにしていくと共に、当時の自動車レースの再現にも力を入れていて、よくもこれだけ盛大に再現できたなあ、と感心してしまいましたね。