バティモン5 望まれざる者     ★★★☆☆

 

「レ・ミゼラブル」のラジ・リ監督が、再びパリ郊外の労働者階級の移民が多く住む地域を舞台にしたドラマで、その地域の団地の建て替え問題が浮上している時期に市長が急逝して、党の意向で臨時市長となった小児科医でもある男は、街の再生と治安の維持を目指して活動を始めるけど、どんどん住民を無視した強権的な政策にシフトしていって、住民はどんどん不満を募らせる、というところから、アパート取り壊しの為に警察官を動員して住民を退去させる行動に出て、それがクリスマス・イブだったことから、一人の青年が市長宅に押し入る行動に出る、というお話しで、市長の中で街の安心と安全というのに、移民たちは含まれていないみたいで、街の抗議デモを禁止したり、住民の不満は受け付けない態度をどんどん硬化させていく様子は、単なる移民排斥思想だけではない感情論になっていってる感じがして、両者の断絶の根深さが浮き彫りになっていますね。