3つの鍵     ★★★☆☆☆(WOWOWで録画したものをBDで鑑賞)

 

ナンニ・モレッティ監督の2021年作品で、あるアパートに住む三組の家族の十年間のお話しになりますけど、判事夫妻の息子が酩酊運転で女性を轢いた後一階に住む友人宅に突っ込む事件を起こし、突っ込まれた部屋の在宅ワークの男が、隣家の老夫妻に五歳の娘を預けたら、認知症気味の老人と共に行方不明になり、すぐに見つかったものの、娘が老人に何かされたのではないかと疑心暗鬼になり、何か確証を掴むためにたまたま帰省していた老人の娘に近付いて関係を持ってしまったら、逆に娘から訴えられてしまったりする、という具合に、三つの家族の出来事が、愛憎を交えながら交錯していって、取り返しのつかないことになってしまいますけど、「五年後」「十年後」と時間を経ることによって、それぞれの心情にゆとりが出てきて、ようやくより良い道へと進むことになっていく、という展開が良かったですね。