ペナルティループ      ★★★☆☆

 

「人数の街」の荒木伸二監督の新作で、同棲中の恋人が素性不明の男に殺された青年が、綿密な計画でその男を殺害して遺棄する、という1日を毎日繰り返す日々を過ごす、というお話しで、同じ日を過ごしながらも殺す自分はもちろん殺される男もそれまでの日々を記憶している、という設定が面白く、毎日殺し続けながら、だんだん面倒臭くなって証拠隠滅もやらなくなったり、殺す前に犯人の男とお話しするようになって、なんとなく仲良くなっちゃったりするけど、殺さなければ1日は終わらない、という日々を過ごす内に、だんだん疲れてきて自分のやっていることが虚しくなってくる、という展開は、トラウマになるような出来事に遭遇した人間にとって、結構な荒療治になるのかな、なんて思ったりしましたね。それでも恋人はやはり戻ってくることはないわけで、この青年はここから前に進めるのだろうか、と考えてしまいますね。