Girl ガール ★★★☆☆☆

まだ二十代のベルギーの若手監督、ルーカス・ドンの脚本・監督作品で、15歳のトランスジェンダーの男の子が、女性としてバレエ学校に編入して、性転換手術に向けてホルモン治療を始める、という中で、周りは幼少期からバレエの訓練を積んだ女の子ばかりで、経験の浅い主人公は、猛特訓を積んで何とか遅れないように必死に頑張るけど、気持ちは焦るけどホルモン治療の影響もあって、身体が付いていかなくなってきて、トランスジェンダーであることで周りからの好奇の目も刺さってきて、限界を迎えてしまう、という展開は、その痛いくらいの心情が伝わってくる、という意味では「ブラック・スワン」以上の感覚で、父親や幼い弟を初め、彼を理解して応援する人達の描写が温かい分、自分の中で悩みを解決しようともがいていく姿も痛々しく、なんだかいろいろと刺さってくるような作品でしたね。