凪待ち ★★★★

白石和彌監督の新作で、高校生の娘がいる女性と同棲している男は印刷工として資格も持っているような有能な面がある一方、競輪にハマって借金を作るようなギャンブル依存性で、なんとか男を変えたい女性は、父親の病気をきっかけにして、実家の石巻に引っ越すことにして、そこで印刷の町工場での就職も決まり、生活と生き方を建て直す感じになっていたのが、地元のヤクザが仕切る裏カジノみたいな場外件売り場を見つけて、やっぱりハマってしまい、再び元の木阿弥になりそうになる、というところから、癌が進行しているのに入院を拒んで漁に出る女性の父親や、転校したけど友達もできない娘や、何かと親切にしてくれる地元の男、といった周りの人達のふれ合いで、自分がいたら何もかもダメになる、と自暴自棄になっていた男に、わずかながら希望の光が見えてくる、というお話しは、白石監督らしいダメ男を描きながらも、その男の再生を描いていて、これは香取慎吾が主演していることよりも、加藤正人が脚本を書いていることが大きいと思いましたね。