ハウス・ジャック・ビルト ★★★☆☆☆

ラース・フォン・トリアー監督の新作は、あるシリアルキラーの12年間を自身で告白していく、という内容で、最初はヒッチハイクでやむなく拾った嫌味なおばさん、ユマ・サーマンを衝動的に殺っちゃって、二人目で決定的な証拠を残してしまったのに、それが大雨によって流されたことによって、天啓を感じて、綿々と続けてしまう、という内容は、ずっとヒロインを描き続けてきたトリアーとしては、男を主人公にすることで、自身に内在する偏執的な妄想をそのまま描いているように感じられて、シリアルキラーをこれだけ嬉々として描いているように見えるのは、なんだか面白く、終盤のブッ飛んだ展開も罪と罰の感覚すらアトラクション化しているような感じもしましたね。