ガラスの城の約束 ★★★☆☆☆

ジャーナリストの女性が自分の家族のことを書いたベストセラー小説の映画化で、社会の常識なんてくそ食らえ、という感じで四人の子供たちを学校にも通わせずに山奥の小屋に引っ越してきた一家は、実は父親の仕事が続かずに借金取りから逃げていただけだったけど、自然に囲まれて本を読んでりゃいい、みたいな方針で、母親も抽象画みたいのを描いている芸術家肌で、家族のありようを黙認していて、そのまま成長した子供たちは、このままじゃいけないと必死にお金を貯めて、長女から順番に家出、というか、家から脱出していって、家出した次女は奨学金で大学に進み、雑誌のコラムが評判になるジャーナリストとして注目されて、金融アナリストの婚約者もいて、順風満帆なところで、両親が路上でゴミ漁りしているのを目撃してしまう、というお話しは、今だったら世間で騒がれて、両親も逮捕されるんじゃないか、というくらいの出来事ですけど、そこを独力で突破して、将来への道を自ら切り開いてきた姉弟にとって、両親は毒親には変わりないと思いますけど、思い出すのは父親と山奥で見た星空や、ガラスの家を建てる、という約束だった、というのは、なんとも切ないですね。ヒロインの次女を演じるブリー・ラーソンもいいですけど、しょうもない父親を演じるウディ・ハレルソンが見事でしたね。