さよならくちびる ★★★☆☆

塩田明彦監督の新作で、自分で曲も書く女性ハルが、職場のパートの女の子レオを誘って女性デュオを結成して、路上ライブから始めたら、元バンドマンの男がマネージャー的なことをやると言って、そこからインディーズでそこそこの人気になるけど、曲も書かずにギターも教えてもらったレオは、誘ってくれた恩はあるけど、曲を書くハルの方ばかりが注目されることに苛立ちを覚えたり、ハルの方はどんどんふて腐れていくレオの態度にイライラしていくし、マネージャーも二人の関係性にあまり首を突っ込まない、という三人のそれぞれの複雑な思いが絡み合って、とうとう解散が決まって、東京から東北を回って函館へと向かうラストライブツアーに行く、というそのツアーを描いたロードムービーで、三人の関係には音楽性の他に恋愛感情も微妙に絡んでいるので、恋愛禁止のルールが逆に三人に影響を与えているような感じもあるとか、そのような複雑な感情のもつれをさらりと描いているのが面白いですね。二人の曲もライブの雰囲気もいい感じでしたね。