15世紀末のフランス貴族の生活が垣間見える小説。

貴婦人と一角獣貴婦人と一角獣
2,376円
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パリのル・ヴィスト家からの依頼で製作されたタピスリーをモチーフにしたフィクション。

タピスリー(つづれ織り)でここまでの表現ができたことに驚き。

二年ほど前に日本で公開されたときは、興味がなくて見に行かなかったけど、

後悔してる。

 

「貴婦人と一角獣」の画像検索結果

「私のただ一つの望みに」という題のタピスリー。

ガンダム(昔のじゃなくて、最近のシリーズらしい)のキービジュアルにもなってるらしい。

この貴婦人のただ一つの望みってなんだろう。

キリスト教的な望みなのかも知れませんが、ミステリアスで、惹きつけられます。

 

他のタピスリーのテーマはそれぞれ「視覚」「聴覚」「味覚」「嗅覚」「触覚」「欲望」。

小説の中では、テーマが決まる時の経緯については「結構適当」な感じに

描かれてたけど、それを知らずにテーマとタピスリーを見たら、霊感に打たれるかも。

 

小説は、このタピスリーの下絵を描いたニコラという男が主人公。

女に滅法手が早い。(男前設定)

雇い主のル・ヴィスト家の令嬢にまで手を出しそうになって、

ル・ヴィスト家の女主人に「タピスリーがこんなに厄介ごとを生むなんて」と

嘆息させる色々が、なかなか面白かったです。

それにしても、奥方が娘に手を出されたら大変だから、侍女に向かって

「片時も離れてはいけません。寝るときは一つのベッドで、手首を紐で結びあって。」

って指示してたのにはびっくり。

 

貴婦人って世界共通でプライベートがないみたい。

日本の平安時代の貴族のお姫様も、大抵よね。

通いたい希望の男をチェックしてGOサイン出すのも侍女。

生活かかっているから、お姫様の好みは軽くスルーされたと想像します。

 

三島由紀夫の「春の雪」を読んでも(最近やっとだよ!今更感半端ないよ!)

深窓の令嬢の恋の行方はお付きの侍女次第。

 

自由に恋愛できる時代になったのって、実は最近の話なのだな、としみじみ。