少年は残酷な弓を射る 上/イースト・プレス
これ、試しに上巻を借りて読んでみたら止まらなくなって、
すぐに下巻を借りに行った位面白かったです。

萩尾望都さん驚愕 なんて帯に書いてあったから惹かれたんだけど。

萩尾先生がお読みになったんだったら、あたしも読む!なのよ。


残酷な神が支配する (1) (小学館文庫)/小学館
 邦題は、これを意識して付けたのかも。
(途中までしか読まなかったけど、これも凄い作品。読んでるのが
辛くて泣いたもん)

十数年前にアメリカを震撼させたコロンバイン高校銃乱射事件。

類似した事件を起こした息子ケヴィンについて、

母親が夫に宛てた手紙形式で語る小説。


生んだ時から、息子に違和感のようなものを感じながら、それでも懸命に

育てる母。


サイコパスなのか、サイコパスを必死で演じていただけなのか、

父には無邪気な少年の顔を向けるのに、母には全く別の態度を

取り続ける息子ケヴィン。


ケヴィンの、赤ん坊の頃からのエピソード。

心が寒くなります。

母が与える全てを拒絶し、おおよそやる気がなさそうに振舞う息子。

育てにくいなんてもんじゃない。

大人が与える子供だましは全て拒否。

この家庭、母はキャリアウーマンのお金持ち。

父もフリーで仕事をしっかりしていて、郊外の高級住宅地に広い家。

欲しいものは殆ど何でも与えられるだろう環境。

でも、ちっとも幸せそうじゃない。母がどんなアプローチをしても。


恐ろしいほど頭が良くて、(でも目立たないように成績はオールB)

事件をほぼ完璧にやり遂げる周到さを持っていて。


作者(名前はライオネルだけど女性よ!)は子供がいないのに、

よくここまで書けたなと。


心は寒くなるけど、読むことを止められない作品です。


こういうの、日本人には書けないかも。

不条理の極み。

最後にほんのわずかの希望が見えたかな?ぐらいの。

アメリカの小説って、あんまり因果応報とかない気がします。


好きなものから壊すのさ。


「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」にこんな感じの

セリフが出てくるんだけど、その容赦のなさって、たまらないんだけど、

それが現実だよなって気もします。