- 小説「聖書」旧約篇/ウォルター・ワンゲリン
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聖書だけじゃ足りなくて、小説「聖書」も持ってるよ。
新約聖書はするする読めたのに。
なにしろ聖書の神は不条理だ。
嫉妬深く、人間に苦難を与え、「アナタを信じて何か得られるものは
あるのでしょうか?」と真剣に問いただしたくなるほど。
ヨブなんて信仰心の故に読んでるだけで気が滅入るような苦難・
艱難を神様からスペシャルプレゼント。
全然納得できないから、読んでも読んでも理解できません。
でも、
- バウドリーノ(上)/ウンベルト・エーコ
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バウドリーノを読んでいて、少し分かったのですが、イスラエルとかトルコ
周辺から全ヨーロッパにかけて、住んでる世界がそもそも不条理なんです。
昔からしょっちゅう戦争している地域です。
今の暮らしが幸せでも、戦争が起こって、自分の国や都市国家が
負けてしまったら、とても悲惨。
街は破壊され、火をかけられ、奪われ、犯され、殺され。
今日まで奴隷を使う身分であったものが、明日はわが身が奴隷
なんていうのはザラ。
自分達が平和に楽しく暮らしていても、外から襲ってくるんじゃあ
戦うしか道はありません。
聖書の不条理なんか可愛いものかもしれません。
みんなモーセの十戒なんか本当に守ってた?
守ってないよね?
私は宗教は人の心をコントロールする手段だと思っていて、
中でもモーセの十戒は好きではなかったのですが、
昔の中近東、ヨーロッパの有様を本で読むにつけ、
「モーセは悔し泣きしてないだろうか」と想像してしまいます。
あ、でもモーセは神の御名の下の戦いは容認でしたね。
生きていくのに厳しい場所は、神様も厳しい。
昔、キリスト教学の教授が「キリスト教を布教して成功した国は、
大抵キリスト教の神より厳しくて生贄を要求したりする怖い神様
がいたからだよ。
キリスト教のほうが優しいからね
」って言っていましたが、
世界にはもっと恐ろしい神様がいるようです。
日本にいたらわかりません。
多分、わからなくて良かったです。