鬼滅の刃 無限列車編 ① | Pourriture noble


見に行ってしまいました。
緊急事態宣言下でしたが‥(^_^;)💦

今回もバッタもんのN95マスクを装着し。
一番収容人数の少ないスクリーンで。
座席に間隔を空けて、鑑賞致しました。


私はアニメを映画で見るのは‥。
えーと。
上の娘と見た『妖怪ウォッチ』以来です(°∀° )

今のアニメって、こんなに凄いんですか。
『鬼滅の刃』は、アナログとデジタルのハイブリッドで制作されていると知ってはいましたが。

それをやって、かえって不自然になっている作品なんかも時折目の当たりにしていましたので。
ちょっとどんなもんなのかと訝しげになっていました(^_^;)

しかし。
『鬼滅の刃』は、アナログとデジタルの境界が全く分からない。
分からなくさせるような技術があるのかも知れませんが。
それにしても、アナログ·デジタル双方とも非常に丁寧で美しいです。

デジタルなんかは、積もった雪や流れる川の描写なんかもう、本物の写真や動画なんかをそのまま使っているかのよう。
(竈門 炭治郎の無意識の世界は、もっと何とかならんのかったかと少々残念に思いました。勿論、めちゃくちゃ美しかったのですが‥ありゃウユニ塩湖なんだもん。なんかもっと、見たことないような光景であって欲しかったです。と、パスポートすら持ってない私がエラそうですな(^_^;))

また、監督を務められた外崎 春雄氏が絵コンテや演出もなさっているのも、良いのではないかと思いました。
アニメの事は全く知らないので、常識なのかも知れませんが。
監督·絵コンテ·演出全てに関わってるって、余計な伝達事項も少なく済む上に。
『イメージが伝わらなかった』
と言う事態にもならないですよね✧︎*。

スタジオジブリの宮崎 駿監督も同じでしょうか。

まあ。
『鬼滅の刃』には原作がありますが。


その原作も。
私は4巻まで拝読しました。
テレビアニメは、炭治郎達が無限列車に乗るところまで、ながら見で。
っていう状態で、映画を鑑賞しました。

この作品は‥。
ホントに色々秀逸で。
上記でざっと触れましたように、作画も素晴らしいですが。
何よりストーリーやらキャラやら‥。
何から何まで超秀逸!!!!!!( ´т т` )

こんなに優しいヒーロー、見たことないです。
だいたい少年漫画のヒーローって、強くて優しい。
でも、炭治郎って違うんです。

『ドラゴンボール』の孫悟空は
『オラワクワクすっぞ!!』
だし。
『ONEPIECE』のルフィは(見たことないけど)
『海賊王に俺はなる!!』
です。

炭治郎は。
山奥で家族と穏やかに楽しく暮らせていればそれで全然良かったし幸せだった。
鬼と戦うのも、禰豆子を助けるため。
自分が強くなりたいとか、そういう願望も無く戦っている。

その設定がまず凄い。
『禰豆子を助けたい』
という気持ちだけで、刀を振るう。

でも。
そんな風には思えないほど、物凄い努力をする。

そこを上手く付くような夢を魘夢が見せるあたり、また凄い。

私の前の席にお座りだったお若い女性は、雪の中追いかけてきた母親と兄弟に涙なさっていましたが。
これは全部、魘夢が炭治郎を陥れるために見せているだけで。
炭治郎が一番戻りたいところに戻ろうと気持ちがめちゃくちゃ揺らいでいる事が、私はただただ恐ろしかったです。

そこから逃げ出し、亡き父親の言葉の意味を瞬時に考え理解し。
自らの首を炭治郎が刎ねた瞬間。
『あぁっ!!』
って声が出そうでした(辛うじて出なかった(^_^;))。

この精神力には、魘夢も驚かされてましたね。
でもその高い精神力を利用して、リアルに首を斬らせようとしたり。
息もつかせぬ展開。
ドキドキが止まりませんでした。

この作品って、アニメでゴリゴリのファンタジーなのに、何だかとてもリアルなんですよね。
どんなに映像が綺麗だとは言え‥。
不思議なんです。

炭治郎のような苦労をしたわけでもないし、こんなにいい子でもないくせに、共感が止まりません。

なんか凄いリアルだったのは。
炭治郎が少女に錐のようなもので腹部を一突きされた、あの傷が痛手となり。
煉獄 杏寿郎さんが目の前で絶命していく様をただ見ている事しか出来なかった事。
(まあ、煉獄さんから待機命令が出てたのもあるけど)

ここは、場面的に煉獄さんの見せ場の場面で。
炭治郎が出る幕ではなかったので、そうなったのでしょうけど。

他の少年漫画だったら、あんなものは最初に
『ううっ』
と、苦しんだ直後から超元気になっちゃう程度のものです(^_^;)

でもそれが、私はいつも違和感があって嫌でした。
刺された人間は、基本的に瀕死です。

それでも炭治郎は、最後の最後にヒーローらしく立ち上がったけど。
でももう、既に何の役にも立たなそうな頃で。
それもまたリアル。

いつも見るような少年漫画だったら。
猗窩座が煉獄さんの体幹を貫いた後に繰り出す右手は、ヒーローである炭治郎(と、伊之助が加わってても良い)が止めてたのだと思います。
で。
煉獄さんが最後の力を両腕に込め、猗窩座の首を斬り落とし。
鬼殺隊の勝利!!
何故か煉獄さんもナントカの呼吸を使って快方に向かう!!
HAPPY END☆
みたいな感じになるんだと思いますが。

ヒーローだからと言って、超カッコよくさせない。
猗窩座との戦いでは、ヒーローは何の役にも立たず。
尊敬する大先輩は死んでしまう。
このラストにしてしまう『鬼滅の刃』って凄いです。
(褒めてます)

猗窩座が逃げていった、もう誰も居ない森に向かって泣きながら絶叫する様も。
ヒーローとしては、無様とまでは言いませんが、カッコイイ姿とは言えません。

でも。
炭治郎ならそうするよね。
誰もが納得する姿だったのではないでしょうか。

炭治郎は、原作でもそうしたのかな。
ネーム(絵コンテ)やってて。
誰の意図でもなく、ごく自然と炭治郎が森に向かい絶叫したんだろうなと思います。

それで、その時の言葉も。
きっと劇場で見ている全員が言いたいであろう事を全部叫んでくれてるもんだから。
それを息絶える寸前の煉獄さんにちゃんと聞かせてくれてるもんだから。
泣けて泣けて、仕方なかったです。


映画鑑賞から一日経った今でも、あの世界から抜け出せず。
炭治郎や煉獄さんの姿が頭から離れません。

『『鬼滅の刃』は他の漫画とは違うよ!!』
散々聞いた言葉でしたが。
ホントだわ。