☆この記事は、百十四経済研究所「調査月報」7月号に書かせていただいた記事の全文を、発行元と関係者の許可をいただき全文公開させていただいている記事の後半部分です。
前半部分は、こちらからご覧ください^^☆
~百十四経済研究所「調査月報」7月号に寄せて~(後半)
食農連携の新たな形
「フーデコ」と「農業女子プロジェクト」サポート
健康的に年を重ねるためのアンチエイジングフードを考えるならば、環境保全型農業を応援する姿勢を持つことになるということは、既述のとおりですが、その考えから生まれたプロジェクトが2つあります。
一つ目は「フーデコ」。FOOD(フード)とECO(エコロジー)をかけ合わせた造語ですが、環境保全型農法で作られる農作物を直販するインターネットサイトを、日本アンチエイジングフード協会で、現在準備中です(2014年6月現在)。そうした農作物を「買って応援」という趣旨が主ですが、フーデコサイトで取り扱い予定の、岩手県遠野市の風土農園で自然栽培される「ササシグレ」という品種の玄米は、その品種自体にも“アンチエイジングフード”としての価値があります。現在一般的な米品種に比べ、糖質が少ないという特徴があるからです。ササシグレはササニシキの親世代にあたる品種ですが、ほぼ同時期に導入されたコシヒカリに比べもっちり感が少ないというのが、ササニシキの印象ではないでしょうか?
実は、コシヒカリ以降も人気の、「冷めてももっちり」という食感は、もち米系品種とかけ合せることにより生まれています。もち米は糖質豊富。そのために、日本人の食の原点ともいえるお米であっても品種によっては糖尿病の一因になるのでは、との危惧が一部にあります。そのため、糖質が少ない従来の品種に注目が集まっているのです。
二つ目は、農林水産省の「農業女子プロジェクト」とのコラボレーションで、新規就農のケースも増えている、女性が作る農作物をフーデコサイトで販売したり、直接買って応援するものです。日本アンチエイジングフード協会は、この「農業女子プロジェクト」のサポーターとなっています。
農林水産省のデータによれば、平成24年の新規就農者のうち、年齢別では39歳以下の若年層、そして、前職が農業ではなかった新規参入者が増え、新規参入では女性も大幅に増えているということが示されています。こうした若い就農者、女性就農者を応援することも、食を支える農業の持続性を地道に支えることになると考えます。
就農形態の「新規自営農業就農」は、実家の農業を引き継ぐ形での就農。「新規雇用就農者」は農家や農業法人に雇用された人。「新規参入者」は、独自に農地・資金を調達して農業経営を始めた人を指す。
平成24年に新規で農業経営を始めた人。前年比で女性の伸びも大きい。
(上記データ2点、農林水産統計、平成25年7月26日公表データより。表タイトルの番号は元データのまま)
農業体験から食の意識向上へ
キッズファームプロジェクト
次世代以降のことを考えると、健全な土壌を残すことだけでなく、次世代を担う子供たちに、健康的な食についての知識を伝えることも重要です。「食育」ということばは、大きな広がりをもって使われるようになりましたが、食を支える農業を体験することが、大人同様、子供にとっても食への意識を高めてくれるはず。その思いから日本アンチエイジングフード協会が企画しているのが、キッズファームプロジェクトです。
農作物を育てる、収穫する、という行為そのものだけでなく、環境を守る農法を実践している農場で農業体験をすることで、多くのことを感じ学ぶ場になることを期待しています。初年度の今年は、軽井沢のオーガニック農園オルトアサマとのコラボレーションで、3回のキッズファームプロジェクトを予定しています。
今後は、協力していただける農園とのご縁を増やし、ゆくゆくは、キッズファームプロジェクトで子供たちが世話をした野菜を給食で使えるような、食と農のつながりを実感できる仕組みを作っていきたいと考えています。
香川県よろず支援拠点とのコラボレーション
香川の伝統的食文化の健康的価値再発見へ
香川といえば、うどん!ですね。讃岐うどんといえば全国的な名物でもあり、うどんめぐりは、香川での観光の楽しみ方の一つとして、すっかり定着しました。
ところが、うどんは、アンチエイジングフードの観点から見ると、要注意の食べ物でもあります。それは、うどんが米などのほかの主食に比べて血糖値を上げやすいことがわかっているからです。うどんとの因果関係はわかっていませんが、香川県が、糖尿病受療率全国ワーストレベルということ、また、野菜摂取量が2000年ごろから全国ワーストレベルだったために、県ではうどんといっしょに野菜も食べようという広報活動が広げられてきました。
今春、香川県よろず支援拠点コーディネーターの本多八潮氏の紹介で、香川県健康福祉部の方々とミーティングをさせていただきました。その際、保健所を拠点に地域ごとに野菜の摂取量アップのための活動を広げられたいきさつを伺うことができました。
そうした活動が実を結び、2012年の調査では香川県での野菜摂取量が男性で全国16位、女性17位だったと今年の3月に発表され、食生活は意識することで大幅に変えられるということが実証されました。
讃岐うどんは発酵食だった?
さらに、“県外からの目”で提案させていただければ、讃岐うどんという伝統食が、本来どんな食べ物だったか、再発見することも、うどん文化のさらなる進化につながるのではと思います。アンチエイジングフードマイスター仲間でもあり、能登沖海水から作られる「わじまの海塩」を企画販売する、美味と健康代表取締役の橋本三奈子さんは、「ミネラルバランスの良い海水塩でうどんをていねいに打つと、天然酵母パンの生地と同じように、小麦が発酵を始めます。さらに伝統的な醤油は加熱処理で発酵を止めている現在の主流の醤油とは違い、生きた発酵調味料でした。しかも、香川には、古くから日本三大魚醤の一つに数えられた、いかなご魚醤があります。伝統的なうどんは発酵食だったと思います」と、語ります。
また、乳酸菌などの発酵菌は、加熱により死んでしまっても腸内の乳酸菌の働きを助けることが知られています。つまり、加熱調理をするうどんも、発酵状態になったうどんをゆでれば、腸内乳酸菌の働きを助けることが期待でき、さらに、発酵調味料の伝統的な醤油を使えば、立派な発酵食といえるのです。
名物を生み出したバックボーンとして、香川県には、昔から良質の小麦、良質の海水塩、良質の醤油があります。そうしたことから、県産品100%で、昔ながらの“発酵食”としての讃岐うどんを再現するようなイベントを企画して、美味しく楽しく健康的なうどんの魅力を県内外の多くの人と分かち合ってみたい。そんなことを楽しく想像しています。
食べるもの、食べ方を選ぶことで、健康になれる。健康であれば、元気で楽しくやりたいと思ったことに向けがんばれる。健康でがんばれる人が増えれば、社会全体が活性化する。そうした明るい将来への展望を、より多くの人と共有できるよう、健康的な食生活、ライフスタイルについての知識を深め、行動を広げていきたいと思っています。
2014年7月
最後までお読みいただき、ありがとうございました^^
