第5話「炎の意志」

 

 

~前回のあらすじ~

1つめのジムを突破した明莉だったが、

またアクア団のしたっぱと対決することに。

そしてついにアクア団を恨むホープの過去が明かされる。

 

 

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ーカナシダトンネルー

「この中にいるはずだけど…どこにいるの…?」

「おい、アクア団!」

したっぱ「!!」

ホープが匂いを嗅ぎ分けて隠れているしたっぱの場所を察知した…!)

「来るのか?来るなら来いよ!」

「よし、テトラ、いくわよ!」

「えーい、くっそー!

奪ったポケモンはなんの役にも立たないし

いいところへ逃げ込めたと思ったのに、このトンネル行き止まりじゃねーか!

やい!お前、俺と勝負するんだな!?」

明莉、僕が戦うよ」

「ホープ…わかった!」

(これだけホープがアクア団を強く恨むのには、何か理由があるはず…)

 

 

明莉VSアクア団したっぱ

「行け!ポチエナ!」

「Let‘s Go!ホープ!

ホープ、まずは噛みついて!」

ガブッ

「へっ、怯むんじゃねえぞポチエナ!体当たり!」

ドンッ

「くっ…」

「ホープ、炎のキバで反撃よ!」

「はっ!」

ガブッ!

「ん?お前、今のその技って…」

「何か知ってるの?」

「ああ。少し昔の話だけど、せっかくだし話してやるよ。

 

2年前、アクア団のしたっぱ達で2匹のグラエナと、1匹のポチエナを捕まえたんだ。

その3匹のポケモンは、普段覚えない珍しい『炎のキバ』が使えたのさ。

だがその3匹のうち、ポチエナだけまだ幼くて使えなかったから、逃したんだよ

 

「そのポチエナって、もしかして…」

「…僕のことだよ。僕はあの日、アクア団に捉えられたんだ」

 

ー2年前ー

「お母さん、お父さん、待ってー!」

「ふふっ、ホープは元気ねぇ」

「父さんみたいに、強いポケモンになるんだぞ?」

 

僕は、家族と3匹で幸せに暮らしていた。

晴れの日も、雨の日も、離れることなく一緒に。

でもある日、奴らが…アクア団がやってきたんだ。

 

「こいつら、炎のキバを覚えてるぜ!」

「これは使えそうなポケモンだな。捕まえるぞ」

 

僕達の家系は、特別な技の『炎のキバ』を覚えていた。

それがアクア団に気に入られたのか、僕達は3匹まとめて捕まえられた。

 

「ちくしょう!このポチエナ、まだ子供じゃねえか!」

「こいつは逃すか…だがいい。強力なグラエナが2匹捕まえられたんだからな」

 

その時子供だった僕だけが野生に逃がされた。

お母さんとお父さんは、そのままアクア団の手持ちに入れられてしまった。

 

「お母さん…お父さん…みんな…どこにいるんだ…?」

 

来る日も来る日も僕は、人間やアクア団から隠れながら家族を探し続けた。

でも…どこを探してもいなくて、もう僕の精神はボロボロだった。

 

「そんな時、明莉に出会ったんだ

最初は明莉が怖くて、僕のことをアクア団みたいに利用するんじゃないかって思ってた」

「そうだったのね…」

「だけど明莉は優しくて、ポケモン達を愛していたんだ」

「まるで俺達アクア団が、ポケモンを愛していないみたいな言い方をするんだな」

「その通りだろ?ポケモンを奪って利用する…

たとえそれが人のポケモンでも、野生のポケモンでも、誰かの大切な家族でも。

そんなのどこに愛があるって言うんだ?」

「そ、それはだな…」

「…もしお母さんやお父さんが、アクア団に捕まえられていなかったら、

今頃僕は、3人で平和に過ごせてたんだろうね…

だから僕は…そんな幸せを奪ったアクア団のことを…恨んでるんだよ…!!

ただ家族に…会いたいだけなんだ…!!

(ホープが、泣いてる…)

「…へっ、なんだそれ。お前らが炎のキバを使えるのが悪いんだろ?

そんなにパパとママが恋しいならここでお前を捕まえて、家族に会わせてやるよ!」

「そんな誘惑に惑わされないで!」

「言われなくても、アクア団のポケモンになるつもりはないよ

僕はお母さんとお父さんを自力で探して…

この家族から受け継いだ『炎のキバ』で、アクア団から助け出すんだ!」

「ホープ…!よく言った!本気の力で炎のキバ!

ガブッ!!

ポチエナは火傷を負った!

「くっそ…」

ポチエナは倒れた!

アクア団のしたっぱとの勝負に勝った!

「さすがの強さだな…」

 

 

「おかしいなぁ…

リーダーの話では、何かの荷物をデボンから盗んでくるっていう

楽な仕事だったはずなのに…」

「僕はアクア団を許さない…これからも、これまでも。

だからその奪った荷物と、ピーコちゃんさんを返せ!」

&((ピーコちゃんさん…?))

「ちぇっ!こんなもん返してやらぁ!」

明莉はデボンの荷物を手に入れた!

「それじゃ俺は逃げるぜっ!!」

アクア団は逃げ出した。

「…行っちゃった。明莉、みんな、取り乱してごめん…」

「大丈夫だよ。それに…ホープの過去の話をちゃんと聞けてよかった。

これからは、ホープの家族と出会えるように私も協力させて!」

「いいの…?ありがとう…!」

「とりあえずアクア団は去ったことだし、

さ、ピーコちゃん、一緒にあのおじいさんの元へ帰りまs」

おじいさん「ピーコちゃーん!!

「え?おじいさんが…爆速で走ってくる…!?」

ビューーン!

おじいさん「ピーコちゃん!無事でよかった…!

あんたはピーコちゃんの命の恩人じゃよ!」

(おじいさんとは思えない速度でここまで来たな…)

おじいさん「わしはハギと言うんじゃが、君の名前は?」

「あ、明莉です」

おじいさん「そうか!明莉ちゃん、本当にありがとうよ!

これから困ったことがあったら、遠慮なくわしに言っとくれ。

わしはいつでもトウカの森の近くの浜辺の海にいるからの!」

「はい!ピーコちゃんも無事でしたよ」

おじいさん「やっぱり無事じゃったか!

さすがわしのピーコちゃんは強くて無敵でパワフルで…」

「とっ、とにかく、この洞窟から出ましょう!」

おじいさん「そうじゃな!さあピーコちゃん、わしらのお家に帰ろう!」

ピーコちゃん「ピひょーっ!」

ビューーン!

「本当にあの人、おじいさんなのかな…?」

「ボルト並みの速さで走って行ったわね」

「ってか、早くこのデボンの書類を研究員さんに返しに行かないと!」

 

ーカナズミシティー

「研究員さーん!」

研究員「ああ!どうでした、デボンの荷物は…?」

「はい!持って来ましたよ」

研究員「そうですか、取り返してくれたのですか!

君は本当にすごいトレーナーですね!」

「ありがとうございます!」

研究員「助けてくれたポケモンのみんなも、ありがとうね。

…そうだ!君、私についてきてください!」

「どこに行くんですか?」

研究員「社長に書類を返しに行くんですよ!」

 

デボンコーポレーション→

ー3階・社長室ー

研究員「社長、この方が例の…」

社長「おお、君が明莉さんか、よろしくな!」

「よろしくお願いします…!」

ツワブキ「わしはデボンコーポレーション社長のツワブキだ。君のことはさっき聞いたよ

なんでも、うちの研究員を2度も助けてくれたんだってね。

そんなすごい君に、頼み事をしたいんだ」

「頼み事とは、どのような?」

ツワブキ「ムロタウンにいる『ダイゴ』という男に、この手紙を渡して欲しい」

明莉はダイゴへの手紙を手に入れた!

「承知しました」

ツワブキ「さて…そのムロに向かうためには海を渡る必要がある。

そこで、104番道路の小屋に住むハギと言う船乗りに手助けをお願いしておくからね」

「ハギさんって、あのピーコちゃんのトレーナーの…」

ツワブキ「おや、知っているのかい?」

(あれだけ爆走してるおじいさんなんて、初めて見たぜ…)

ツワブキ「彼の元に立ち寄れば、力を貸してくれるはずだ。諸々よろしく頼むよ!」

「はい、任せてください!」

研究員「1階までご案内しましょう」

 

ー1階ー

研究員「…実はハギ老人は、ツワブキの古い友人でしてね」

「そうなんですか!?」

研究員「なんでも若い頃は、もう1人の友人と3人で

世界各地を旅して回っていたそうですよ」

「へえ〜、だからあんなに元気だったわけだね」

研究員「ハギ老人のたくましさは誰にも負けませんからね…

むっ、もうすぐミーティングの時間だから帰らないと!それでは!」

「さようなら!」

「今度は書類、奪われないように注意するのよー!」

研究員「はーい!」

「えっと…この手紙を、ムロタウンのダイゴさんに渡せばいいんだよね?」

「そうだな!よし、今日はポケセンで休んで、明日またハギさんのところまで行こうぜ!」

 

第5話 おしまい

 

 

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次回予告

 

ホープの壮絶な過去を知りまた一つ成長した明莉達は、

デボンの社長ツワブキからダイゴという人物に

手紙の伝達を頼まれ、次の街“ムロタウン“へ向かう。

 

 

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あとがき

どうも!あるいです

ここまでお読みいただきありがとうございました!

 

ホープの回想シーン、結構重かったですね…

なのでハギ老人のところでコメディを挟みました。

ありがとうハギ老人とピーコちゃん。

 

「そんな過去があったのかぁ…ホープ…辛かったな…!!」

「ちょっ、テトラ、泣きながら抱きつかないで!苦しい!」

「いつか家族と会えるといいわね…!!」

「加賀美も…!?気持ちは嬉しいからそんなにみんなくっつかないで!」