第12話「遠い景色」

 

 

~前回のあらすじ~

恋のライバルであったトリン加賀美は無事に和解し、

侑希とのバトルを終えた明莉“キンセツシティ“に到着。

着いて早々、久しぶりの登場のに勝負を挑まれる。

そして新たに仲間に加わったソルトには、とある秘密があって…

 

 

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ーキンセツシティー

「ここはキンセツシティ…“明るく輝く 楽しい街“

確かに人もお店も多くて、いい雰囲気の場所だね」

「お腹空きましたね。僕はレストランに行きたいです〜」

「さっきあんなに食べてたのに!?すごいね」

「自転車屋もあるらしいぜ!移動が楽になりそうだ」

「バトルに備えておきたいからフレンドリィショップに行かない?」

「私は喫茶店に行きたいわ」

「みんなちょっと待って。なんか見覚えある人がいるんだけど…」

「わあ!ここがキンセツシティ!」

叔父さん「ははは、充くん、楽しそうだね」

「あそこでが変なおじさんに絡まれてるわ。

ちょっと私がぶっ飛ばしてくるね」

明莉、ストップ。あれは多分充の親族の叔父さんだ!

おんなじ匂いがするからわかったよ」

「ならよかった。怪しかったからつい…」

「意外と明莉ってかっこいいところあるんですね」

「意外ってなんだ意外って」

叔父さん「どうする?キンセツキッチンにご飯でも食べに行くかい?

それともサイクルショップカゼノに行って自転車を買おうか?」

「いえ!まずはジムに挑戦します!」

叔父さん「へ?」

「へ?って、なんか可愛いわね」

「僕は早く、もっと勝ちたいんです。

えっと、ジムの場所は…

このまままっすぐ!中庭を通り抜けた先ですね!」

ダダダッ…

叔父さん「あっ、待って充くーん!?」

ダダッ…

「とりあえず、久しぶりに話したいし後を追ってみますか!」

「ですね。ランチはまた後にしましょうか」

「いや、もうお昼は食べたんだけどな…」

 

ージム前(キンセツシティ)ー

「充、久しぶり〜」

「っと。なんだか話し合いをしてるみたいだな。聞いてみるか」

「叔父さん、お願いだから!

自分がどれだけ強くなったか、このジムで試してみたいんです!

ね、いいでしょう!?」

叔父さん「まぁまぁ充くん。

確かにポケモンと暮らすようになってから君はずいぶん元気になった!

だからって、いきなりポケモンジムに挑戦なんて…無理していないかい?」

「…無理なんかしてません。

僕とラルが力を合わせれば…誰にだって勝てるはずです!」

「俺も充と戦いたいです。叔父さん、お願いします」

その時、充が明莉に気づいた。

「あっ!明莉さん!」

「久しぶりだね」

「明莉さん、みなさん、お久しぶりです!

加賀美さんはキルリアに進化したんですね」

「ラルも見ないうちに大きくなったなー」

「へへっ、ありがとうございます」

「僕、あれから強くなったんだ!ラルと一緒に!

それを明莉さんにも、叔父さんにもわかってもらいたいんです!」

「充…」

(最初に会った頃とは違う覚悟を感じる。

『絶対に負けたくない』っていう激しい思いが…)

「明莉さん、お願いです!

僕とポケモン勝負してください」

「わかった。今回はソルトと加賀美、一緒に戦おう。

それじゃあ、かかってこい!」

「ありがとう、明莉さん。それでは行きますね!

…絶対勝とうね…、ラル!」

「俺たちの強さ、証明しましょう!」

 

 

明莉VS

「Let’s Go!ソルト!」

「行こう、ラル!」

「ソルト、出せるなら放電を、

無理なら噛みついて!」

「うっ…噛みつきます!」

「集中して耐えろ!」

ガブッ

「少しダメージは与えられたかな…?」

「今度は目覚めるパワー!」

「注意して、ソルト!」

(全方位を確認しても、技の気配がない!

もしかして後ろから…!?)

「上からですよっ!!」

「!!」

ドオォン…

「大丈夫!?」

「明莉…僕はまだ、戦えます!」

ソルトは明莉を悲しませまいと持ちこたえた!

「ありがとう…!だけど、これ以上戦わせると

ソルトの体が心配だから戻って。ありがとうね。

それじゃあLet’s Go!加賀美!」

「同じ種族のポケモンだからと言って、情けはかけないわよ!」

「ええ、俺もそのつもりです!」

「エコーボイス!」

「光の壁で守って!」

カキィン

「ラルトスの頃は耐えられなかった攻撃も

こうしてキルリアになったことで、うまく耐えれるわ…!」

「さすがですね、明莉さん!

それなら…ラル!僕との特訓を思い出して!

腹の底から、もう1度響け、エコーボイス!

くらえーーーー〜〜っ!!

バンッ!

「なんのこれしき…!」

「耐えた…!?」

「残った光の壁でなんとか持ちこたえたんだね!」

(にしても充、いい技を使うなぁ。

エコーボイスは使うたびに威力が上がっていく技だから

長続きしたらこちらが押される…なら)

「ここで決着をつけよう!

加賀美!本気の力でサイコキネシス!

「はぁーっ!!」

「もう1度エコーボイスだ!」

ダァン…!

「もっと強く!ラル!」

(ラルトスとは思えないくらいの力が押し寄せてきて

気を抜くと負けてしまいそう…)

 

 

『力を、使って…』

 

 

「…?」

(明莉の声とは違う声がまた聞こえた…

確かに進化してから、念力とは違う“不思議な力“を感じるようになったけど、

もしかしたら、その力を使えということ?)

「わからないけど、とりあえずこの状況では使うしかなさそうね

…ラル、覚悟して!」

キュイィィン!

「なっ…!?」

バァンッ!

強い衝撃が起きて、どちらも吹き飛ばされた。

「加賀美!大丈夫?」

「…ラルっ!!耐えられなかったかぁ…」

ラルは倒れた!

との勝負に勝った!

「やっぱり、明莉さんは強いよ!」

 

 

「叔父さん…僕、シダケに戻ります。

明莉さん、ありがとう。やっぱりトレーナーってすごいんですね。

ただポケモンと一緒に戦うだけじゃダメなんだ…」

「充もラルすごかったよ。良い戦いだった」

「本当の意味で、トレーナーにはなれないんだ…」

叔父さん「充くん、そんなにしょげることはないよ

これからもっともっと、強くなればいいじゃないか!」

「そうだな。俺はどちらも互角の力だったと思う」

「……」

叔父さん「さぁ、うちに帰ろう。みんな待ってるよ」

「…はい。それと明莉さん、

僕、きっともっと、ずっと、ずーっと…強くなります」

「うん。私も強くなるから。絶対にまた戦おうね」

「もちろんです。たった1度のポケモン勝負で、自分の限界、ラルの限界…

いろんなこと、わかり始めた気がするから…」

「充ってこんなにストイックだったんだな」

「あの…それで、その…

明莉さん、できたらあなたのことを…」

「私?」

「えっと…僕の、ライ……

…あ、いや!ごっ、ごめんなさい!」

「そこまで言うんだったら、最後まで言っちゃいなよ」

「なんでも無いです!今のは忘れてください!」

「気になりますね…」

「それじゃ、さよなら!」

 

「行っちゃった…。何を言いかけたんだろう」

叔父さん「なるほど、充くんがポケモンを捕まえるのを

見守ってくれたのは…明莉ちゃん、君だったんだね!」

「そうでしたっけ」

「何忘れてるんですかっ!!」

「2話ではちゃんと一緒に捕まえてたわ」

「充が最初に登場したのも、もう3ヶ月前だってな」

「そういえばそんなこともあったね。懐かしいなぁ」

叔父さん「充くんがあれだけ前向きになれたのも

君のおかげだよ。ありがとう」

「こちらこそ、充と戦わせてくれてありがとうございました」

叔父さん「…そうだ!

お礼と言ってはなんだけどこちらを差し上げよう」

明莉はひでんマシン06『岩砕き』を手に入れた!

叔父さん「…それではこの辺で。

時間ができたら、シダケタウンにある

我が家へ遊びに来てくれると嬉しいな。

充くん、きっと喜ぶから。ではね!」

叔父さんは去っていった。

「加賀美、ソルト、お疲れ様だぜ」

「とりあえずポケモンセンターに行こっか」

 

ーポケモンセンター(キンセツシティ)ー

「戦ってみて感じたけど…侑希も充もだんだん強くなっていってるね」

「だね。でも、僕たちもまだまだ負けてられないよ」

「丁度いいし、休憩しながらジムの作戦を練ろうか。

次に戦うのはでんきタイプ使いのジムリーダー、テッセンさん。

今から、出てもらうポケモンをあらかじめ決めようと思うわ」

「俺は進化してじめんタイプも入ったから、活躍できると思うぜ!」

「そうだね。テトラは確定でパーティに入れようか

それと…ソルト、あなたにも戦ってほしい」

「僕ですか!?」

「うん。あと、一つ気になってたことがあったんだけど…

ソルトが電気技を出せない理由を教えてほしいんだ」

「それは…」

「言うのが嫌なら、全てを言わなくても大丈夫よ」

「いや、ずっとこのままだと迷惑をかけてしまうので、話します

 

昔からずっと、電気が苦手だったんです。

ラクライとして生まれてきたのに…変ですよね。

 

怖くて早くて、痛い。そんな技を出すのが嫌になった僕は、

いつの間にか電気を使う技が出せなくなっていました。

 

「お前、ラクライのくせに電気が苦手ってどういうこと?」

「あのラクライ、鳥ポケモンにも負けそうだな」

「本当に俺たちと同じポケモンなのか?弱っちい奴はいらないんだよ」

 

だから僕は、周りの仲間からも嫌われていたんです。

僕はただ…みんなに認めてもらいたかった。

普通になりたかった。

 

でもでんきタイプの技を出せば出そうとするほど恐ろしくて、

そんな自分自身がまた嫌になって…

 

それから僕は、ずっと昔のトラウマに囚われているんです

放電も雷のキバも使えないラクライなんて、

みんなの足を引っ張ってばっかりですよね」

 

「そうだったんだ…でも、とりあえず聞けてよかったよ」

「今すぐに克服はできるかわからないけど

僕はいつか、この電気の力で誰かの役に立ちたいんです…!」

「…あ、いいこと思いついた!

確かソルトが行きたがってたレストランにはルールがあって、

みんなと戦わないとご飯が食べれない場所らしいのよ。

だからそこで、電気を出す練習をしない?」

「もう夕ご飯の時間だものね」

「ソルト、お前はもう俺たちの仲間なんだ。

できる限りの力を出してみようぜ」

「わかりました!…精一杯頑張ってみます!」

 

第12話 おしまい

 

 

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次回予告

 

明莉と戦い、改めて強さの意味を見直した

その後、明莉たちはソルトが電気技が出せなかった理由を知り、

3人目のジムリーダー テッセンに挑む前に再び特訓を続ける。

 

 

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あとがき

どうも!あるいです

ここまでお読みいただきありがとうございました!

 

ソルトの過去もなかなか壮絶でした

実はソルトの過去は、製作者が初めてラクライと戦った時に電気技を全然

打ってこなかったという実体験が元になっています。

 

「ソルト!電気が打てるようになったらご褒美に晩御飯おかわり自由よ!」

「…!よーし、もっと頑張ります!」

(明莉が金欠にならないといいけどね…)