現代人のための産土神社の調べ方 | 神さまのひとりごと

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現代人のための産土神社の調べ方

皆様、こんばんは。

 

今日は、現代人が産土神様と上手に付き合う方法について、産土神社の調べ方を含め、お話しして参りますよ。

 

 

時の流れを経て、神様に対する価値観は昔と変わってしまいました。

 

こうした状況のなかで、どうするのがベストなのでしょうか。

 

私なりの考えを申し上げたく、よろしくお付き合いくださいませ。
 

現世の面倒をみてくれる産土神様

前回までは、産土神社へのお参り=大地への感謝ではないか、とのお話をして参りました。

 

とすれば、土地に還った命は全部、産土神様といっても良いのかもしれません。

 

このため、産土神様には血のつながりは必要ないのかも?と感じるときがあります。

 

氏神様の起源はご先祖様ですから、その点が、産土神様と氏神様の違いではないでしょうか。

 

また、産土神様=大地の神様とすれば、それは豊穣の神様ともいえますよね。

 

人間の肉体を造り、食べ物の世話もしてくださるならば、産土神様とは現実世界における親のような方、と言ってもよいのかもしれませんね。


その昔、住んでいる土地で収穫された水と食物をいただいていた時代でしたら、産土神様はこの方!と決るのも、今より簡単だったのではないでしょうか。

 

しかし、人も物も遠くまで行き来するのが現代です。

 

大地に境界線がないように、産土神社を分けることも、本来は難しいことなのかもしれません。

 

産土神様を見つける方法

しかし、このような時代の変化を受けても、産土神様にお参りしようと思えば、やはり神社を決める必要がございます。

 

そこで一般的な神道の考え方に従うとしても、神道の宗派も分かれておりますから、どの考えに従うべきかとの問題は残ってしまう、ということは前回までお話して参りましたね。

 

通常であれば、産土神様の考え方は次の2通りです。

  1. 実家(生まれた家)の住所を管轄する神社
  2. 生まれた病院の住所を管轄する神社(※最近はこちらの考え方をする人も多いようです)

 

産土神社の調べ方は、1.または2.の住所を管轄する神社を、神社本庁に確認します。

 

ただし、この調べ方で分かる産土神社は、神社神道という宗派が決める神様になります。

 

他の宗派では別の考え方をする時がありますから、ご自分が惹かれるものがあれば、それを採用すれば良いでしょう。

 

特別な宗派に所属しているのでなければ、神社本庁の考え方に従って選ぶのが無難な選択肢ではあります。

 

 

こだわり派のための産土神社を調べるヒント

でも、もしそれでは何か物足りない。

 

より深いご縁があるはずの神社を知りたい、との気持ちがあるのでしたら、私が一番良いと思う方法は、ご実家が所属していた地域の講中(講社とも)を調べることだと思います。


講中とは、近代化される以前の日本で一般的だった地方組織のこと。

 

例えるなら、村民全員で加盟する崇敬会のようなものですね。

 

山伏、御師などと呼ばれる指導者に従って、○○神社を村民みんなで信仰する風習が、昔の日本にはありました。

 

例えば、御嶽神社なら御嶽講、伏見稲荷大社なら稲荷講などと呼んで、寄り合いを作っていたのです。

 

講中に加盟している人の中で代表者を選出し、お正月行事などを務めさせていたそうです。

 

「うちの神様」と呼べる地域の指定の神社を、昔の人は持っていたのですね。

 

ただし、この考え方でも、氏神様や鎮守様との区別はあいまいです。

 

伝統的に、講中=産土神様と考えられていたわけでもございません。

 

自分の血筋が代々お世話になっていた神様であれば、DNAの親のようなものですから、産土神様に近いかなあ、と思い申し上げたお話ですよ。

 

講中の神社の探し方

実家の講中を探したい場合、一番かんたんなのは、皆様のご家族のうち、なるべく年長の方にお話をうかがってみることだと思います。

 

お祖父さん、お祖母さんの時代に、地元民はどんな神社を信仰していたのか。

 

あるいは、お正月のお札を代々いただいてきた神社はどこか、尋ねてみてはいかがでしょうか。

 

残念なことに、現代のほとんどの地域では、講中の習慣が引き継がれなくなっていますから、案外と訊いてみなければ分からないことがあるかもしれません。

 

また、講中は基本的に村社会の制度です。

 

ご先祖様が皇族・貴族に連なる方、伝統的な神官の家系の方などであれば、村の講中よりも家系で祀る神様を大切にしてきた可能性もあります。

 

その場合は素直に、家系の神様へのお参りでよいのではないかと私は思います。

 

 

 

以上、皆さまの誕生を守護する神様として、産土神様を考察してみました。

 

すっきりした結論が出ずに恐縮ですが、氏神様・産土神様を考えるヒントとなれば嬉しく存じます。

 

次回は長らく見送っておりました、お犬様の話に入る予定でございます。

 

本日も最後までお付き合いいただいた皆様、ありがとうございました!