今週は3歳牝馬クラシックの第一弾、桜花賞です。
阪神競馬場の桜は「日本一、空気を読む」と言われており
おそらく満開の桜の下でレースは行われると思います。
一生に一回きりのクラシック、全馬不利なく力を出し切って
レースが終われることを期待したいと思います。

障害戦は土日とも中山での施行。
土曜日はOP平場、日曜日は未勝利戦が行われます。


・4月13日(日)中山4レース ダ2880m 発走11:25
(美浦)
カイザーブリッツ
→117秒0 3/26・上野【ダ/短】
ジッピーレーサー
→116秒9 4/2・伴【芝/短】
(栗東)
ワンダージュノ
→97秒9 3/27・田村【ダ/-】
スタボーンイメル
→102秒1 4/3・難波【ダ/中】

カイザーブリッツは一口馬主のライオンレースホースの所有馬。
1口10万円で400口で募集されました。
父は平地のG1で今年勝ち馬を輩出しまくっているロードカナロア。
障害馬でもOP馬を多く出しており、先日の阪神スプリングジャンプでは
ヴェイルネビュラ、ジューンベロシティがワンツーフィニッシュでした。

ジッピーレーサーは美浦の高木登厩舎からデビューをしましたが
2024年11月に現在の天間昭一厩舎に転厩をしています。
天間調教師は障害に明るい調教師で、先日のペガサスジャンプステークスも
10番人気のバーンパッションが3着となっています。
試験から伴啓太騎手が乗っています。天間厩舎の馬に伴騎手が乗った際は
2023年7月の未勝利でホウオウヴォーヌで勝っています。
それ以来の勝利となるでしょうか。

期間内に未勝利を勝ち上がれなかったワンダージュノは地方競馬に転出。
2024年5月にJRAに再転入しましたが、もともと所属していた
栗東の森田直行厩舎に戻ってきました。
父はワンダーアキュート。この産駒が障害戦を走ったのは
同じオーナーのワンダーサーイター1頭だけ。
ワンダージュノが産駒としては2頭目の障害挑戦となります。

ダート巧者を輩出しているイメージのヘニーヒューズの産駒ですが
スタボーンイメルもダートの1700mと1900mで勝利を挙げています。
この産駒の障害戦は得意ではないのか、勝ち馬は2020年7月に勝った
レンジストライクが最後となっています。
昨年9月にはシャドウダッチェスが未勝利戦で2着には来ていますが
勝ち馬となるとそこまで遡ることになります。

日本時間の土曜日の深夜に行われたドバイミーテイング。
今年も多くの日本馬が遠征し、勝利を収めたり上位入賞など
好走した馬も多い一日でした。
土曜の夜ということで、馬券の売上げも好調だったようです。

馬券発売も日本馬の遠征もありませんでしたが
同じ時間帯に行われていたグランドナショナルも気になっていました。
約6900mの距離、30回の障害飛越と、スケールがケタ違いです。
34頭出走して18頭が競走中止という過酷なレースでもあります。
いつか現地で観戦してみたいレースです。

週末の障害戦は中山で2鞍。土日とも未勝利戦が行われました。
そちらの振り返りを行います。


・4月5日(土)中山4レース ダ2880m
(美浦)
アンカリング
→12人気/14着
インヴァリアンス
→8人気/11着
ジーティージン
→14人気/13着

勝ちタイム:3分16秒2(晴・芝:やや重/ダート:重)

勝ったのは障害2戦目のウイングランブルーでした。
試験に合格するのに手間取ったものの、初戦の前走は3着。
右に斜飛する癖があるので中山コースであればラチを頼りに飛越という
大江原圭騎手の作戦に馬も見事に応えていました。
クセを完全に手の内に入れて騎乗した大江原騎手の好騎乗でした。

2着は1番人気のホウオウエクレール。
外の馬が早く、道中は包まれるような形での追走でした。
かなりのストレスがあったようですが、最後の直線では勢い良く伸びました。
勝ち馬は捕まえきれませんでしたが、惜しい内容の2着でした。

6番人気のナムラドーギーが3着。
今回が4戦目。どのレースでも大敗はしていませんでしたが
鐙が外れてしまったりと、噛み合わないレースが続いていました。
今回は不利もなく、力は出し切れた感があります。
最後の直線でも一旦は2番手に浮上したように、未勝利なら力は上位です。

5着だったイグニスは出遅れたあとに、引っ掛かって一気に2番手。
それでも飛越は上手でした。鞍上の石神深一騎手は
「性格がまだ子供。パドックや返し馬でうるさくてスタミナを使ってしまった」
とのこと。落ち着きが出てくれば未勝利なら勝ち負けできると思うので
次走は馬の気配(雰囲気)にも注目してみたいです。


・4月6日(日)中山4レース ダ2880m
(美浦)
ケンヴァイザッハ
→12人気/10着
(栗東)
バレンタインソング
→11人気/12着
アルマ―ザアミール
→9人気/9着

勝ちタイム:3分18秒2(曇・芝:良/ダート:やや重)

出走を予定していた初障害馬のジーティードリームは
馬番決定前に取消となりました。

障害3戦目、平地の重賞勝ち馬のメイショウカズサが勝ち上がり。
離れた2番手を追走、2周目の3コーナーから早めのスパートで
後続を振り切りました。直線がダートというのもこの馬にはプラスでした。
この勝利でカジノドライヴ産駒は、障害戦で初の勝利となりました。

2着は4番人気のアルデドゥオーモ。
スタートは早くないものの、前々の3番手で流れに乗っての追走でした。
「外枠が良かった」
というレース後の五十嵐雄祐騎手がコメントしていました。
テンのスピードが無い分、被されないのが良かったのかもしれません。
飛越は危ないところはありませんでした。

1番人気のアルカンサスが3着でした。
後方で脚を溜めて、2周目の向こう正面から進出しましたが、ダートコースでの
追い比べでは狭くなってしまい、もったいない場面もありました。
結果として、この日は流れが向きませんでした。
「もう少し位置を取れば良かった、先行すれば」
とレース後に土田真翔騎手がコメントしていました。
3キロもらえている分、前々で粘るレースなら次は勝ち負けかもしれません。

ウィズユアドリームは勝ち馬からコンマ6秒差の4着でした。
スタートしてすぐに他馬に寄られて後方から。
飛越は問題ないように見えましたが
「馬群の中で揉まれてしまうと闘争心が出てこない」
と、レース後の高田潤騎手はコメント。外枠を引くか、
もしくは馬具での矯正といったことも話していました。
次走は枠順や、そういった馬装についても注意したいです。

今週は日曜日に大阪杯が行われます。
その前日、土曜の深夜にはドバイミーティングも行われ
今年も多くの日本馬が遠征し、レースに臨みます。
一部のレースでは馬券発売もありますが、深夜に発走となるレースも。
寝不足にならないように気を付けたいです。

障害戦は土日とも中山で、どちらも未勝利戦となります。


・4月5日(土)中山4レース ダ2880m 発走11:35
(美浦)
アンカリング
→114秒1(良)10/2・草野【ダ/-】
インヴァリアンス
→113秒9(良)1/22・金子【ダ/短】
ジーティージン
→116秒2(良)3/26・水沼【ダ/-】

アンカリングは南関(船橋)で2022年12月にデビュー。
13戦2勝の戦績を残し、2024年1月にJRAに転入。
芝のレースを2戦消化し、昨年10月に障害試験に合格しました。
父のブラックタイドの産駒は障害のOP馬が多数。
重賞を勝ったタガノエスプレッソをはじめ、OPを勝った馬も
アズマタックン、タマモワカサマ、ブレイクスピアーなど
障害巧者を多く輩出しています。

インヴァリアンスの母は外国産馬としてJRAで競走生活を送ったタマユラ。
その後、タマユラは繁殖入りし、2番仔のエターナリーは障害未勝利を勝利。
まだ現役の障害馬です。その1つ年下の弟がインヴァリアンスとなります。
管理する尾関知人調教師といえば、最近ではローディアマントや
ミトロジーが障害戦で活躍しています。
兄のエターナリーは障害6戦目で初勝利を挙げましたが、弟はどうでしょうか。

ジーティージンを管理する石栗龍彦調教師は、開業して以来、障害戦では
7勝を挙げています。最後の障害戦の勝ち鞍は2024年9月のコルドゥーンです。
障害試験も受けた水沼元輝騎手がレースでも騎乗予定ですが
石栗厩舎の馬に水沼騎手が騎乗したのは今年は平地で1鞍。
障害戦は昨年5月のエバーサニーハートで騎乗して6着以来となります。


・4月6日(日)中山4レース ダ2880m 発走11:20
(美浦)
ジーティードリーム
→113秒3(重)3/12・上野【芝/-】
ケンヴァイザッハ
→115秒6(良)3/26・伴【ダ/-】
(栗東)
バレンタインソング
→99秒8(良)1/16・黒岩【芝/中】
アルマ―ザアミール
→97秒6(重)3/20・小牧加【ダ/-】

ジーティードリームは芝で3戦しましたが未勝利を勝ち上がれず。
このタイミングで入障となります。
父エピファネイアの産駒は、今年障害ではすでに2勝を挙げています。
コンテナワールドとミヤジシャルマンが未勝利を勝ち上がっていますが
ミヤジシャルマンは中山で初障害戦でしたが
その初戦から2着と好走していました。

ケンヴァイザッハは栗東の大根田裕之厩舎からデビューをしましたが
未勝利で地方競馬に転出。その後、昨年11月にJRAに再転入しました。
再転入後は美浦の石栗龍彦厩舎の所属となっています。
土曜日もジーティージンを初障害戦に使う石栗厩舎。
こちらは伴啓太騎手が調教から稽古をつけています。
ゴールドアクターを父に持っていますが、この馬の産駒の障害成績は
1戦0勝。コウセイが障害未勝利を1回走り11着という結果でした。

2月14日生まれなのと、母名の一部をとって名付けられたバレンタインソング。
障害試験は2回目で合格でした。
合格した1週前も受験をしました。その時は106秒2という時計で
踏切り不安定、外斜飛のため不合格でした。
時計も詰めて、2回目で合格となりました。
実戦ではどんな走りをするでしょうか。

平地で9戦したものの、勝ち上がれず名古屋競馬に転出。
そちらで2戦2勝してJRAに再転入したアルマーザアミール。
管理する斉藤崇史調教師は、グランドジャンプでも人気が予想される
スマイルスルーを管理しています。
今回は小牧加矢太騎手が試験から騎乗していますが、この調教師と騎手の
コンビは、過去に1戦だけ。昨年6月の東京ジャンプステークスの
コウユーヌレエフの1回だけで、今回が2回目となります。

美浦:0.0.2.13
栗東:0.0.1.6



3月のまとめとしていますが、正確に書くと
3/8~3/30に出走した初障害馬の結果となります。

東西問わず連対した馬はゼロ。最高着順は3着でした。

関東馬で3着に来た2頭、ウイングランブルーとリオンエトワールは
どちらも大江原圭騎手が障害試験を受験、という共通点がありました。
だからといって、大江原騎手が試験を受けた馬をベタ買いするのは
得策ではありません。月に何頭も受験させているので、それが正解とは
思えませんが、少し気には留めておきたいと思います。

関西馬の初障害馬全体で7頭と少なかったです。
そのなかで唯一、馬券圏内の3着に来たのは、テーオーリカードでした。
小野寺祐太騎手の騎乗馬(調教馬)が障害初戦から馬券になるイメージは
正直、あまりありませんでした。
それでも3着に好走する、ということはかなりの能力の持ち主かもしれません。


4月はJ・G1の中山グランドジャンプもあります。
この時期の障害戦(未勝利戦)は主に福島で開催されていましたが
今年は主場の中山・阪神で組まれることになっています。

藤岡康太騎手が落馬事故で亡くなられて、もうすぐ1年が経ちます。
全ての馬と人が、無事にレースを終えられることを願いながら
今月も競馬を楽しみたいと思います。
 

春のスプリント王決定戦の高松宮記念は2番人気のサトノレーヴが勝利。
鞍上は短期免許で来日のジョアン・モレイラ騎手。
2着もクリストフ・ルメール騎手のナムラクレアと上位2頭は堅い決着でした。
毎年、高松宮記念は馬場が渋って、前付けする先行馬が好走していましたが
今年は良馬場。外も伸びる芝コンディションでした。
トラックバイアスの少ない、フラットな状態だと、どこを通るか?は
騎手の腕に託されると、改めて感じた今年の高松宮記念でした。

障害戦は土日とも阪神競馬場で行われました。
日曜日の未勝利戦を振り返ります。


・3月30日(日)阪神4レース ダ2970m
(美浦)
ニシノアウェイク
→13人気/中止
タイセイジャスパー
→7人気/7着
ローンウルフ
→12人気/11着
(栗東)
メジェド
→8人気/10着
テーオーリカード
→5人気/3着
二ホンピロマリンバ
→14人気/13着

勝ちタイム:3分26秒0(晴・芝:良/ダート:良)

ニシノアウェイクは競走中止でしたが、前進気勢を欠いたためでした。

勝ったのは10歳馬、ステイゴールド産駒のザスリーサ―ティでした。
障害16戦目のベテランでもありました。
3月の小倉戦では水濠障害でトモを落とした不利が大きく敗れましたが
今回の飛越はレース通して不安はありませんでした。
積極的に馬を出していき、前付けして3キロ減の恩恵も
大きかったかもしれません。
ちなみに馬名は「3」と「30」で、メインレースの時刻あたりに
活躍するように、という願いを込めてつけられた名前ですが
JRAの初勝利が「3」月「30」日というのにも驚かされました。

2着は2番人気のテイエムマジック。
4角先頭で勝ちパターンのようにも見えましたが、勝ち馬の二の脚が残っており
それに屈してしまう形になりました。それでもレースぶりは安定しています。
平地時代にも着けていたブリンカーの効果があるようで、次も楽しみです。

初障害ながら3着に入ったテーオーリカード。
前走の平地戦、門司ステークスは去勢明けということもあり大幅な馬体減。
そこから今回は4キロとはいえ馬体を増やしたのも好材料だったかもしれません。
平地4勝という脚力もありましたし、最後の直線がダートというのも
この馬にはプラスでした。

1番人気のアメリカンピースは5着でした。
過去にはスマイルスルー、オオキニ、ヴァトレニと少差のレースをしており
いつ勝ってもおかしくない「順番待ち」のようにも見えていましたが……。
今回は転厩初戦という影響もあったかもしれません。
力があるのは間違いないだけに、立て直しが待たれます。