車のカタログはモデルライフ中に、マイナーチェンジ時はもちろんですが、小改良や追加グレード等があると変わります。
C32ローレルファンとして、それなりにモデルライフ中のカタログは持っていたつもりでしたが、何年か前に1つ持っていないカタログがある事に気付きました。
それは昭和63年9月発行のカタログ。この度、遅ればせながらそのカタログを手にする事が出来ましたので、C32ローレルのカタログについて少し触れてみたいと思います。
こちらが昭和63年9月、C32ローレル最後のカタログ!後期のカタログにもいくつか変化があるのですが、下の写真の様に一貫して白にグレーの表紙でした。
ちなみにこれは後期になりたての昭和61年10月のもの。
表紙を開くとこんな感じ。スラントノーズになり、前期とは大きくイメージが変わりました。
モールも前期の半分になり、全体的に角が取れてスッキリ。カタログもセンスが良くなり、打倒GX71という静かな闘志がメラメラと感じられ微笑ましいです。
ちなみにライバルGX71マークⅡの後期はこちら。売れているだけにマイナーチェンジもわずかな変化で堂に入ったもの。
話は戻りまして、なぜ、僕がこのワインレッドの表紙のカタログの存在に長年気付かなかったのか。それは昭和63年9月という時期にあります。ちなみに僕がずっと最後のカタログだと思っていたのは昭和63年4月のものでした。
その昭和63年4月のカタログを手に入れたのは高校2年生の頃、修学旅行で九州へ行った時の事。長崎市内で自由行動の際に、班単位で市内散策していたのですが、デビューしたばかりのS13シルビアが長崎日産モーターに展示してあり、皆でフラッと立ち寄ったのです。
皆、アートフォースと銘打たれた美しいシルビアに釘付けでした。
僕もその頃は生まれ変わった日産の第1弾とも言えるY31セドリックにご執心でした!
それで皆シルビアのカタログをもらったりしていたのですが、ふと並んでいたC32ローレルのカタログを開くと、1ページ目がこんな感じで変わっていました。
そう言えば7thよりもデチューンされていたRB20DETもセラミックターボになった事を思い出しました。それに合わせてカタログも変わっていたのです。
その頃、C32ローレルは家でも1つ前に乗っていた車、という存在で、それほどの興味はありませんでしたが、大好きだったC32ローレルでもあり、せっかくなのでもらって帰る事にしました。このカタログにはそんな思い出があります。
C32ローレルは昭和59年10月のデビューから、既に3年6ヶ月が経過しており、順当にいけばあと6ヶ月でフルモデルチェンジ。なので「これが最後のC32ローレルのカタログなんだろうな。後期は白銀ツートンが良く似合ってるし、なかなか良いアングルとキャッチコピーだ。」等と思っていました。
それが昭和63年9月になってから、わざわざこんな風にカタログを変えるなんて思わないですよね!
だって昭和63年9月と言ったら、こんな車の時代ですよ!
宿敵マークⅡはまるでZ20ソアラの様な美しいスタイルのGX81にフルモデルチェンジしております。なんと普通のグランデもハイメカとは言えツインカムですよ!この頃からトヨタはツインカムを普通にしてしまったんだなぁ。車が特別な存在じゃなくなっていく布石だったのかも知れませんね・・・。そう考えると罪深いですね。
そして日産もこれまでとは違った価値観を持つユーザー層への、新しいハイオーナーカーの在り方(敢えてもうハイソカーとは呼びません)を提案したセフィーロやマキシマを次々と発表していきます。
ホント、この頃は日産も変わりました!このセンスの良いスタイリッシュなボディにRB+FRでハード面もしっかりしてましたからね。当時は思ったよりも売れませんでしたが、かつてクレスタ辺りが低グレードを設けずに2人で乗るのが似合う新しい高級パーソナルセダンの境地を目指した様に、メッキやルーズクッションシートといった安直な高級感の表現から、本物志向に変わりゆく市場のニーズを汲み取った新しいジャンルの高級車っていう感じで、日産の戦略にとても感心したものです。
こんな時代に、カクカク世代の代表であるC32ローレルがもう一度新しいカタログを作るなんて思わないですよね!という事で、この頃は栄の日産ギャラリーに行ってもC32ローレルのカタログを頼む事は無かったので、近年まで存在を知らなかった、という訳です。
中身を見ると、グランドエクストラにスーパーセレクションというお買い得モデルが追加されています。
別冊では無く、本カタログにきちんと組み込まれているのがすごいですよね!
この後、昭和も終わる63年12月年の瀬に、日産シンフォニーL作戦の本丸、C33ローレルが「時代の真ん中にいます」と銘打ってデビューするのでした。
車はカタログ一つとっても様々な思いを巡らす事が出来るので本当に楽しいです。ステイホームに最適ですので、また色々とご紹介していきたいと思います!
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