アーリドラーテ歌劇団「ドン・カルロ」のご報告 | 末広貴美子の日日是好日 

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メゾソプラノ歌手・末広貴美子が綴る日々のことやオペラのこと

 やはり、終演まで何も手につかず、時間に追われ更新できませんでした。すみません。

8月末に出演させていただいた「カヴァレリア・ルスティカーナ」が終わってすぐ、夏のオペラ三つ目「ドン・カルロ」(一番大物!!)に集中していました。

一昨日、21日(祝)シルバーウィーク中日、新百合丘駅近く昭和音大内のテアトロ・ジーリオ・ショウワという、馬蹄型の劇場(ヨーロッパの歌劇場はこの形が多く、響きが素晴らしい)で、ヴェルディ作曲「ドン・カルロ」のエボリ公女役を無事演じ終えてまいりました。

今迄歌い演じてきたどの役よりも難しく(演技も歌も)、あまりの難しさに心が折れそうになった時もありましたが、共演のキャストにも支えていただき、何とか自分の演じたい歌いたい表現を出来たように思います。が、ヴェルディは本当に難しくて、声に力がないとまったく纏まらないんです...演技や音楽のメロディの陰で誤魔化すなんてことは勿論できないようになっていて、逃げも隠れもできない、自分の力量すべてをぶつけて取り組んでもまだ何かが常に足りないような。。。真っ裸になってしまうような恐怖を感じる音楽でもありました。

でも、時にふと今迄にない心地よい音楽と演技が一つにフィットして客席に発せられた場面がいくつかあって音譜ニコニコ 舞台上に居る歌手とオケと客席と照明が一つの空間になる感じ。 あれ、これはなんだっけ?と思いだしていたら、2011年のプッチーニフェスティバルの劇場「蝶々夫人」のスズキを演じていた時に感じた”アノ感じ”と同じだと思って。嬉しくて鳥肌が立ってしまいましたにひひ

ゲネプロ(本番通りにやる通し稽古)で出来なかったことをすべてOKにしようと頑張ったのですが、本番仕様で力がこもりすぎ、音程がところどころ上ずるは、歌詞を間違える(もちろん何か違う言葉を発していましたが)は、ミスも多くて、落ち込んでいる部分も多々あります。でも、本番の舞台でしか掴めない感覚というのがあって、それを多く感じ取ることができたのはぶどう収穫でした!

このような素晴らしい機会をくださった主催のアーリドラーテ歌劇団の長でマエストロでもあった山島さん、私を推薦してくださった角田和弘先生に心から感謝しております。
支えてくださった共演の歌手の皆様、合唱の皆様、オケの皆様、メイク・衣装・照明・舞台のスタッフの皆様、演出の木澤さん、ピアニストの皆様にも大変お世話になりました!!

また、この夢のような時を求めて、お声かけいただけるような歌手になるべく精進して参りますメラメラ

ご来場くださった多くのお客様にも暖かい拍手を頂き、大変光栄でした ラブラブ

次のステップへつなげていけるよう、一歩踏み出せたような気がしています。がんばろう!!! 今夏の三大プロジェクトはこれで終了。日常に戻りますが、華やかな時間だけが全てではない、そこまでの準備時間、勉強時間がどれだけ充実できるかだと今では痛いほど分かっているので。地道に勉強します。 また皆様にご報告できるようにしたいですブーケ2




Ⅰ幕終了後の休憩に、キャストのみんなとマエストロで♪


Ⅱ幕終了後の休憩に、キャストのみなさんと♪ 微妙に髪型が口紅違います