ベレーザ・メニーナのサッカーは面白い -4ページ目

日本の女子サッカー

そんな女子サッカーですが、ここ数年、驚くほど、
強くなっているのです。

日本女子代表、なでしこジャパンの
アテネオリンピックへの出場と、活躍。
そして、北京オリンピックでの4位と、活躍が目覚しい限りです。
世界ランクも5位と、信じられないほどの強さを誇っているのです。

国際大会に出れば、メダルも普通に狙える位置。
そして、世界の頂点を本気で狙えるに、十分な位置にいます。
結果、2012年のロンドン・オリンピックでは、確実に頂点を目指して戦うことになります。
そして、来年は、2011年女子W杯のドイツ大会があります。

このような最強なでしこジャパンの大半を支えるクラブチーム最大勢力であるのが、
まさに、ベレーザ、なのです。

卓越した基本技術力、
走り負けない走力、
一対一でも倒れない絶対の強さを見せるフィジカル、
最適なポジション取り、
クリーンかつ確実に止めるディフェンス力、
頭一つ飛び出るヘディング、
などなど、
試合を見れば、すぐに確認していただける優秀さが
いくつもあります。

アメリカ女子サッカーリーグのWPSで活躍している3名、
澤穂希選手、山口麻美選手、宮間あや選手も、全員ベレーザの卒業生です。
ドイツ女子サッカーリーグで活躍している2名のうち1名の、
永里優季選手は、ドイツリーグ制覇に貢献しただけでなく、
女子のヨーロッパ・チャンピオンズリーグ決勝で、勝利に貢献した選手です。
このような、日本のスポーツ界では、大変珍しいほど、
世界的な実績を残し続けている女子サッカー、
なでしこジャパンの最大の選手供給元が、
ベレーザであり、メニーナなのです。

そして、今、そのベレーザ、メニーナがクラブ存続の危機に立たされているのです。

女子サッカーの魅力

女子サッカーについて考えてみたいと思います。

最近では、アイドル・グループや、アイドル・タレントのフットサルチームも増え、
ひときわかわいい女の子たちが、がんばる!、というのを売りにして、
コンテンツ化しているケースが増えてきました。

一方、女子サッカーの頂点に位置する、ベレーザはこうした世界ではなく、
競技サッカー、日本代表として、国際大会に参戦する選手たちで構成されたチームです。
ごく当たり前のことですが、あらためて確認しておきたいところです。

女子サッカーは、競技という観点から見ると、いわゆるサッカーとは、
違った視点を持つことが必要に思います。
まず、女子選手は、体力的な面で、男子選手とは、
・骨格
・身長
・筋力
・持久力
などなど、明らかに違いがある一方で、
・使うボール
・走るピッチ
・試合時間
は同じなのです。

そこで、当然、競技としての違いが生まれます。
・パスの距離
・シュート
・GKの適応範囲
・スペースの広がり
・攻守の切換え
・展開力
などです。

女子サッカーで勝率を上げる戦略には、
・選手のフィジカルを上げた戦術をとる

・効率性の高い戦術をとる
の二つの方向性が考えられます。

いずれの方向を目指すチームもそれぞれですが、
前者は、早く走り、長い距離を走り、
筋力をつけ展開力を上げ、
スペースを三次元的に増やすというイメージです。

後者はいわゆるポゼッション・サッカーで、
今年W杯で優勝したスペインのサッカーが究極のかたちと言えるでしょう。
この戦術を取るには、狭く、スペースを限定しながら、
パスのスピードと回数を増やし、スペースを四次元的に増やしていく、
というようなものです。
この場合、味方、相手が密集していますので、
ボールを自分のものにする、ものにしたら取られない、
という基本技術。
そして、正確にかつ速いパスを出す。パスを受ける。
パス&ゴーの繰り返しで、スペースを時間軸の中で作っていく戦術と
イメージできます。

前者も後者も、当然トレーニングを通じて精度を上げていくことになるわけですが、
特に後者の場合、
いわゆる足元の技術、といわれる基本技術が高い次元で、かつ
選手間で差がないよう全員が持ち合わせている必要があります。
そのためには、フィジカルを鍛え上げるよりも、
ずっとずっと長い時間がかかります。
練習、練習の繰り返し、それもできるだけ若い年代から、
願わくば小学生レベルから、ということが理想です。

このような後者のサッカーを目指し、そして、実現しようとするには、
高い技術をもった選手が集まるか、
長い時間をかけられる下部組織をもつか、
という方法が考えられます。

女子サッカーで、高い技術をもった選手を各世代に渡って集めていく、
というのは、比較的難しいのが現実です。
競技人口の少なさ、競技指導者の少なさ、アマチュアであるがゆえの生活とのバランスから、
良い選手ばかりをセレクションする、
というのはなかなか難しいと言えます。
結果、下部組織をもち、長い時間をかけて育成していく、
という方法をとっていくことがクラブチームにとって、非常に有効な強化策と言えます。

今でこそ、そうした下部組織をもって育成を行うチームも増えてきました。
浦和レッズレディース、マリーゼなどはそうでしょう。
しかし、それを女子サッカーの黎明期から、脈々と続けてきたのが、
ベレーザであり、メニーナであると言えます。
ベレーザの強さの基盤になっているのが、
育成機関から一貫したサッカーを追求していくというクラブの力だと思います。

ベレーザの価値 その2

世代が変わっても、勝ち続ける秘訣。

それは何でしょうか?


松下イズム、Hondaスピリット、TOYOTAウェイ、など世代を超えて勝ち続けてきた企業などには、

強いVisionと、システムが共存しているのでは、と思います。


強いヴィジョン。

勝利にこだわり勝利を追究し、勝ってなお他を圧倒する王者のサッカー。

この王道への探求心が、ベレーザには存在していると思います。

ベレーザとしてのこだわり。勝って尚、及第点を与えない厳しい自己反省。

こうしたクラブの文化、というものが存在しています。


そして、システム。

クラブのシステムとして、第一に挙げられるのが、

ベレーザの下部組織、メニーナであることは言うまでもありません。

現役ベレーザ選手のうち、90%以上のほぼ100%が、メニーナ下部組織の出身。

中学からずっと、毎日毎日練習練習、週末ごとに試合や試合運営の手伝いが続き、

その中で、サッカーを続けていくことの厳しさを理解し、鍛え上げられているように、

外からは思えます。

もちろん、当の選手ご本人たちは、サッカーが好きだから、と笑ってお応えになるかも知れませんが、

ベレーザまでたどり着き、レギュラーとして試合に貢献し、勝利を重ね続ける、

というのは、並大抵のことでできるものではありません。

が、そのようなシステムが、すでに、脈々と続いているのが、

ベレーザ、そして、メニーナの育成システムではないでしょうか。

数多くの優秀な先輩方の背中を見ながら、次々と新しい才能が開花し、

磨かれて光り輝いているチーム。

今、日本サッカー界の宝と言われる、岩渕真奈選手も、メニーナ、ベレーザだからこそ、

という部分もあるでしょう。


一つのチームが、長年にわたり、勝利を重ね続ける、

というのは、非常に稀有なことだと思います。

チームという複数名で構成される団体競技では、

必ず、サイクルがあり、また、競合との力関係もあります。

そのような、毎年毎年、薄氷を踏むような、厳しい環境の中で、

結果を残し続けているクラブチームの存在は、

それだけで、貴重な財産ではないでしょうか。


今、そのような価値のあるクラブチームが、

メディアに注目されることもなく、

また、価値を求めている多くの企業の目に触れることなく、

あるいは、誤解されたまま、

将来のプランが確定されずに存在しているのが、

2010年の現状、というところでしょうか。

ベレーザの価値 その1

日本における女子サッカーは、現在、アマチュアとして存在しています。
試合は、年間リーグがなでしこリーグとして運営され、
女子選手権というトーナメント制の大会と、年によってはリーグカップが開催されています。
年間試合数は、20-30試合前後といったところでしょうか。

ベレーザは、日本の女子サッカーの歴史において、
常に、最高のレベルを保ち、優勝回数も数多く、勝率の非常に高い優秀なチームでした。
そしてそれは今季も同様に、現在も好調を維持しています。
代表選手も多く在籍しており、日本代表として参戦する国際大会においての存在感は、
非常に大きなものがありました。
現所属は他のチームでも、かつてはベレーザ、あるいは下部組織のメニーナに
所属していた選手が多く、場合によっては代表の70%以上の選手が、
ベレーザ・メニーナの卒業生ということもあります。

こうした事実を、再訪するだけでも、クラブの価値を実感していただけるのでは、
と思います。

私達日本人に存在する判官びいき感情からも、
他チームにとっては、その強すぎる存在によって、
反感をもたれる場合もありますが、
それはサポーターにも存在する女子サッカー界特有の、
お互いを尊重する精神によって、
敬意をもって、受け容れられています。
他チームも、飛び抜けて強かったベレーザに近づくにはどうすればいいか、
を目指し、近年その差は確実に縮まってきています。
また、ベレーザに対してベレーザシフトを敷いて、引き分けの勝ち点を狙いにいくなど、
目指すべき目標として敬意をもって受け容れられています。

高い勝率、これはいかなるスポーツ・クラブにとっても、
大変魅力的な価値ではないでしょうか。

強い、という事実。強い、というクラブ・イメージ。
勝利から得られる喜び。
それを共有できる喜び。
そこには一つの価値があると思います。

それでは、永年にわたって、選手も世代交代しながらも、
これだけ優秀な成績、高い勝率を維持してきた理由は何でしょうか。

そのあたりについて、次回メモしておきたいと思います。

タイトル変更

2010年現在、クラブ存続の問題が表面化してきた東京ヴェルディですが、
これまで、女子サッカー、特に日テレ・ベレーザを短い期間とはいえ、応援してきた者として、
今現状から、どうあることが可能なのか、という視点で、
思いつくことをこちらで書かせていただこうと思います。

家庭・仕事の事情から、これまでのように会場に足を運び、
サポーター活動に関わることは少なくなりました。
ただ思いつくところは記録しておき、
何か有効な価値が見えればと整理をしていきたいと思いました。

これまで、このブログを読まれたり訪れていただいたみなさん、
ありがとうございました。

今後は、上記目的のためのみに、使用させていただきます。

おめでとう川島&テセ

フロンターレのことを書くのは久しぶりですが…

テセがドイツ二部のボーフムへ

川島がベルギーのリールスへ

テセにはずっと海外でやれる力があると思ってたので
うれしいです。
ブンデスリーガが合うと思っていたので
良かったです。

なでしこオールスターとなでしこリーグカップ決勝

なんと今年は、8・22に西が丘サッカー場で、

・なでしこオールスター戦を午後4時から
・なでしこリーグカップ決勝を午後6時45分からのナイターで

と、二試合同日開催となったそうですね。

一日で二試合それぞれガチンコの勝負が見られる、
しかも西が丘という最高のスタジアムで、
となると、ぜひたくさんの方に足を運んでもらいたいですね。
特に、初めて女子サッカーを観戦する、っていう方には、
とてもお得な一日になりそうです。

女子サッカーの人気もどんどんあがっている気がします。
この波に一気に乗ってもらいたいです。

メディアのレベル

パラグアイ戦の後、
ある日本のテレビ局が
駒野選手のお母様に
日本の皆さんに申し訳ありませんと
謝罪させ放送した
という
常軌を逸した行動をとったそう。


全く理解できないこの国のメディアの
レベルの低さと
思い上がりに
心から失望した。


くだらないにもほどがある。

AtlantaBeat 山口麻美選手、初ゴール!

今更ですが、先週のミッドウィークに行われた
AtlantaBeat vs Philadelphia Independence の試合で、
なでしこJapanの山口麻美選手が、WPSリーグでの初ゴールを記録しました。

セントルイス・アスレチカのシーズン途中での解散を受け、
アスレチカ主力選手の多くが、ビートに加入し、
スタメンの大半が移籍加入選手となって迎えた試合で、
山口麻美選手は、堂々、90分フル出場。
前半16分、右サイドのタッチライン際、深いところまで、
ザーボーニが持ち上がったところを、DFに囲まれながらも折り返し、
ゴールエリア付近に入り込んでいた山口選手が、
DFをかわして、右足でシュート。
GKとポストの間の角度のないところを、鋭いゴロのシュートが決まり、
見事、WPS初ゴール。
そして、新加入の宮間あや選手は、
後半ロスタイムのフリーキックで、同点ゴールのアシストを記録し、
試合は2-2のドロー。
二人のなでしこ選手の活躍がチームを救いました。

WPSのHPにビデオがUpされています。
(リンクが上手く貼れないのですみません)

マリーゼ戦勝利@ひたちなかHOME

ベレーザは今日リーグ戦をHomeひたちなか市総合運動公園で戦い、
3-1で勝利をおさめたそうです。
雨の中にも関わらず、無事昨年の借りを返し勝利をおさめたベレーザ、
そして、雨の中遠路にも関わらず応援に駆けつけたサポーターの皆さん、
勝利おめでとうございます。