さくらんぼの季節。鴨のさくらんぼソースは先日つくったから、ほかにも何かつくりたい。

ウサギとさくらんぼを煮る、というレシピをみた。アラおいしそう。さっそくウサギを調達に。



ウサギは鳥肉屋にある。左端がうしろ脚、その隣が前脚、奥がレバー。そして、まるごと! この日は平日だったから数が少ないけれど、週末ならこれがたくさん並べられて迫力がある。

わざわざ平日に行ったのには理由がある。

煮込み料理は、かかる時間は同じなのでたくさんつくりたい。そのため1羽まるごと買って(単価はまるっと1羽の方が断然安い)、プロに解体してもらいたい。

ところが、下手な人や大雑把な人がウサギを解体すると、飛び散った細かい骨が肉に刺さってとても危険なのだ。鳥と違ってウサギの骨はもろく、しかも切断面がするどいから。

お客のすくない平日なら、熟練の夫妻しか店にいないので、安心して解体を任せられる(週末は混雑するので経験浅そうな若者たちも雇われている)。手際よく丁寧に切ってくれましたよ。

頭も要るか聞かれたけれど、お断りした。鳥ガラと同じようにスープがとれますけどね。 鍋でウサギのお顔がぐつぐつ煮えている光景はホラーなので。


新鮮なレバーとロニョン(腎臓)付き。これらはムースにする。ウサギレバーは鶏にくらべて高級品なのだ。これも、まるごと買いの楽しみ。

小麦粉を振ってウサギの表面をバターで焼いていったん取り出し、タマネギとセロリのみじん切り、細かく切った poitrine fumée (豚の燻製肉)を炒める。

ウサギを戻し、ニンジンを入れ、鳥でとったスープと白ワインで煮る。白ワインでなく、kriek で煮るというレシピもあった。

クリーク? ってなに? と調べたら、さくらんぼ風味のベルギーのビールだそうだ。へええ、お酒のまないからちっとも知らなかったわ。

途中でさくらんぼを入れる。数粒だけ残しておき、最後のほうで加える。

骨から身がはずれそうなほどやわらかーく煮えればできあがり。

 



ウサギは脂身が無いのでさっぱり、ホロホロに柔らかい。途中で入れたさくらんぼが煮崩れてフルーティなソースになって絡まり、とってもおいしかった。