リュクサンブール公園では養蜂がおこなわれている。巣箱の近くを通るとミツバチがブンブン飛び交っているのが見える。除草剤などと無縁な都会のほうが、ミツバチが生息しやすいと聞く。しかも、リュクサンブール公園はそこらのパリ市営の公園ではなく上院のお庭なので、管理の行き届いた花壇で四季折々美しいお花が咲いている。

 

パリのまんなかの優美なお庭で採れた高貴なはちみつは、一般人でも買うことができる。ただし、販売日はなんと1年に1日だけ!

 

パリに住んで以来、買えたためしが無かった。だいたい、1年に1日なんてウッカリ忘れてしまい、気づいたときにはその年の販売は終了している。覚えていたのに「不作により今年は販売しません」だった年もある。

 

今年こそ買いたい。夏の終わり頃から告知を待ち、当日は張り切って早起き。販売開始は9時30分、うちから歩いて20分くらい、並ぶでしょうから9時には到着したほうがいいわよね、かんぺきな計画だわ。

 

 

朝のリュクサンブール公園はほとんど人がいなくて静か。なのに、蜂エリアに近づくにつれ、人影がたくさん。そんな、9時前に着いたのに! 既に100人以上、たぶんもっと並んでいた。こんなに人気だったとは。買えるか不安になりつつ並んで待つ。

 

あまりに列が長いからか予定時刻より早めに始まったが、列はあんまり進まない。フランス人て、店の人がお客1人1人に商品を説明してお客もいろいろ質問してそれにまた答えて、というのがお好きだから。なんと、とうとう1時半も待った。

 

 

ひとり2個買って良いと言われたので、夫とあわせて4個。嬉しい! 夢のリュクサンブール公園のはちみつがようやく私のもとに(おおげさ)。とはいえ、お味に何かものすごい特徴を期待していたわけでもなく、パリ6区リュクサンブール公園、というブランドはちみつを食べてみたかっただけのミーハーな心。

 

サラサラなテクスチャーでこの色、控えめなアカシアはちみつのようなものかな、と思ったらとんでもなかった。ぜんぜん違う。思わず、うちにある使いかけのアカシアはちみつ(フォンテーヌブロー近郊産)と食べくらべてしまった。アカシアよりずっと華やかな香りで複雑な味がする。はちみつ好きでいろいろ食べてきたが、この味は初めて。リュクサンブール公園すごい。

 

販売の人によると、今年はとても暑かったからとくに出来が良いそうだ。なんだか日本市場向けのボジョレの宣伝みたいね。はちみつも年によってそんなに変わるものかしら? 念願のはちみつが手に入ったのでこれでもう満足だが(またあんなに並ぶの嫌)、来年、確かめてみたい気もする。