復活祭の少し前あたりから、マルシェで巨大な卵が売られ始めた。

 



ガチョウの卵! 


初めて見かけた日は、買う前に完売してしまった。ガチョウ売り切れちゃいましたか、と店の人に未練がましく聞いたら、「めったに出回らない希少なものだから」と。それは、知ってる人は飛びつくわね。

手に入らないとなると欲しくなるのはなぜでしょう。その後、見かけることなく残念な思いをしていたら、復活祭の直前にガチョウたまご再登場。

 



今度は買えた。大きい! 量ってみたら1個180gもあった。

鶏の卵はテーブルで軽くコンッとすれば簡単に割れるのに、ガチョウは割れない。ゴンゴンゴンッと叩きつけるようにしてようやく割れた(何の音!? とリビングにいた夫を驚かせてしまった)。

白身はドロっと濃く、焼いたら真っ白になった。同じ白色でも鶏の卵白とまったく違う。透明感のある白、という感じ。

 



ただのベーコンエッグなのに存在感ある1皿になった(直径20cm)。これは、春のごちそうですねえ。

ちなみにフランスでベーコンというと、こういうの。

 



脂がまったくない。日本のベーコン(アメリカ風?)のようにギトギトしないし、焼いて強烈なにおいもしない。まったく別物。

 



こういうふうに売られている。左から2番め(白いグルグル巻きの隣)。フランス語でも bacon という。

先日、ベーコンくださいと言ったら「脂のないフランス産?それともアングロサクソンの?」と茶化されたわ。

 



そのアングロサクソンふうベーコンにあたるのが、こちら。たぶん。でも、見ためそっくりでもあんなギトギトしないし、あの独特のベーコン臭はしないのよねぇ...製法が違うのかしら。

フランス語では poitrine fumée という。キッシュに入れたり煮込みに入れたり大活躍。lard と呼ぶ店もある。lardon はこれをこま切れにしたもの。



私は、なるべく脂身が少なそうな塊が並んでいる時にまとめて買って冷凍しておく。これは切らして急遽買ったときのもので、ちょっぴり脂が多め。