人を食事に招待するときに安心の定番メニューといえば、私の場合は牛ほほの赤ワイン煮である。
フランス人、肉の赤ワイン煮が好きな人が多いので喜ばれる。
牛ほほ肉を臓物屋で買ってきて、表面に焼き目をつけてから、豚の燻製肉(lardon)の主に皮側のこま切れ、ニンジン、タマネギ、セロリ、ローリエ、ジュニエーヴル数粒、粒コショウ小さじ1を入れ、赤ワイン(1本ぜんぶ)とコニャック(100mlくらい)で煮る。
今回は、さらに切ったオレンジ1個を加えるというレシピを試してみた。
2時間煮て自然に冷ましてから冷蔵庫に入れ、翌日、表面に固まった脂をとり除いてまた2時間煮る。
肉をとり出し、煮汁を濾してから3分の2くらいまで煮詰めればソースが完成、肉を戻して温めなおす。
今回は肉を焼く前に小麦粉をまぶさなかったので、サラリとした軽いソースになって良かった。
2日がかり(前日に肉をマリネするなら3日!)のお料理だけど、崩れそうにホロホロに煮えたほほ肉はもう最高。
付け合わせは、カラフルなニンジンと紫タマネギのグリルと、芋のピュレ。
お招きしたのは2人で、うち1人がベジタリアン(卵と乳製品ok)なので、前菜は野菜料理いろいろ。
ポワローのオレンジヴィネグレット、黄色と赤のパプリカムース、パネのスープ、焼いた3色のビーツとオレンジとザクロのサラダと水牛モッツァレラ、マッシュルームのパテ風(慌ただしくキッチンで撮った)。
ベジタリアンのメインは、トマトのタルト。
ハチミツとバルサミコでさっと焼いたミニトマトの下に、飴色タマネギとたっぷり削ったコンテが入っている。
ベジタリアンのメイン、少し検索してみたけどキッシュかグラタンくらいしか出てこなくて、もっとメインぽく見える一皿をつくれるようになりたい。
デザートの前のチーズ。
「こんなにたくさんの種類いっぺんに食べるの初めて!」と目を見開かれたけど、え、そう? うちの冷蔵庫は常にこんな感じだけどな。
デザートは、旬まっさかりのいちじくタルト(デザートだけはゲストが来る前に準備して写真撮るひまがあった)。
別のものをつくる予定だったんだけど、前日、マルシェでいちじくがあまりにもおいしそうだったから!
そういえば、パネもいちじくもタンポポ(サラダに入れた)も初めて食べた!って言われて、えええってびっくりしたけれど、後で夫に「独身男なんてそんなものだよ。僕もきみと会うまでパネ知らなかったし」と言われたのでそういうものか。
13時にお招きしてアペリティフから始め、デザート食べ終わったのが18時ちかく!
フランスで人が集まって食事すると、食事というより会話の合間に食べるって感じで、convivialité を大事にする人たちだなあと思う。