劇場版 おいしい給食 Road to イカメシ
市原隼人が主演を務めるコメディドラマ「おいしい給食」の劇場版第3弾。
1989年、冬。北の地・函館の忍川中学に転勤した甘利田幸男。
甘利田は、学校給食で、とある名物メニューを味わうことを楽しみにしていた。
しかし、赴任から1年以上が経っても、それは献立に登場することはなかった。
給食のために学校へ通う甘利田(それには気づかれないようにしながら)は、
ライバル視する生徒・粒来ケンと毎日ひそかにバトルを繰り広げている。
関心領域
原作ではモデルとしていたアウシュヴィッツ強制収容所所長(司令官)ルドルフ・ヘス一家を、
実在の人物に戻しての作品。
実際にアウシュビッツに邸宅のモデルを作って、庭の花や樹木も本物を先に植栽し、
スタッフを配置せずにカメラを設置したり、自然光で撮影するなど、ものすごいこだわりがある。
ホロコースト、ジェノサイド、ナチスについて、などの映画の中では異色の内容で、
最初から、また途中やラストまで、作り込まれた音のコラージュ、
不協和音が観ているものの不安、しんどさを煽ります。
残酷なシーンは全て、観ている人の想像にまかせるという作りなので、
話題みたいだし、いっとこか、など興味本位で観に行っても、
ユダヤ人の大虐殺などのことに全く何の知識も(興味も)なかったり、
観たまましか受け取れない人、想像力が不足する人には、
淡々とした進行とカメラワークで、特に何も起こらない(!)日常風景はものすごくつまらなく感じるのかもしれません。
今こうしている時間にも、世界で同様のことは行われている。
日々、塀の向こうで立ち上る煙、(匂いがしているだろう)
空気の不穏さ、
遠くから聴こえる嫌な音や、銃声、人の声
(強制収容所、焼却炉などのサイズや素材などからも、この距離ならこう聴こえるだろう という計算がされているのです)
なぜか一家の長男が集めて遊んでいる金歯、
真っ暗闇の中で、危険を顧みずに、自転車に乗って、収容者の作業場へリンゴを埋めにくるポーランド人の少女の姿
(ここの表現は斬新)
落下の解剖学でも奥さん役だった、ヘス家の奥さん役のザンドラ・ヒュラーさん、
ここでは変にガニ股歩き、いかにも昔のドイツの人っぽい と勝手に思いながら観ていました。