さて、武道館の感想ブログでもチラッと書いた、モーニング娘。のベストセレクションアルバムとやらの話をしよう。
しかし現時点でわかっていることは多くない。
ベストセレクションアルバムという名称、リリースは8月、新曲として武道館でも披露した『HEAVY GATE』が収録される、それくらい。
ベストセレクションというからには、過去にリリースした楽曲が収録されるのは間違いない。
果たしてそれがシングルのみなのか、カップリングやアルバム曲まで含めてなのか、それが問題だ。
仮にシングルのみだった場合、2007年、2019年にリリースしたベストアルバムとたいした違いはなく、なぜいまそんなものをリリースするのかという疑問は生じる。
願わくば、シングルもアルバムもカップリングもすべて含めて、たとえばメンバーそれぞれがセレクトした楽曲だとか、ものによっては現メンバーで再RECするとか、そういった趣向を用意してくれるとこちらも「よーし買っちゃお!」という気持ちになりやすい。
「なぜいまなのか?」という点については、考えるまでもなくモーニング娘。が25周年だからだろう。
しかしよくよく考えてみれば、モーニング娘。の25周年イヤーが始まったのは去年である。
普通こういうの出すなら去年なんじゃないですか?もうすぐ26周年になろうってタイミングでそれ出すんですか?せめて今年の上半期に出しなさいよ!と誰かが叫んでいるのを聞いた。
なぜいまなのか。
別にベストセレクションアルバムを出すのがダメなわけではない。
25周年イヤーも終わろうというタイミングで出すのも、まぁいい。
問題は、いまだ影も形もない2023年のシングルを差し置いてそんなアルバムを出すということにある。
今年ももう下半期に突入したというのに、モーニング娘。はまだシングルが1枚も出ていない。
もちろん(普通の)アルバムも出ていない。
いつ出るのかなーと思っていたら、7月になってしまった。
半年間、まるっきりなんのリリースもなかった。
(写真集やライブの円盤は別の話である)
そこにやってきたのが、このベストセレクションアルバムを8月に出すというお知らせ。
一応新曲も入ってるし、まぁ悪くはない状況なんじゃないか、と思おうとはしたが、実際のところどうだろう。
これが8月に出るという時点で、モーニング娘。は8月まで、前作のシングルから数えると8ヶ月以上ものあいだ、楽曲のリリースがないという状況が決まるわけだ。
それだけでも噴飯ものなのに、この状況は「シングルが出るのはさらに先になる」ということでもある。
ここ数年の事務所の傾向からして、セレクションアルバムが出てすぐにシングルが出るとは考えにくい。ましてやそのあとまた年末にシングルを出すなんてありえない。(しかしフクちゃんの卒業もあるので、年末時期にシングルを出さないというのはさすがにない……と思いたい)
事務所がこのセレクションアルバムを「まぁリリースはリリースだし」と捉え、「シングルの代わりです」という顔をするのは目に見えている。
つまり、今年のシングルが出るのは早くて11月、遅くて12月といったところになるだろう。
それ1枚だけ。
モーニング娘。は25周年で、譜久村リーダーも今年限りで卒業する(と1年前からわかっていた。事務所は3年前からわかっていた)年で、準備する時間はいくらでもあったはずなのに、シングルが年に1枚だけ。
なんとまぁ。
2021年もシングルが1枚しか出なかったが、前半にオリジナルアルバムが出た。
なにより、コロナ禍真っ只中であった。
2023年はどうだ。
依然としてコロナ禍ではあるが、規制に関してはだいぶ緩和された。人によっては「収束した」と表現することさえある。(とあるアーティストのインタビュー記事で見た)
なのに、シングルが1枚しか出ない。
たしかにアルバムは出るけど、セレクションアルバムだ。過去にリリースした楽曲で構成されたアルバムだ。
嘆かわしい。
感じ方は人それぞれだろうが、個人的にはそう思う。
そもそも前作から8ヶ月以上なんのリリースもないというのがどうかしている。
なにが“音楽事務所”だろう。
別にアップフロントがみずからそう名乗ったわけじゃないが、もうヲタクもそんな風に呼ぶのはよしたほうがいい。
少なくともモーニング娘。の音楽に関しては、事務所は前向きではないらしいから。
というのが、最初にこのお知らせを聞いたときの感想である。
セレクションアルバムとはいえようやくのリリースなわけだから、できればあまり不満は言いたくない。
しかしどうしたってスカされた感は否めない。こちとら他のグループが続々シングルを出して盛り上がっているのを横目に、ずっとリリースのお知らせを待ち続けてきた。そしてようやく新曲がきたかと思えば、セレクションアルバムなどとおっしゃる。
この気持ちが良い方向に変わるとすれば、アルバムの内容がとんでもなく良いものである場合くらいだろうか。
先日のあゆみん東スポ連載には、幾分か希望が持てる記述があった。
有料コンテンツなのでまるっと書き写すことはできないが、アルバムに関して「すごいですよ」「楽しみにしていてください」「メンバーのほうが嬉しいことをしているかもしれないけど」といった言葉が並んでいた。
「メンバーのほうが嬉しいことを……」というのが少々気にかかる。
それはやはり、楽曲のセレクションに関してメンバーがなんらかの形で関わっているということだろうか。
少なくとも、ファン投票的な趣向はない。(あったらもっと早く知ってる)
あとはつんくさん、事務所、メンバーくらいしかいない。
メンバーが曲を選ぶという予想は、わりと当たっている可能性が高い。というかそれくらいやってくれないとおもしろみがなさすぎる。
なのでまぁ、現時点では「内容次第だな……」と言って自分を誤魔化すことも、できなくはない。
しかしそれでも、シングルが11月か12月まで出ないだろうという(ほぼ確定的な)予測は変わらないのだ。
果たして、「これならシングルが出なくても許す!」と言えるような内容のセレクションアルバムが来るのだろうか。
正直、あまり期待はしていない。そこまでの期待は、さすがにできない。これまでのアップフロントのやり方を鑑みれば、そんな期待なんてできるはずもない。
ともあれ、一応は新曲が聴けたというのは素直に嬉しい。
セレクションアルバムに新曲はいくつ入るのだろう。
せめてもう1曲くらいは欲しい。そしてできればMVも作ってほしい。
なによりも事務所にお願いしたいのは、リリースに際して、ちゃんとしっかりプロモーションをしてほしいというのと、リリースイベントもちゃんとやらせてほしいという点だ。
25周年のタイミングでセレクションアルバムを出すからには、ファン以外にも聴いてほしいという狙いがあるはず。
少なくとも名目上はそうだろう。そこを考えないのにこんなアルバムを出す意味はない。
いまはご無沙汰だけど昔は結構好きだった、といった人々にも、ぜひこの機会に手に取ってほしいという想いはあるはずだ。どうかあってほしい。
であるならば、しっかりとプロモーションを行わないとそこまで届かない。
結局はヲタクが買うだけの、いつも通りの範囲までだ。
そうならないように、ちゃんと宣伝をしてほしい。
ヲタク以外に売る気がないのにこんなアルバムを出してシングルリリース1回分の時間を無駄にしたとあれば、もう本当に無能の極み害悪クソ事務所と罵られても文句は言えまい。
なので、そこんところをよろしくお願いします。本当に。
そしてリリースイベント。
このブログで何度も言ってるように、コロナ禍に入ってから、なぜかモーニング娘。だけがリリイベを一度もやらせてもらえていない。
他のグループはやっている。
普段FCイベをやっているような会場を借りてミニライブ&トークイベントを開催したり、最近は池袋サンシャインの噴水広場もまた使うようになってきた。
しかしモーニング娘。だけは、シングルを出してもアルバムを出しても、なぜかこのリリイベをやらせてもらえない。
あるのはいわゆる盛りだくさん会と呼ばれるイベントと、リミスタのインターネットサイン会くらいである。
こんな不公平なことがあっていいんだろうかと、ずっと憤ってきた。
ハロプロ全体がそうならまだしも、モーニング娘。だけがリリイベやらせてもらえないって、それはちょっと酷すぎるでしょう。ほとんど差別と言っていい。
なので今年こそは絶対に、2020年の2月以来の、リリースイベントをやっていただきたい。
これは自分がイベントに行くとか行かないとかの話ではなく、事務所がハロプロにおいてそういった「モーニング娘。にだけやらせない」という差別的な運営を行うことへの抗議だ。
この状況を容認すれば、いつまでもいつまでも、モーニング娘。だけやらせてもらえないという流れが続いてしまう。リリイベに限らずいろんな活動で、そういった事態がどんどん増えていっても不思議ではない。
アップフロントによるモーニング娘。冷遇(放置)運営は、年を追うごとにどんどんあからさまになってきている。もはや隠す気もないらしい。
これを放っておいたらどうなるか、言わなくてもわかるはずだ。
とりあえず、いま言えるのはこんなところだろうか。
あとは続報待ち。
せめて事務所のやる気が少しは見える内容であることを期待したい。
しかしこうなると、フクちゃんの卒業前にオリジナルアルバムが出るという可能性はほぼなくなってしまった。
2年前の16枚目、フクちゃんにとってはあれがラストのオリジナルアルバムになるわけか……
アンジュのタケちゃんのようにはしてくれないらしい。
いや、事務所にとってはセレクションアルバムがそれのつもりなのかもしれない。やれやれだ。
14枚目までは毎年のようにアルバムを出していて、運営が変わった2015年から2023年の現在まででは、たった2枚しかアルバムを出してないというこの落差よ。
その間にベストアルバムやミニアルバムがあったとはいえ、8年で2枚。4年に1枚。オリンピックか。
たとえシングルやアルバムのリリースがなくても、それ以外のところでグループを盛り上げてくれればこういった不満も出にくくなるんだが。
そんなことをアップフロントがしてくれるはずもなく。
それどころか、数年前には毎年やっていたようなことも、どんどんやらなくなっている。
頼みの綱の単独ツアーさえ、意味のない妙な形式にして規模は縮小され、煮え切らない部分は多い。(ライブ自体は素晴らしかったが)
これで外部でのフェスがなかったらと思うと恐ろしい。
おそらくメンバーもファンも、フェスにどれだけ助けられているかわからない。
あのステージのあの景色があるから、事務所のこんな運営にも耐えて活動/応援していけるのだと思う。
いつも通り長々と書いてしまったが、せめてこのベストセレクションアルバムとやらが諸手を挙げて歓迎できる代物であってほしいと願うばかりだ。
単なる「全曲は入ってないベストアルバム」ではありませんように。
年に2回しかないシングルリリース1回分の時間を使って出すに値する代物でありますように。