夏ツアーという響きが新鮮だ……
というわけで夏の(一応)単独ツアーの千秋楽中野サンプラザ公演を観てきました。
夏はこの中野だけチケット申し込んで、奇跡的に当たったのです。
中野サンプラザなんて(なぜか娘。が中野で全然ライブしなくなったから)10年近くずっと行ってなかったのに、今年に入ってこれで3度目ですよ。1月のりほりほソロライブに始まり、5月と8月に娘。で。
今回は全国でライブビューイングもあったので細かい部分は端折って、なるべく簡潔に感想などを書いていきましょう。
ちぃの卒コン以来の娘。コンはもちろん楽しかったんですが、ライブが始まってしばらく(数曲)はいまいち気分が乗らない気がして、それはひとえにあれこれ余計なことを考えてしまってた自分のせいなんですが、他に外的要因を探すとしたら、やはりセットや演出が簡素で、衣装も(コロナ以前のライブに比べると)変化が乏しいからなのかなとライブが終わったあとに気づきましたね。
オープニングとか、以前のように(あるいは先日のちぃちゃん卒コンのときのように)ひとりひとりフィーチャーされてバーンと始まる感じではない。
「いよいよ始まるぞ……!」というワクワク感がちょっと削がれてしまってる気がして、そこはもったいない気がします。出だしって大事。
セットも他グループと共有だからか、白い階段状のものが置いてあるだけ。照明なんかもそこまで凝ったものではなかったように思います。
衣装も、以前はライブ中に何度か変更してましたが、コロナ後の単独では衣装をガラッと変える演出はかなり減りました。
どうしても、コロナ以前の単独ライブと比べると、物足りない部分はあります。アンコールがないのもそう。
曲もメンバーもパフォーマンスも素晴らしいけど、ライブ特有の要素がやはりまだ元には戻っていない。
観客の声出しができない分、そういった演出やセットや衣装でも、ライブをもっと盛り上げてほしいです。
そのためにも、いまやってる「ハロプロみんなで一緒に単独やろうツアー」ではなく、以前のようなちゃんとした単独ツアーの再開を希望します。
とまぁ最初に不満点を並べたところで、ここからは良いところを書いていきましょう。
なんだかんだ言いましたが、ライブが終わったあとは得も言われぬ充足感にしっかり包まれておりました。
やはりモーニング娘。のライブは楽しい。
不満なところがあっても、終われば結局「楽しかった!」と思わせてくれる。それがモーニング娘。の力です。
今回は一応春ツアーのアンコール公演ということらしいので、ライブ全体のことはさておいて、メンバーそれぞれについて感じたことをさらっと。
めいちゃんは今回「大人めい」を意識したと最後のMCで言っていた通り、クールな表情が多かった気がします。
そしてそれがすごく様になっている。いつものニコニコめいちゃんとはまた違う、ちょっと一瞬声をかけるのを躊躇ってしまうような凛とした雰囲気があってとてもいい。
でももちろん、ハジケる笑顔のニコニコめいちゃんも可愛かったです。
ほまたんはこれまでのベイビーほまたんから少しずつ大人になってきて、なんとも綺麗な女性になりつつあるなと感じました。
可愛いのは言うまでもなく、そこにさらに「綺麗」が重なっている。
ポニーテールがめちゃめちゃ似合ってました。
歌声もとても良い。個人的に好きなのは『愛してナンが悪い!?』の「常識は非常識」のパート。CD音源より良くなってる。
まーちゃんやちぃちゃんから引き継いだパートも結構ありますよね。今回かなり印象に残りました、ほまたん。
おんちゃんはとにかく“有能感”がすごい。「できる子」って感じ。最初はジャンプもできなかったなんて、いまでは信じられません。
4年目に入ったとはいえ、ここまで安心して見ていられるのはなかなかです。タイプは全然違うけど、昔の田中れいな先輩を彷彿とさせますね。
今回は特に『二人はアベコベ』のおんちゃんが印象的でした。
よこやんはやはり太陽のような存在感があって、グループにこういう人がいてくれると楽しいよなぁと思わせてくれる。
それでいて、切なげに歌い、クールに踊るところにも惹きつけられます。普段の明るさがあるからこそ、そういう姿にドキッとしてしまう。
でもあれですね、1曲くらい、よこやんにぴったりの明るく楽しい曲をアルバムとかで作ってほしいなと思います。
かえでぃーはなんか色っぽかったです。
髪が少し伸びたせいでしょうか。どこがどうとは言えないけど、なんかいつよもり色気があったような。
歌声も安定してきて、伸びやかな高音が聴いてて気持ちいいです。
パッと見はクールビューティーですが、ふざけるところではしっかりふざけてくれて楽しい。
あかねちんもますます美しくなってますよねぇ。パフォーマンスも堂々としたもので、安心感がすごい。歌声も前よりちょっとカッコよくなったような。
でもあかねちん、痩せた?あんまりメンバーの痩せた太ったの話はしたくないんですが、コロナ陽性になってから、なんかかなり痩せたような気がしてヲタクは少し心配です。何も問題ないならいいんだけど。
メンバー全員素晴らしかったんですが、あえて“今回のMVP”を選ぶとしたら、この日は真莉愛ちゃんだったなと個人的には思います。
まず歌声がだいぶ進化している。すごく良いです、真莉愛ちゃんの歌声。
そしてそのせいなのか、歌割りもだいぶ増えたような気がします。
ここぞというタイミングでモニターに大映しになることが多くて、自然と目がいってしまいました。ダンスも相変わらずダイナミックですごい。手を抜くということを知らないダンス。
『ラヴィット』で毎週見てるのもあるかもしれませんが、真莉愛ちゃんかなりキテますね。ノリにノってます。
チェルはとにかくボブが可愛い。しばらく前からそうですけど、ボブヘアーが抜群に似合っていて、思わず目で追ってしまいますわ。写真集出してほしい。
ユニット曲の『TIME IS MONEY!』は元々4人という少人数だったのがまーちゃんの卒業で3人になり、よりチェルの存在感が増しておりました。実に頼もしい。
今後も、お姉さんチーム(9~12期)の新たな中心メンバーとして、活躍が期待されまくりです。
小田ちゃんは歌もダンスも前から最高なのは言うまでもありませんが、なんかさらに“凄み”みたいなのが増した気がしました。
凄みです、凄み。オーラがなんかすごい。ワンピースで言うところの覇王色の覇気を纏ってます。見てる側はちゃんと気を保ってないと気絶しちゃう。
『信じるしか!』の小田ちゃん凄かったなぁ。
可愛いところはしっかり可愛いんですけどね。このふり幅は天才すぎる。
ソロアングルがもしあったとして、一番見たいメンバーかもしれません。
あゆみんはフクちゃんや小田ちゃんに比べるとソロパートがたくさんあるとは言えないかもしれませんが、存在感としては同じくらいある気がします。
ここぞというときのフォーメーションではかなりの割合で中心にいるからでしょうか。先頭を切ってモーニング娘。を引っ張っていく気概がビシビシ感じられるんですよね。
なにより、ライブを心底楽しんでる感じが伝わってくる。
総合的なエンターテイナーとして、歴代でもトップクラスなんじゃなかろうか(などと謎目線で考えていた)。
えりぽんは髪色が金髪から茶に変わったことで、落ち着いた大人のお姉さん的雰囲気がほとばしっておりました。
派手派手なえりぽんも好きだけど、しっとりお姉さんなえりぽんも好き。
いまさらなことですけど、歌も本当に上手くなって。
昔はちょっとハラハラしつつ聴いてたえりぽんのソロパート。いまではなんの心配もありゃしません。むしろ「もっと聴きたい」と思います。パンツスタイルの衣装も似合ってました。
フクちゃんはまさに女神。モーニング娘。もお客さんも、すべてを包み込んでくれる。
それでいて前線に出て誰よりも激しく戦いもするんですよ。美神であり闘神でもある。
フクちゃんがリーダーだからいまのモーニング娘。があるのは言うまでもないですが、モーニング娘。の楽曲もまた、フクちゃんがいるから安心してそこに存在できるような、そんな気さえします。
時に激しく、時に優しく、可愛くも切なくも表現してくれる、最強のオールラウンダーでしょう。
ラストのMCでは、春ツアーのときと同じようにみんなで「わ~」と言いながらステージを走り回ってて、無邪気なリーダーかわいい。
ライブの最後、期ごとにポーズをとるところの9期2人がもう長年連れ添った夫婦にしか見えなくて。
一生一緒にいてくれや……ぽんぽんは尊い……尊い……
で、ライブラストの『大・人生 Nver Been Better!』で16期のらいりーが衣装を着て初パフォーマンスを見せてくれました。
可愛い!初々しい!でも初パフォーマンスにしては落ち着いている!
ステージで歌って踊るのはこれが本当に初ですもんねぇ。
そうとは思えないくらい堂々としてましたよ。なにより、ちゃんと笑顔なのがいい。これはオーディションの映像を見てても思ったけど、内心でどんなにいっぱいいっぱいだったとしても、ちゃんと笑顔を見せてパフォーマンスしてくれるところが推せます。
期せずしてらいりーの初パフォーマンスを見ることができました。
本格合流する秋ツアーが楽しみですね~。
その前にイベントとフェスもあるし。
ひとりひとりの感想は大体そんなところです。
最近はライブ全体の感想を書くことが多かった気がするので、今回はメンバーのことを書いてみました。
近頃、一部界隈で「娘。の歌割りが偏ってる」みたいな文句を言ってる人たちがいるじゃないですか。(主につべの動画のコメ欄で見る)
今回その辺を多少意識して見てたんですけど、少なくともライブを最初から最後まで通して見てる限りでは、そんな風には感じなかったですけどね。
そりゃあ歌唱力や表現力に優れたメンバーはある程度ソロパートも多いけど、他のメンバーだって「全然歌ってない」なんてことはありませんよ。ちゃんとパートはあるし見せ場もある。
むしろいまのモーニング娘。はすごくバランスよく割り振られてる気がします。
(もちろん「バランスがいい」というのは、「全員均等に同じだけパートが割り振られている」という意味ではありません。それはむしろバランス悪い)
曲の大事なところ、ここはしっかりキメてほしいという部分はフクちゃんや小田ちゃんが担当することが多いけど、それは実力からいけば自然なこと。
でも曲というのはキメの部分だけで成り立ってるわけではもちろんなく、それ以外のところも大事です。そこも全部フクちゃん小田ちゃんしか歌ってないというならともかく、そんなことはまったくないので、文句言ってる人たちはいったい何を見てるんだ?と疑問しか浮かびませんでした。
卒業したまーちゃんやちぃちゃんのパートも、そのほとんどが13期や15期に引き継がれてますしね。
正直、歌割りに関して文句言ってる人たちというのは、ほとんどが「推しにもっと歌割りがほしい」というだけの動機なのでは、と思います。
推しに歌割りがほしいがために、ああだこうだと屁理屈を並べて誰かを叩いてるだけだろうなと。
あるいは最初に叩きたいメンバーがいて、叩ける部分が歌割りの多さくらいしかないのでそればかりしつこく言ってるだけ、か。
いずれにせよ、そもそもバイアスがかかった目で見ているから、そういう風に見えてしまうんじゃないでしょうか。
というか、「そういう風にしか見えなくなってしまってる」のかなって。
21年以上娘。ヲタやってるわたくしに言わせれば、モーニング娘。の歌割りの比率なんて昔からずっと変わりません……と思ってたけど、いまのモーニング娘。は稀に見る「全員それなりにパートがある期」な気さえします。
すでにパートか決まってる箇所が変わることは滅多にありませんが、久しぶりに歌う昔の曲とか、卒業したメンバーのパートなんかは、着実に若手メンバーにもチャンスは回ってきてます。
おもしろいですよ、いまのモーニング娘。のコンサート。
ベテランの凄みと、若手の成長をどちらも同じくらい感じられる、とてもおもしろいメンバー構成です。
いましかないモーニング娘。を、ぜひその目と耳と心で感じてください。
(こうしてブログ書いててナンですが)ネットに書かれた言葉なんかより、自分自身で感じたもののほうが大事です。
『愛してナンが悪い!?』の「グーグーグgood! 親指が人気の基準じゃん アホらしい」という歌詞や、『Chu Chu Chu 僕らの未来』の「いいねたって未体験じゃ 星の数を鵜呑みにしない」という歌詞が、なんだかいつもより心に響いた気がしました。
つんくさんは本当に良いことを言う。
いいねとか高評価とかリツイートの数とか、本当の“感動”を体感したあとではどれもアホらしく思えてしまう。
SNSや動画につくコメントだって、所詮は見ず知らずの他人が書いたただの言葉。
誰にでも、思ってもいないことでも、なんだって無責任に書き込めてしまう世界の言葉に、いったいどれだけの価値や意味があるのか。
本当に素晴らしいものは、自分で見て聴いて、感じましょう。
それが自分にとっての、“本当に素晴らしいもの”です。
なんてことを思わせてくれる素晴らしいコンサートでした。
夏ツアーのラストも、全員無事に参加できてよかったです。
秋は冒頭で書いた不満点が少しでも解消されてるといいな~と期待しつつ。