個性なんてものは自然に振る舞っていればそれが自ずと個性になる、と思ってますが、芸能人として求められる個性というのはまた少し違うというか、もっと“わかりやすさ”みたいなものを求められたりもするんでしょうねきっと。
ハロメン1個性的なメンバーといえば真っ先にまーちゃんが思い浮かびますが、あの子の個性って芸能人やアイドルとしては素晴らしい魅力になるけど、テレビのバラエティとかになると果たして相性はどうなんだろうね、と常々思います。
デビュー当初からいまも変わらないその特異性。
「まーちゃんがバラエティに出たらブレイクするんじゃないか」とずっと言われてますが(一昨年のバーイベで手相占いしてくれた島田秀平さんも言ってた)、ファンとしてもそう思う一方で、正反対の危惧を抱く人も少なくないでしょう。
まーちゃんを知らない人に「佐藤優樹ちゃんってどんな子なの?」と聞かれて、的確に答えられる自信が自分にはありません。
たとえば「天然」とか「不思議ちゃん」とか「破天荒」とか、それっぽい言葉を並べてみてもどこか違う。全然足りてない。
なにか動画を見せて「これを見ればまーちゃんの魅力がわかる」なんてのもなかなかない。
あの子の良さをわかってもらうには、実際にあの子の言動を見て聞いてもらうしかないし、それもひとつやふたつではダメで、できればデビュー当時からいままでのアレコレを全部おさらいしてほしいとヲタクなら思うのでは。
要するに、簡単には要約できない個性がまーちゃんにはあるということ。
そんな子がテレビのバラエティに出て、その個性や魅力をお茶の間にお届けすることが果たしてできるのか。
バラエティで活躍するタレントさんのなかには、いわゆるおバカタレントや不思議ちゃん系の人もたくさんいて、でもそういう人たちってある程度は自分の個性を自覚して半ば打算的にそう振る舞うことができる技量を要求されると思うんですよ。
もちろん元々おバカだったり不思議だったり、人とは少し違った個性を持っていたりするんでしょうけど、ある程度はそれに自覚的でなきゃいけない。
テレビの世界で求められるものを理解して、ここぞという場面でそれを発揮できなければ売れるのは難しいでしょう。
いままでバラエティでブレイクしたハロメンだと、さゆとかももちとか岡井ちゃんとか里田さんとかいましたが、やはりみんな頭の回転が速くて「己の個性」と「テレビで求められる自分」というものをよく理解してた気がします。
対してまーちゃんは、おそらくそこが無自覚。
我々がおもしろいと感じる部分をあんまり自覚してなさそうだし(ヲタとしてはそこがいいんだけど)、むしろインタビューなんか聞くと「変わってると言われるのがイヤ」みたいな感じなんですよね。
そういう面でもあまりバラエティと相性がよくないのでは……と思ったりもします。
運良くバチンとハマれば破壊力抜群だけど、本人が無自覚(良くも悪くも打算的じゃない)なのでほとんど“賭け”に近い。
加えて、テレビというのはそういった個性を簡易的あるいは戯画的にしてしまうところがあります。
さっきも言ったように、まーちゃんの個性や魅力を一言で表すことなんて不可能です。
それなりに時間をかけて、様々な現場やメディアから少しずつその人となりを知っていってようやくおぼろげに見えてくるその本質。
でもテレビはそんな悠長なことはしてくれないし、より広範囲の人におもしろがってもらわなきゃいけないので、複雑で深奥なあの子の個性をわかりやすく簡単なものとして噛み砕いてしまいそうな気がしてなりません。
それはファンからすれば、「まーちゃんのおもしろさはそんなもんじゃないのに」という感じになってしまうでしょう。
そういう点でも、まーちゃんがバラエティに出ることへの不安や、相性の悪さがあるんじゃないかなーと思ってしまうわけです。
実際これまでまーちゃん一人でバラエティに進出させるということをしてこなかったのは、事務所としてもそういう風に思っているか、あるいは単に事務所もあの子を御しきれずにいて、上手く売り出す自信がない(その能力もない)かのどちらかあるいは両方なのでは。
まぁイチかバチかの賭けに出て変にあの子の個性が一人歩きしてしまうよりは、いまみたいに“知る人ぞ知るとんでもない個性”として一部の人々に愛されているほうがいいのかもしれませんけどね。
個性的というなら、まーちゃんほど個性的な子はいない。
でもそれが(主にバラエティでの)タレントとしての売りとなると、また話が変わってくる。
おそらく、あの子の個性を一番発揮できるのはアイドルというジャンルでしょう。
そう考えるとまーちゃんがアイドルになったのは僥倖だったんじゃないでしょうか。
本人にとっても、ファンにとっても。
みたいなことを10分くらい考えてました。おわり。