真っ昼間からこんなお知らせが。
来年の1月2日以降、コンサートにおいてのジャンプ行為を禁止させていただくらしい。
なるほど。
いつの世も、言ってもわからない愚か者のせいでどんどん窮屈になっていくのですねぇ。
しかしこれはなかなか一筋縄ではいかない問題だよなとも思います。
一口にジャンプ行為といっても、いわゆる迷惑行為としての“マサイ”と呼ばれるものから、曲中の振り付けまたは煽りの一環としてのジャンプまでありますし、跳ぶことすべてが必ずしもコンサートの害になるわけでもなく、むしろそれがないと盛り上がりに欠ける場合もあり、かといってジャンプオールOKにすると今度は調子こいたバカがピョンピョン跳びはねてクソ邪魔だし……という、なんとも難しい問題です。
ジャンプ行為より、変なコールとかメンバーの名前を大声で叫ぶ行為をやめさせろ、という声も少なくありません。
確かに、ファミリー席住人からすると、知人に連れられて初めてライブに来たっぽい人が一番ドン引きしてるのは、そういうメンバーの名前を怒号のように叫ぶ系のヲタクなんですよね。
「え、なにあれ頭おかしいの……?」みたいな反応をわりとよく見かけます。
わたくしも、いまでこそ慣れてしまいましたが、初めてコンサートに行ったときはあの叫び声に精神がざわついたものです。
なんだか見てはいけないものを見てしまったかのような、ある種の恐怖感にも似たものを感じますよね。どう考えても日常のなかでは聞かない(見かけない)行為ですし。
他にも、振りコピ勢とかサイリウム掲げ過ぎ勢とかうちわで視界を遮る勢とか体臭がキツすぎる系男子とか、言い出したらキリがありません。(体臭男子は体洗って出直してこい)
個人的にファミリー席でライブを見ていて一番「邪魔やな」と思ったのは、上半身だけで目一杯振りコピをするヲタクです。
まず視界が遮られるし、ずっと動いてるから気になってステージに集中できないなどの弊害がありました。
係員が何度か注意したにも関わらず、しばらく経つとまた踊り出すのです。思わず後ろから蹴り倒してやろうかと思いました。(もちろんそんなことはしませんけどね!)
まぁとにかく、ああいった場での迷惑行為というのは禁止し出しだらキリがなく、なにを「迷惑」だと感じるかも人によって(時と場合によっても)変わってくるので、非常に厄介な問題ではあります。
ある程度の不愉快さは仕方ない部分もあるでしょう。お客さん一人ひとりの要望を聞き入れるのは不可能だし、席運が悪かったと思うしかない場合もある。
こうしてジャンプを禁止にすれば迷惑行為としてのジャンプをする人間がいなくなるのかというと、たぶん残念ながらそうはならないでしょうね。多少の抑止にはなる……かどうかも、なんとも言えません。
そもそも迷惑行為としてのジャンプは前々から禁止されてましたし、そういったことをせずちゃんとルールを守って見ている人はわざわざこんなルールを提示されなくともそうしてきたはず。
そしていままでルールやマナーを守ってこなかった人間は、公式がこんなお知らせを出したところでこれからもルールを守ることはないでしょう。変わらず跳び続けるか、嫌になってどこかへ行ってしまうか。
「どこかへ行ってしまうならむしろありがたい」と思う部分もありますけど、迷惑ヲタがいなくなってもジャンプ禁止のルールだけは残り、結果真面目な人たちだけが損をするという事態にもなりかねません。
っていうか「状況を改善すべく、各会場でスタッフによるお声かけ・注意をさせて頂いてまいりましたが」って言うけども、ピョンピョン跳んでるヲタクに係員が注意するところなんて滅多に見かけないんですけども。
ファミリー席(大体2階以上であることが多い)から一般席を見てても、「あぁまた阿呆のように跳んでいやがる」と思うようなヲタクが注意されることはまずない。
一方で、列から少しはみ出したような人が注意を受けるのはよく見ます。
要するに、位置的に注意しやすい人や、注意しても変に絡んでこなさそうな人などが目をつけられることが多く、本当に注意してほしいヲタクほど係員が見て見ぬふりをする場合が多いような気が。
こういうのって、突き詰めていけばいくほどルールだけがガチガチになっていき、本来の楽しさがどんどん減じてしまうという負のループに陥ってしまうんですよね。
かといってなんでも自由にしちゃうと、周囲への迷惑も顧みずただ自分勝手に騒ぎ出す人間が出てきてしまい、結果「ルールを作ります」という話に戻っていく。
人間すべてがわかりあえるなんてことがないのと同じく、お客さんすべてが十全に楽しめるルールなんてのもたぶんない。
ある程度は我慢するしかない部分もあるだろうし、ある程度は自分で考えて周囲の迷惑にならないようにしなければいけない部分もある。だけどそれがわからない人間もいる。だから問題になる。
今回の件は、ずっと以前から言われ続けていた迷惑ジャンプがあまりになくならないので、事務所としても禁止令を出すしかなかったんでしょうね。
それによるデメリットももちろんあるし、果たして禁止令に意味はあるのか?とも思うけど、こうするしかない状況になってしまった。
せめてみんなが「周りの迷惑にならないように楽しもう」と思えていればこうはならなかったんでしょうが、一部のそうじゃない人間のせいでこういったルールが作られてしまうのです。
バカはどこにでもいて、バカであるが故に自分のバカさに気付けず、周囲へ害を振りまいていく。損をするのは、バカじゃない人たちばかり。不条理な世の中ですね。
あとはもう、このお知らせによって今後どう改善されていくかを見守るしかありません。
たぶんあまり変わらないとは思いますけど……w