先日、モーニング娘。'19のまーちゃんこと佐藤優樹ちゃんが出演していたヤンタンを聴いているなかで、興味深い話があったので取り上げてみましょう。

 

 

 

興味深い話はいくつかありましたが、水着についての話を。

 

 

 

とその前に、できればこれはどうにかしてラジオの音源を聴いてから読んでほしい。(番組が始まって大体17分くらいのところ)

音声情報を、他人の文字情報だけで判断するのは危険です。

特にまーちゃんは「聞いてるとおもしろいけど文字にすると棘がある(誤解される)場合がある」とインタビュアーが言うくらい、文字だけでは情報が不足してしまう人ですから。

 

 

 

 

 

音源を聴いた前提で話を進めると、リスナーから「まーちゃんはビジュアルブックを出しましたが残念ながら水着がなかったので(まーちゃんが水着になるように)さんまさん説得してください」という旨のメールが届き、水着の話になりました。

 

 

そこでまーちゃんは「水着になって写真集を出しても(給料として)7割も入ってこないのに、裸同然の“水着”というものを軽々しく要求しすぎるその考え方をどうにかしたほうがいい(要約)」みたいなことを言ったのです。

 

 

 

 

なるほど言われてみればおっしゃるとおり。

 

 

自分は以前から「ハローの写真集に水着はなくて(も)いい」と主張してきましたが、どちらかと言うと写真集を見る側としての意見であり、撮られる側の視点でそこまで突き詰めて考えたことはあまりなかったかもしれない、と思わされました。

 

 

 

 

ラジオでまーちゃんは水着についてしきりに「裸」と表現していて、おそらくまーちゃんにとって水着になるというのは裸体をさらすこととほとんど同じくらい抵抗があるのだろうなと察せられます。

 

 

だからこそさんまさんに「裸で渋谷や原宿を歩けますか?」みたいな質問をしたのでしょう。

「あなたたちが要求していることは、わたしにとってはそれと同じようなものなんですよ」と言いたくて。

 

 

「水着ってほぼほぼ下着じゃないですか?」という話もありましたが、それは確かにそう思う。

水着と下着の明確な違いって、素材とか造りとか細かいデザインくらいで、全体的なシルエットとしてはほぼ同じですよね。恥ずかしがるのも当然でしょう。(とずっと思ってる)

 

 

 

そんな裸同然の姿をさらすというのに、世の男(とは限りませんが)たちはあまりに軽々しく「水着になってよ」と要求してくる。

 

 

思春期の女の子の裸あるいは下着同然の姿を写真におさめて本にして全国の書店で販売し場合によっては世界中に拡散していくというのに、定価3000円の7割も入ってこない仕事をそんな簡単にやれるか!と言われたとしても、ですよねぇというほかないではありませんか。

 

 

そんな簡単に水着姿を拝めると思っているその思考をどうにかしたほうがいい。

その主張は、「アイドルなんだから水着になって当たり前でしょ」という価値観が跋扈している世の中に一石を投じるものだなと思わされました。

 

 

 

 

 

さんまさんはそんなまーちゃんの意見を「間違ってる」と言いましたが、果たして間違っているのでしょうか。

 

 

確かに、「仕事なんだから」という意見もあるでしょう。

 

 

そこでまーちゃんは「仕事なら、1億8000万は欲しい」と言いましたが、要はそれくらいの対価を払って初めて「水着を見せてくれ」と要求できるのだ、ということが言いたいのではないかと思いました。たぶん。

(ちなみにヌードなら600億と言ってましたが、それでも安すぎると思うよまーちゃん。というかお金の問題じゃないけど)

 

 

そしてそれは自分のことだけでなく、誰もがそうなのだ、とも言っていましたね。

 

 

 

 

そもそも、これは本当にモーニング娘。がやるべき仕事なのでしょうか?

 

 

水着の撮影をしたくてモーニング娘。に入った子なんて、たぶんいないんじゃないかな。

ステージに立って歌って踊ってキラキラ輝きたくて加入して、それでグラビアや写真集撮影という仕事もある、という流れでしょう。

 

 

加入当時まだ小学生や中学生だった彼女たちに、「数年後には下着みたいな水着になって写真を撮られる仕事もあるけど大丈夫だね?」と契約した上でモーニング娘。になったのでしょうか。

仮にそうだったとして、そんな年齢の少女たちにそれがどれだけしっかりと理解できていたでしょう?

 

 

そう考えると、「仕事なんだから」という理屈は正当性を欠くような気はします。

 

 

メンバーが「それは私たち(モーニング娘。)の仕事ではありません」と主張したとして、100%「間違っている」と言えますか?

 

 

 

 

 

 

そんなまーちゃんの意見に対して、「他のメンバーは水着で頑張ってるのにまーちゃんだけわがままを言ってる」とか「水着になってるメンバーを馬鹿にしてる」とおっしゃるヲタクもいるようですが、それはあまりに短絡的な反応だと言わざるを得ません。

 

 

もちろんそうやって水着の仕事を頑張るメンバーがいてもいい。

仕事だから頑張るとか、写真集を出したいから水着になるとか、水着になれば人気も上がるとか、水着になることに全然抵抗がないという子がいてもいい。

 

 

それは人それぞれです。

誰にだって、メンバーにだって、得手不得手があります。

受け入れられるものと受け入られないものの基準もまた人それぞれです。

「他の子がやっているんだからあなたもやりなさい」というのはブラック企業の言い分そのままだ、というツイートを見かけましたがまさにその通り。

 

 

 

 

この問題について、「仕事だから」「他の子はやってるのに」で片づけられないのは、それが年若い女の子の“性”に関係する事柄だからです。

 

 

最初からグラビアアイドルになるつもりだったというならともかく、そうではない、歌って踊るアイドル/アーティストのモーニング娘。(ハロプロ)になりたくてこの世界にやってきた少女たち。

 

 

性に関する価値観もまた人それぞれであり、これはとてもデリケートな部分でもあります。

「他の子が大丈夫なんだからあなたも大丈夫でしょう?」という理屈は通らない領域の話なのです。

 

 

 

そこで「水着くらいで“性の問題”だなんて大げさなw」と思ってしまう人間たちが、軽々しく水着姿を要求してしまうのかもしれない、と思います。

 

 

アイドルなんだから、仕事なんだから――そういった理由では割り切れないのが“性の問題”であり、水着になって写真を撮られるという行為がそれに直結するメンバーもいる。

 

 

それを理解しない限り、いつまでも「水着になってよ」と軽々しく要求する人間(ファンや事務所の大人)は絶えないでしょう。

 

 

「お前はどれだけのことを要求しているかわかっているのか?」という点がまーちゃんの言いたいことなんじゃないかなぁと思いますが違うかもしれないのでこれはわたくしの意見ということで。

 

 

 

 

これまでは、あまりに鈍感すぎたのでしょう。

アイドルとはいえ、思春期の少女たちに下着姿も同然の写真を要求することに。

 

 

「仕事なんだからしょうがない。我慢してやるしかない」と思ってきたアイドルもいたであろう状況で、まーちゃんは初めて(かどうかはさておき)「そんなことはない。そんなに簡単に自分の性を搾取されてたまるか」という意見を述べたのかもしれません。

 

 

(音源を聴けばわかりますが、実際はそこまでイデオロギーに満ちた主張をしたわけではなく、そういう話になったから自分の意見を言っただけですので誤解なきよう)

 

 

 

 

 

 

反省すべきなのでしょうね。

水着になるということについて、簡単に考え過ぎていた人間すべてが。

 

 

 

あんまりこういうことは書きたくないですが、某オンラインショップで写真集やソロ映像作品のレビューを見ると、どのページ/どのシーンがどんな風にエロいかということを細かく批評している人がいたりします。

 

 

おそらくその人は変態的なレビューを書こうとしたわけではなく、あくまで真面目に作品を分析したんでしょうが、それを見たメンバー本人はどう感じるでしょう。親だって見るかもしれない場所ですよ。

 

 

なかには「オ〇ズとして最高です」などと書いてる人もいて、さすがに良識を疑いました。(これまた本人は真面目にレビューしてるつもりっぽい)

 

 

 

 

彼女たちはそういう環境にいるわけです。

 

 

たしかに、みずから望んでアイドルになったのでしょう。

でもだからといって、彼女たちの性をそんなに軽々しく扱っていいとは思えません。

 

 

そして人によっては水着になるということに激しい抵抗をおぼえることもあるということ、それを他の人間がちゃんと認識して尊重しなければいけないということ。

そんなことを、まーちゃんの話から改めて思い知らされた気持ちです。

 

 

 

 

 

ヤンタンには《癒せません》という名物コーナー(?)がありますが、あれも似たようなものですよね。

 

 

明らかにエロさ/いやらしさを狙いつつ、ギリギリで「いや、そういう意味じゃないけど?」とシラを切ることができる(通用するかはともかく)下ネタゼリフを言わせる企画。

 

 

あれも、さんまさんや番組スタッフとしては「アイドルがちょっとエッチなことを言っちゃう企画」くらいにしか考えてないような気がしますが、やる側のアイドルからすれば抵抗があって当然だと思います。

 

 

あまり過剰に糾弾したくはないですが、ああいうものがまかり通っていたのはまだテレビやラジオが黄金時代だった懐かしき時代であり、これはその遺物なのではないでしょうか。

それがいまも存在しているのは、メインパーソナリティーが大御所中の大御所であり、当人もノリノリだからという点がたぶん大きい。

 

 

しかし個人的には時代錯誤な企画だと思いますし、女性ファンも増えてきたいま、いつまでもああいうものを当然のようにやらせる姿勢は変えていったほうがいいのではと思わずにはいられません。

 

 

 

 

 

 

 

ということを長々と書いてきましたが、もちろんそういった(エロい)気持ちをアイドルの女の子たちに抱いてしまうこと自体は、声高に責めることはできないかな~できないんだろうな~とは思います。

 

 

ある程度までは仕方ない。

なにしろ魅力的な女の子たちだし、だからこそアイドルとして人気を博しているわけですから。

 

 

そういった部分も含め、打算的にファンを獲得していく面ももちろんあるでしょう。

なにも「完全に性的なるものを封じろ」と言いたいわけではない、ということはご理解ください。

 

 

 

そういった下心的なものを感じること自体に罪はないでしょうが、その発露の仕方を気をつけなければいけない、という話です。

 

 

木の股を見て発情する中学生男子ならいざしらず、それなりにいい年齢になった大人ならば、彼女たちの側に立って理解を深めていくことが肝要でしょう。

 

 

まーちゃんがヤンタンで主張したその意見を、重く受け止められるファンでいたいなと思います。

 

 

 

アイドルたちの性を、軽々しく売り物にしてはならない。

 

 

 

コンビニや書店で当然のようにエロ本が(小さい子供の目にも入ってしまうような場所に)置かれている国で暮らしていると、そういう意識も鈍磨していってしまうのかもしれません。

 

 

 

気をつけたいところです。

 

 

でないとそのうちメンバーに呆れられ、汚いものを見るような目で一瞥されてしまうかもしれませんので。