ちょっとまたファラオの墓の話していいですか?いいですかそうですかありがとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと思ったんですが、スネフェルの幼馴染であるアンケスエンは、去年の『ファラオの墓』での結末と、今年の『ファラオの墓~蛇王スネフェル~』での結末、どちらが幸せだったのでしょうね。

 

 

 

(思いっきりネタバレするのでお気をつけください)

 

 

 

 

『ファラオ』でのアンケスエンは、ご存知の通りお亡くなりになられました。

『蛇王』でのアンケスエンは、ラストシーンでもご存命。

結構大きな違いですよね。

 

 

普通に考えれば生きているほうが良いに決まってますけど、果たしてアンケスエン本人にとってはどちらが幸せだったのか、と考えてしまいます。

 

 

 

『ファラオ』のアンケスエンは、スネフェルを討たんとするサリオキスの剣にみずから飛び込んでいき、愛する人の手によって死んでいきました。

それは平和のためであり、当人の望みでもあったように思えます。

 

 

アンケスエンに先んじて、ナイルキアも平和のために愛する人の手で死を迎えました。

それを少なからず“羨ましい”と、アンケスエンは感じていたのではないでしょうか。

もちろん2人で幸せに暮らしていけるならそれに越したことはない。でももうそれはできない。ならばこの争いを止めるため、せめて愛する人の手でこの身を捧げたいという、アンケスエンなりの愛の行方だったのではないか、と。

 

 

 

 

一方で、『蛇王』のアンケスエンは、そもそもサリオキスと恋仲になっていません。

お互い少なからず惹かれ合っていたとは思いますが、それが恋に発展することはなく。

結果、アンケスエンはその身を捧げることもなく、スネフェルの最期を見届けて物語は終わりました。

 

 

生きていたほうがいいに決まってる――とはいえ、アンケスエンは結局、誰かを愛する喜びを知らないまま終わってしまったのでした。

 

 

 

果たしてどちらが幸せだったのでしょう。

 

 

『蛇王』でのアンケスエンも、もしかしたらあのあとにサリオキスと恋仲になって幸せに暮らしたのかもしれない。

でもそれは描かれなかった未来。

シュレディンガーじゃないですが、観測されるまでは不確定な事象なのです。

 

 

それに、アンケスエンはウルジナの人間なので、すんなりサリオキスと愛し合ってめでたくゴールインとはいかないでしょう。

サリオキスがそれで良くても、周囲の人間が許さないかもしれない。

まぁ『蛇王』のイザイはわりと物わかりのいい兄ちゃんなので大丈夫かもしれませんが、『ファラオ』のイザイだったら許さなかったでしょうね。ウルジナの人間は皆殺しだ、とか言いそう。

 

 

 

 

 

そういったことを考えると、もしかして『ファラオ』のアンケスエンのほうが幸せだったのかなぁなんて思ったりもします。

 

 

文字通り、身を捧げるような愛によって人生を終えられたんですよ。

しかも最愛の人の手で逝けるなんて、あの戦乱の世にあっては幸せなことなのかもしれません。

 

 

そもそも古代エジプト人の死生観というのは、あくまで現世は始まりに過ぎず(というか始まってもいない)、死んであの世に行ってからが本番だ、そしていずれ復活するのだ、という感じだったと聞いたことがあります。(違ってたらごめん)

 

 

ということは、少なくとも現代人よりは死を恐れていなかったということでしょう。

死ぬことは終わりではない、始まりである、という価値観を持っていたのならば、ナイルキアやアンケスエンがみずから死を受け入れたことも頷けますね。

 

 

 

 

 

 

 

そんなことをぼんやり考えておりました。

 

 

 

アンケスエンは、あれだけの美貌と賢さを持っていながら、あまり報われない苦労人という印象です。

 

 

『蛇王』での結末のあと、せめて幸せに暮らしてくれてたらいいな~と思わずにはいられません。

 

 

同時にサリオキスも、『ファラオ』では愛する人と愛する妹と憎きライバルをすべて失い、『蛇王』ではアンケスエンと恋仲になっておらず、よくまぁファラオになるだけのモチベーションを維持できたな、と思いませんか。

 

 

エステーリアを復興するという使命感の成せるわざだったのでしょうねきっと。

自分なら、「もうエステーリアとか知らん……なにもかもどうでもいいや……」と捨て鉢になってしまいそうです。

 

 

王様というのも大変ですね。

漫画やアニメではよく“世界征服”をたくらむ悪党が出てきますが、世界なんて征服してどうするんだろう?といつも思います。

自分が世界のトップになったら、いろいろやること考えることが山積みですよ。ひとりの小市民に甘んじていたほうがよほど楽に生きられるでしょうに。

 

 

 

 

 

話がズレましたが、そんな感じでいろんなキャラクターの結末や行く末について考えるのも楽しいです。

 

 

悪役のマリタやジクはどんな過去を持っているんだろう?とかね。

 

 

マリタはケス大臣の部下になる前は「砂漠の蠍(サソリ)」の異名を持って恐れられていた――とかいう設定を勝手に考えたりもしました←

 

 

ちなみにいまだに原作は読んでません。

そちらにそういったキャラの背景が描かれていたりしますかね?

 

 

そのうち気が向いたら読もうとは思ってますが、しばらくは『ファラオの墓』はモーニング娘。のファラオの墓だけを楽しんでいたいと思ってます。