いまさらですが、『ファラオの墓~蛇王スネフェル~』のDVDを見ました。
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演劇女子部「ファラオの墓 ~蛇王・スネフェル~」 [DVD]
4,472円
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「え?まだ見てなかったん?」という感じですが、まだ見てなかったんですよ。
なんか見るタイミングを逃しちゃって。
あまり気分が乗らないときに見てしまいたくないし……とか思ってたらもう11月半ば過ぎ。
でもはるなんの卒業前に見ておきたいと思ったので、ようやく見ることができました。
感想は6月の観劇の際にいろいろ書きましたが、今回DVDで見て、より「おお~」と思った部分もありました。
まず、ナイルキアこと小田さくらちゃんの圧倒的ヒロイン力!
超可愛い……。
可憐。
それでいて強い。いろんな意味で強い。
劇場で観たときももちろんそう思いましたが、当時はどちらかというとスネフェル様にばかり感情移入していたので、ナイルキア(小田ちゃん)のこの可憐さをしっかり感じ取れていなかったのかも、と思いました。
DVDは表情までしっかり見えるのが良い。
小田ちゃんの魅力全開だったんですね。知ってたけど、DVDのおかげでもっと知れました。
あとはアンケスエンこと真莉愛ちゃんの存在感も、なんか劇場で観たときより感じたかな。
それとケス大臣の部下である悪役の2人、マリタとジク好き。
マリタは各所で(悪役として)輝いてたし、ジクの不気味な雰囲気とソロ曲が素晴らしい。
やっぱ悪役っていいよね。
演じ甲斐がありそう。
そういう意味では、悪役でもあり主人公でもあるスネフェルは最高に演じ甲斐があっただろうし、難しくもあっただろうなと思います。
改めて、素晴らしい役者ですねあゆみん。
スネフェルという人物が背負った愚かさや優しさ、そして悲しみをあそこまで演じてくれてありがとうと言いたい。
で、そういう細かい部分とは別に、全体的にテンポが早いな~というのもちょっと感じました。
劇場で観たときより感じた。
特にサリオキス側は、「間」とか「タメ」とかあんまりなくて、チャッチャカ話が進んでいく。
当時どなたかの感想でも見たけど、ダイジェストっぽさもある。
まぁ今回はスネフェル側がメインだし、なにより演劇女子部は「夜9時までには絶対に終わらせなければならない」という時間的制約があるので、ある程度駆け足になってしまうのは仕方ないんですよね。
そういうところを考えると、やはり原作モノよりオリジナルでやったほうがいいんじゃないかなぁと思ったりもします。
往年の少女漫画を原作とするのは、「女の子みたいに綺麗な男の子」が出てくる作品が多いという点では確かにハローで演じるのが合ってる。
物語やキャラクター、世界観などを一から考える必要もないので、そういう部分では楽でしょう。
でも長大な原作を2時間以内に収めるのはなかなか難しく、かといって『続・11人いる!』のような中編だと“原作まんま”になってしまって物語的には少し物足りない。
性別はともかく、明らかに年齢が合ってないキャラクターを演じる場合もあったりして、いわゆる「当て書き」ができないというのも原作モノの欠点です。
その点、原作(というか原案?)モノのなかでは『トライアングル』はかなり上手くやった作品じゃないでしょうか。
あれは元が短編だったし、原作にないキャラを加えたり、いろいろと“遊び”の部分が多かったのが功を奏したのかなーと。
まったく同じではなく絶妙にパラレルな2つの物語パターンで上演したのも良かったですね。
演じる側は大変だったでしょうけど。
そんなわけで、来年の舞台は久しぶりにオリジナル脚本がいいな~と思いました。
キャラもある程度自由に描けるし、演じる子に合わせることもできる。
最初から2時間以内という時間を想定して脚本を(物語全体を)書くことができるし、演劇女子部の特徴と制約を活かすには、原作モノよりオリジナルのほうがやりやすいんじゃないでしょうかね。
などと考えておりました。
来年はどんな舞台になるか。
個人的には、変わらずSFやファンタジーをやってほしいです。
でもこのところ悲劇的な出来事が必ずある感じなので、ハッピーエンドで終わるような物語も見たいなぁと思ったり。
普通に現代日本の、たとえば学園モノのような話も悪くないんですが、それでどれだけ虚構性を出せるかは制作側の腕の見せ所になってきます。
内輪ウケしかしないような作品はちょっとイヤなので、あんまり現実(のメンバー)に寄せすぎたりすると良くない。
ハル先輩みたいに、雑誌やDVDの企画としてやるなら別にいいんですが。
まぁとりあえず、昭和の話じゃなければなんでもいいです。
(この事務所、昭和のこと好きすぎてバカみたいだから)
どうせ昔の話やるなら、時代劇とかにしてほしいですね。
それなら見たい。
余談ですが、今回の『ファラオの墓~蛇王スネフェル~』のエンドロールは、最後の挨拶を終えたあゆみん(スネフェル)から横の象(目が光るあれ)にフォーカスが移って、そのまま音楽(メインテーマのインスト)と共にエンドロールが流れるというちょっと珍しい感じでした。
2016年の『続・11人いる!』のエンドロールが、真っ暗で無音な画面にエンドロールだけが静かに流れていくという手抜き仕様だったので、多少でもこういう細部にこだわってくれたのは嬉しかったです。
でも、千秋楽の“終演後の挨拶”が収録されてなかったのは残念。
去年はいくつか挨拶も収録してくれてたんだけどな。
さすがに大阪の大千秋楽は入れてくれるだろうと思ってたのに、まさかのスルーかい。
そう考えると、オーディオコメンタリーに加え、舞台裏のメイキング映像や大阪での大千秋楽の様子も収録し、隠し映像まで盛り込んだ『LILIUM』はまさに神仕様でしたねぇ。
あれは、最初は事務所に断られたけど末満さんがみずから撮影・編集するからとお願いして入れてもらったものらしい。
演出家が「自分でやるから」とお願いしなければ、ああいったオーコメや特典映像を入れるなんて絶対にしてくれない事務所。
毎回サントラをつけてくれるところまでは素晴らしいのに、そういう部分の詰めが甘いんだからもう……。
ともあれ物語諸々はたいへん素晴らしい。
まだ見てない買ってないという方は、ぜひどうぞ。