昨日は、初日以来2回目となる『ファラオの墓~蛇王・スネフェル~』を観に行ってました。
なのでその話を書きます。
「また舞台の話~?」と思う方もいるかもしれませんが、1年に1回、この時期だけの行事なんだ。許せ。
ネタバレ等、気にする方はご注意を。
ところで舞台って入場時にアンケート用紙をもらって、観劇後にロビーで書いて出すじゃないですか。
個人的にあの終演後のバタバタしたロビーで急いで書くのが嫌なので、初日の分を家に持ち帰って書いて、次来るとき(つまり昨日)に出そうと思ってたんですよ。
で、見事に持っていくの忘れました。バカだよね~。
30分くらいかけて書いたのに、まったくオレというやつは。
あと1回行く予定だから、そのとき2枚一緒に出してやる……。
それはさておき昨日はなんと4列目(1列目はないので実質3列目)という距離で観ることができました。
まぁ舞台は必ずしも近いのが最適とは限らないんですけどね。
一番ちょうどいい距離は、サンシャイン劇場で言うと、真ん中の通路を挟んでの1列目あたりでしょうか。つまり13列目。
関係者の人たちが座る(ことが多い)席ですね。あれくらいがベスト。もちろん、近いなら近いでメリットはありますが。
そういうわけで、とにかく演者の表情はよく見えました。
特にスネフェルの睨みが良い。
冷酷無比なスネ様はなにかというと「あ?」みたいな感じで相手を睨みつけるわけですが、そのときの眼が実に狂気を孕んでいて素晴らしい。
「美人は怒ると恐い」という言葉を何かの本で読んだことがありますが、まさにその通り。端正なあのお顔でジロリと睨まれると、何もしてないのに「どうかお許しを!」と命乞いしたくなります。
スネフェルの狂気は、最初は享楽的で優しさのかけらもない(自分自身でその残酷さを愉しんでいるような)ものなんですが、それが終盤はひたすら悲しみに打ちひしがれた“壊れた”狂気へと変わっていくのです。
皮肉なことですね。
愛を知ってしまったがために、彼の狂気は変わった。
自分を愉しませる狂気から、自分を苦しめる狂気に。
運命とは残酷なものです。
その狂気の変化が、表情ひとつからも如実に伝わってくる。
それがよくわかりました。さすが実質3列目。
そして、ナイルを失うあの場面。
ナイルもスネフェルも泣いているのが見える。見えてしまう。
そんなん、こっちも泣くに決まってる。
ナイルの名を叫ぶスネフェルの悲痛な表情が辛すぎる。
芝居であっても、そこにある感情は本物です。本物でした。
それとみんなの顔。
美しい!整っている!
知ってたけど!
リアル少女漫画ですよね。
特にサリオキスは、遠くから見るより近くから見たほうがより美しい。写真で見るより生で見るほうがより美しい。
スネ様はイケメン。
森でナイルに水をあげるシーンで、顔にかかった髪をふぁさっとやる仕草(首の動きで髪を避けるあれ)をした直後のスネ様が!めちゃくちゃカッコよかった……あれは惚れる……。
わたくしの内に潜む乙女な部分が悲鳴をあげていました。(ちなみに自分乙女座です)
こんな気持ちになったのはキリ中尉以来かもしれない。
ちょっとあれはホントに……男とか女とかを超えて、純粋に美しい生き物の顔だったよ……。
アンケスエンがまた美しくて。
毅然とした佇まい。たまにちょっと舌足らずになる。可愛い。
思えば今回のアンケスエンは損な役回りです。好きでもない男と結婚しなければならないさだめを負い、そうかと思えばその男は別の娘に惚れている。前作と違ってサリオキスとのロマンスもほとんどありません。サリオキスはアンケスエンに惚れてたようですが、アンケスエンはどうだったんでしょうね?その辺の描写はなかったな。
アンケスエンほどの高貴なお方でなければ、たとえ嫌いであっても幼い頃から許嫁であった男が自分に目もくれず他の娘を愛するなんて、嫉妬しませんかね。
別にスネフェルに愛してほしかぁないけど、これだけ一緒にいるわたしは1ミリも愛されなかったのにナイルは一目でスネ様のお気に入り!なんかムカつく!と思っても無理はない状況ですが、しかしアンケスエンは潔く身を引いてスネ様とナイルの結婚を心から祝福するおつもりでした。実に気高いお方です。
そんなアンケスエン様の美貌を間近で拝見できたこと、ありがたき幸せ。
今作ではおそらく半分近い楽曲が追加されています。
(その分、前作にあった曲がなくなってもいるけど)
冒頭のトキの歌(というかハミング)も印象的ですが、個人的にジクのソロ歌唱曲がお気に入りです。
昨日は初日よりも数段良くなっていた気が。
あの場面、普段は不気味であまり目立たないジクが、やけに存在感を放つのが良い。
スネフェルすら気圧されるくらい、あの場面のジクはイッちゃってます。
王を嘲弄するかのような態度でナイルを告発するわけですが、言ってることは全部本当なので我々観客も「ぐぬぬ……」と拳を握るしかない。
ところで前作にはなかった要素として、ケス宰相がスネフェルにこっそり飲ませる毒薬があります。
一気に殺すのではなく、じわじわと少しずつ、身体と精神を蝕みやがて死に至らせるというジクお手製の毒薬。
この薬のおかげで、スネフェルが最期にナイルと母上の幻影を視るシーンの説得力が増したのではないでしょうか。
前作でも「ナイルを失った悲しみのあまり情緒不安定になり、サリオキスとの戦闘という極限状態で幻視した」と説明はできますが、薬の存在があるほうがより納得しやすい。
まぁそんな分析はさておき、最期にナイル(の幻)が出てくるシーンで不覚にも泣いてしまったわたくし。
スネフェルに感情移入していたからでしょうか。
死の間際、優しく微笑むナイルの姿を見たら、嬉しいような悲しいような、なんとも言い難い情動が。
よく考えなくても、これだけ重く悲しい物語をモーニング娘。が演じるというのはなかなかです。
大人たちも、モーニング娘。ならばやってくれるという信頼があるからこそそれを託すのでしょう。
そして期待以上のものを見せてくれるメンバー(と客演とアンサンブルのみなさん)たち。
毎年こうしてモーニング娘。の舞台を観られることができて幸せです。
そういえば昨日の終わりの挨拶はケス宰相だったんですが、それとは別に座長のあゆみんが「今日はここが池袋なのかエジプトなのか、はたまたUSAなのかわかりませんが」とネタにしていて笑いました。
メンバーも噴水広場のイベントを観に行っていたらしいですね。
舞台の直前によう行くなぁw
ちなみにわたくしはUSAの波に乗れてないハロヲタなので、ブックオフを物色しつつ、サンシャイン内をうろうろしておりました。
サンシャイン内で清水キャプテンとすれ違ったんですよ。
開演の3時間くらい前に。
普通に歩いてるから驚いた。
もちろん声などかけられませんが、3秒ほど凝視してしまいました。
メネプ神官(普段着Ver.)可愛かったです。