舞台『ファラオの墓~蛇王・スネフェル~』の初日夜公演を観てきた感想の続きです。ネタバレにご注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

先日はなにかと「カッコいい」要素が溢れている舞台だという話をしましたが、もちろん「かわいい」も満載です。

 

 

 

たとえばネルラは去年と同じ配役でキャラも変わりませんが、いろいろとアップデートされていた印象です。

髪型も衣装も今作のほうが好きかな。

ソロ曲も一新されました。以前にも増してディズニーっぽさというかミュージカルっぽさが強調されて楽しい。

 

 

スネフェルの小姓であるルーにも、今年はソロ曲が用意されていました。

これがアイドル感溢れる雰囲気で、美少年役ながら実にかわいい。

 

 

アリとパビのコンビは2人でいる場面が多く、なかでもパビは新しいコミカルさを生んでいてかわいいです。ヒップアタック。(見ればわかる)

アリは一応少年なんですが、勇ましさよりかわいらしさのほうが出ていた印象。それはそれで悪くない。

 

 

そんなアリの母親であり、ストーリーテラーでもあるトキは、それぞれの場面に応じて上手く雰囲気を変えていた気がします。

美しいんだけど、大きな旗を担いで歌う場面はやたらカッコよかったな。

 

 

マリタもまた美しい。

前作より出番が増えて、一筋縄ではいかない女感が増し増し。

最期の瞬間のあのセリフに、マリタという女のすべてが詰まっていると言うのは過言でしょうか。

 

 

アンケスエンは前作より(必然的に)出番は多少減っていますが、キャラクターとしてはより深く掘り下げられていたのではないでしょうか。

アンケスエンもまた、スネフェルと同様に誰かを心から愛したことがない。しかも今回はなおさらそうで、どうか彼女の未来に束の間の幸福が訪れんことを……と祈りたくなりました。

それと、衣装がキラキラ光って眩しい。

 

 

そしてナイルキアですよ。ナイルキア超かわいい。

スネフェルとのシーンは前作より増えています。イチャイチャしてます。そしてそれ故に、悲しみも深まる。

今作のナイルキアは、より強い娘として印象に残りました。

どちらが良いという話ではなく、演じる人が変わるだけでこうも変わるのか、と驚きましたね。

 

 

 

 

 

ああナイルキア!いや、ナイル!(急に興奮)

 

 

いまサントラの『永遠の愛』を聴いて泣いたわたくしです。

みなさんサントラもぜひ買いましょう。4曲(うち1曲は新曲)しか入ってないけど、もちろん今年Ver.の歌割りに変わってます。

『永遠の愛』は2人の歌声だけで泣ける。自分でもビックリした。

歌声から、スネフェルとナイルの愛と悲しみが伝わってきます。

 

 

 

 

本当に悲しい話なんだけど、前作よりもモヤモヤ感が少ないのは、スネフェルという人物に焦点を当てて描き切ったからでしょうか。

 

 

2時間弱しか時間がないので、やはり1人の主人公のほうがまとまりは良いのかも。

 

 

その分、主役のプレッシャーは大きいでしょうね。

昨日も書きましたが、あゆみんの芝居が本当に素晴らしい。

 

 

スネフェルを自分のものにしようとすればするほど、苦しいはず。

なにしろあんなキャラだし、あんな人生だし。

役と向き合うだけで心も体もボロボロになりそうです。

 

 

あゆみんは陰陽タイプで言えば陽かなと思ってるんですが、何気にスネフェルも心根は陽タイプなのでは。

だけど出生の時点で呪われてる上に、父親にも母親にも愛情を注いでもらえなかったからあんなやつになってしまった。

もしスネフェルが陰タイプの人間だったら、そういった鬱屈ももう少し上手く飼い慣らしてこられたんじゃないか、なんて思いました。

 

 

多くの人を従えるという点では、もしかしてサリオキスより王としての資質はあったのでは。

まともな環境で育ってさえいれば……。

 

 

 

そんなスネフェルを演じるのはいろいろ大変だろうに、他の仕事をこなしながら稽古して役作りして、あれだけのものを見せてくれるあゆみんに喝采を送りたい。

 

 

コンサートと違って1年に1回しかない芝居の仕事で、普段から演技の勉強をしてるわけでもない。なのにどうしてここまで出来るのか。脱帽ですね。

 

 

 

 

 

もちろん他のみんなもそれぞれ魅力的。

 

 

↑に書かなかったケス宰相は今年も実に悪いやつだったし、相変わらず凄まじい歌声。(なんとケスが笑いを取るシーンもあるのだ。本人にそのつもりはないけど)

 

 

メリエト皇太后は、その佇まいからして美しい。

望まず生んだスネフェルに対する複雑な気持ちの揺れ。

これだけ重要な人物なのに、去年はよくメリエト抜きでやったな……と思いました。

 

 

メネプ神官は優しさが滲み出ていて、もしスネフェルとナイルが幸せな結婚をしていたら、優しく見守ってくれたんだろうなぁと想像して辛くなる。

 

 

サライもアンサンブルのみんなも、この舞台に不可欠な存在です。

聞くところによると、某シーンでサライが持ってるアレはSAYUMINLANDOLL宿命のものなんだとか。(あちらの演出も太田さんなので、その関係か)

 

 

アンサンブルの堀江ちゃんが某シーンで生き生きとしてます。

思わず「あいつどうしたんだよw」とツッコミたくなりました。

 

 

 

 

 

 

そんな感じで、昨日も言いましたが前作を見た人も必見の舞台になっております。

むしろ前作を見た人にこそ観てほしい。

「今回は観なくていいかな」と思ってる人にこそ観てほしい。

 

 

 

わたくしはあと2回観る予定です。

 

 

早く古代エジプトに還りたい。