例のハロプロオーディションの合否が発表されました。
結果は……
合格者なし
オーディションとはいったいなんだったのか。
ハロプロ20周年とは。
まぁ半ば予想していた結末ではあるけどね。
今回、7年ぶりの公開オーディションとは言っても、放送2回目にしてもう最終候補者8名にまで絞られてしまったわけです。
要するに、オーディションの過程を楽しむというよりは、視聴者(ヲタ)がこの8名だけに感情移入するための番組だったんですよね。
昔みたいに、何万人何千人規模の話から始まって、関東地方のオーディションはこんな感じ、関西地方はこんな感じ、北海道は、九州は――ってやるんじゃなくて、初回だけチラッと他の候補者も見せはしたけど、番組的には最終候補者8名だけをフィーチャーしたかったというやつ。
そしてこの8名のオーディション映像をここまで見せるからには、誰か1人あるいは2~3人だけ合格というのはちょっと考えにくい。
よほど突出した子でもいれば別ですが、パッと見ではそこまでの逸材はいなかったように思えます。(そんなの滅多にいませんが)
なので、「全員合格→それぞれ既存グループに振り分けるor新グループ結成」か、
「全員不合格→希望者は研修生入り」か、そのどちらかだろうなと思ってました。
で、案の定後者。
確かに、いまのハロプロは人数が飽和状態で、8人ものメンバーを振り分けるのはちょっと無理がある。それこそ新グループでも作らない限り。
かといってここまで残した子たちをみすみす逃す事務所ではあるまい→研修生に入れたがるに決まってる→全員不合格で研修生入りを打診。これですよ。
さすがに出来レースとまでは言いませんが、なーんか釈然としないというか、拍子抜けな感じがするのは否めない。
もちろん、合格に値しないのに無理矢理合格させるような真似はしてほしくないけど、最近はオーディションをやるたびにいつも「合格者なし」という結果に終わってるからさ。大丈夫かなって。
問題なのはそこですよ。
もはや一般からの応募で、合格者が出ない。
これは大まかに見て2つの原因が考えられます。
ひとつは、ハロプロ全体のレベルが高くなっており、歌やダンスの経験がない(少ない)と合格できない(合格してもついていけない)。
もうひとつは、合格に値する子が来ない。
「これぞ!」という子が、オーディションに応募してくれない。
ひとつめの話をすると、そもそも加入と卒業を繰り返すモーニング娘。が、こんなにハイレベルなパフォーマンス集団になっていることがおかしい。
9~11期はともかく、12期だってまだ3年目、13期14期はもっと短いのに、ここまで出来てしまうことが驚異的なのです。
いまやってるツアー、あの鬼のような数のセトリをなぜあんなにハイレベルにパフォーマンス出来るのか。
卒業と加入を繰り返すからグループ自体が常に循環して、そのたびにリセットされるという「洗練」からは程遠いシステムなわけです、モーニング娘。は。
だからこそ素人さんがオーディションで加入し、慣れない歌とダンスを一生懸命覚えながら少しずつ成長していくということが可能だったんですよ。
でもいまのモーニング娘。はレベルが高すぎて、それができない。
一般からのオーディション加入というシステム自体が破綻寸前なんですよね。他のグループもそうですけど。
レベルが高いのは良いことですが、こういうところで昨今のスキル至上主義が弊害となって表れてしまう。
いくらヲタが「モーニング娘。は出来ない子が徐々に成長していくのを見守るのも醍醐味なんだ」と言ったところで、こうもハイレベルでは成長すらできずに置いていかれるだけという恐れがある。だからおいそれとは加入させられない。
オーディション加入システムの破綻ですよね。
研修生でのスキルアップが必須で、それ以外だともう即戦力となるダイヤの原石(鞘師里保クラス)が来てくれるのを祈るほかないのが現状。
そこでふたつめの問題の話になりますが、いまのハロプロの状態(事務所のやり方)で、果たしてそんな子が来てくれるのかどうか。
ハロプロ自体テレビ出演もあまりなく、世間はアイドル=48系のイメージ。
このオーディションだってひっそりこっそり開催されて、ハロヲタでさえ「いつ募集してたの?」と言う人がいる始末。
そんな状態で、ダイヤの原石なんて来てくれるわけなくね?
そんな子がいたとしても、他のもっと有名なアイドルに行くでしょそりゃあ。
ハロプロはとても素晴らしいエンターテインメント集団だけど、それも知ってもらえなければ意味がない。知る人しか知らないようでは、オーディションをやったって集まらないですよ。
オーディションをやるたびに「合格者なし」では、恰好がつかない。
そのうち誰も来てくれなくなる。
モーニング娘。やハロープロジェクトの名前を冠しておいて、毎度毎度「研修生オーデでした」では信頼まで失うことになりかねません。
こんな細々としたオーディションでもまだ応募者がいてくれるうちに、事務所はもっとハロプロを世間に浸透させる努力をしなくてはいけないんじゃないだろうか――と思うんですが、どうよ。
簡単じゃないのはわかってるよ。
わかってるけど、最近の事務所さん、全然そういうことする気ないように見えるからさ。
「世間なんて知ったこっちゃない!いまいるヲタクから金を巻き上げてればそれで安泰!」みたいな姿勢が透けて見えるから……。
年末の歌番組にモーニング娘。だけでもねじ込んで(?)くれてる努力は素直に称えたいですけど、それだけではちょっと弱い。
'13とか'14の頃はもう少しできてたじゃないですか。
あの勢いはどこ行った。
オーディションをやるからには、一定以上の訴求力が必要なわけです。
それが足りないと、「合格者なしだけどみんな研修生から始めるのはどう?」みたいな結果ばかりになってしまう。
なぜなら数が集まらないから。
数が集まらないと、必然的にダイヤの原石を発見できる確率も狭まる。
最終的には“質”が重要ですが、そのためにはまず“数”が必要になってきます。
奇跡を信じて少数精鋭……なんてリスクを、オーディションで負うのはやめていただきたい。
最近の事務所さん、なにかやるたびに課題ばかり残していくような気がするねw
Twitterを眺めていても、そもそも現事務所への信頼のなさのせいでいろいろ不満や不安をつぶやいてらっしゃるヲタさんが数多く。
やはり運営やプロデュース体制が信頼されてないと、こういう微妙な結果になったときも味方してもらえないんですねぇ。
さっきも言ったように、ハロプロ自体のパフォーマンスレベルが高くなりすぎているのは、普段はむしろいいことなんだけど、オーディションのときに弊害となってしまうのが困りもの。
事務所もハロヲタも「スキル第一!」みたいなスキル至上主義が蔓延している現ハロー。
そんなところに素人からの加入なんて、そもそも無理があると言わざるを得ません。
だったらいっそ、オーディションはすべて研修生になるためのものとしてしまえばいいのでは、と考えました。
よほどの即戦力でもない限り、ハローのオーディションはみんな研修生になれるか否かを決めるものとする。
そういう前提でやらないと、これからもオーディションをやるたびに「合格者なし→研修生へどうぞ」のパターンが続くだけでしょう。
「ハロプロになるには研修生での活動期間を経る必要がある」ということにしてしまえば、来るほうもそのつもりで来るだろうから、事務所としてもやりやすいのでは。
(でもそうなると、今度は「研修生オーデなんかに人が集まるのか」という問題が浮上するわけですけども)
そりゃあ個人的には、昔みたいに「未経験で加入して徐々に成長していく姿が見たい」と思いますけど、そんな悠長なことができる状態じゃないのが現在のハロプロですよ。
スキルの高さを取って“素人感”を捨てるか、素人感を取ってスキルの高さを捨てるか、ふたつにひとつです。
スキル主義を選ぶのならば、新人集めもそれに対応したやり方に変えていく必要があります。
「一般からのオーディション加入」というのは、かつてのハロプロだからできたことであって、もはやそのやり方ではダメというのが露呈してしまっているのが現状。
そんな諸々の問題が浮き彫りになったオーディションだったな、と思いました。はい。
肝心のオーディション本編の話をしてなかった。
個人的には、児玉ちゃんが研修生入りを辞退したのが残念というか、惜しいなぁという感じ。
良いもの持ってたと思うんですけどね。
まぁ仕方ない。そういう選択もひとつの道。
とても冷静で、賢い子なんだろうなと思いました。
(研修生を選んだ子が賢くないという意味じゃないよ)
事務所さんはアレですね、『直感2~逃した魚は大きいぞ~』にならないといいですね。
またこの次なんてあるわけないじゃん!
とりあえず、即モーニング娘。に加入という話はないようなので、心おきなくどぅーの卒業に集中したいと思います。