『ファラオの墓』、砂漠の月編を観てきました。
良かったです。実に良かった。
物語の感想は太陽編のレポで書いたのでとりあえず置いといて、両パターンの印象の違いなんかをチラッと書いていこうかと思います。
「これから月編観るよ」という方は、妙な先入観を抱かないためにもご自分の目で観てから読まれたほうがいいかも。
例によってネタバレするので、そこもご注意ください。
あ、まだ原作読んでません。
月編では工藤スネフェル、小田サリオキス、石田サライだったわけですが、工藤スネフェルは一言でいうと若い。
誰かが言ってましたが、王というより王子という感じがしますね。
いつもイライラして貧乏ゆすりしてるし、より感情的になりやすいような印象でした。
これは、どぅーがあゆみんと違いを出そうとしてのものでもあるでしょうし(逆かもしれませんが)、どぅー本人から滲み出る雰囲気もあるのではと思いました。
そう考えると、やはりどぅーは17歳で、あゆみんは20歳なんだな~という当たり前のことを再認識する感じ。
小田サリオキスは、工藤サリオキスより勇ましい印象。
“勇者”という感じが強かったです。小田ちゃんの声の出し方も、去年のフォースともまた微妙に違って新鮮でした。
石田サライは、サライという役自体そこまでキャラが立ってるわけじゃないので明確な違いは見つけにくいですが、小田サライより頼りになりそうというか、奴隷たちを仕切ってくれそう感w
これも演じる本人たちの個性の違いでしょうかね。
どちらのパターンもそれぞれの良さがありますが、より王道な感じがする太陽編のほうが個人的には好みかな。
まぁ最初に観たのが太陽編(しかも2日連続)だったというのも大きく影響してるとは思いますが。
でもやっぱりね、工藤遥という人は王道の主人公を演じるのが抜群に似合うんですわ。
小田サリオキスの勇ましさも良いんだけど、主人公として印象に残るのはやはりどぅーのほう。
状況に流されて個性を失いやすいキャラを演じて、それでも強く「主役!」という雰囲気を出せるのはどぅーの才能でしょう。
言ってしまえば、キムタクみたいなものです。良い意味で。
どうあっても王道の主役(あるいは準主役)が似合ってしまうオーラを持つ人。
LILIUMでのファルスは王道ではないかもしれませんが、普段はチャラめのイケメンということでハマり役でした。後半は狂気に呑み込まれますが、元々は普通のヴァンプだった(最初からイカレてたわけではない)わけですし。
どぅーがスネフェルを演じると、所々で「あ、イケメン」と思う箇所がありますw
石田スネフェルのほうがもっと不器用で、だけど思慮深く、だからこそより優しさと哀れみを感じるキャラクターでした。
というかもう、今回はとにかくあゆみんのスネフェルが良すぎた。
それこそLILIUMでの工藤ファルスのような覚醒感がありました。
有無を言わさずキャラクターと物語に惹きつけられる芝居。
演じるあゆみんそのものまでより大好きになってしまうような感慨です。
工藤スネフェルのほうは、わりとハッキリ表現してるんですよね、諸々を。
死んだナイルキアを抱擁するシーンのセリフ回しもそうだし、ラストのサリオキスとの戦いでナイルキアを幻視するところもハッキリ「ナイルキア!」と叫んで駆け寄る。
対して石田スネフェルは、セリフで語るというより雰囲気で語る感じとでも言いましょうか。
ナイルキア幻視シーンも、狂気と悲しみで頭おかしくなって酩酊してるようにフラフラ歩きながら「ナイルキアァ……」とつぶやく感じ。あれが良かった。
そういえばいま気付いたけど、工藤スネフェルはあまり笑(嗤)わなかった。
石田スネフェルの哀しい嗤いは、物語の悲劇性を際立たせてくれたような気がします。
そんなわけなので、それぞれがよりハマってたのは太陽編かな~という印象でした。
それに対する別の『ファラオの墓』という意味で、砂漠の月編も大いに楽しみましたけどね。
しかし改めて、主役2人をやってのけたどぅーは凄いよ。
2人の殺陣シーンとかさ、両方の動きやセリフを覚えるわけでしょう?
やってて頭こんがらがったりしないんだろうか。ホント凄い。
1年に1回しかない舞台だけど、ここでだいぶ鍛えられてるんじゃないでしょうか。
今後の女優業の糧になっているのではと思います。
他のメンバーはというと、ナイルキアさんの歌声が素晴らしいですね。
上手いとかそういうのを超えて、凄みすら感じるようになりました。
かつての小田ちゃんを彷彿とさせる。
あとはイザイさんの存在感。
ケス大臣を屠るときの歌も迫力が凄いし、この舞台でかえでぃーの評価がうなぎ登りの予感。
歌といえば、はるなんやえりぽんのソロ歌唱をこんな安心して聴ける日が来るとは……(泣)
ネルラとパビとアリは、相変わらず笑いを取ってくれるキャラです。
この笑い、どうかDVD収録まで持ちますように。
(どうしても後半はリピーターが増えて笑いの場面で笑う人が少なくなってしまうので、DVDではあまり笑い声が載らないことが多い)
ちなみに最後の挨拶では、はるなんとあかねちんが代表して挨拶。(初日と二日目は1人だけだったけど、2人になったらしい)
はるなんは「悲しい場面も多い舞台ですが、明るいネルラが砂漠のオアシスとなってみなさんを癒せればいいなと思います」的なことを言って客から「おおぉ~」という称賛の声が上がり、「はい。上手いこと言えました」
そして「ではいつものやつで締めたいと思います」というから何かと思ったら、「みなさん今日はおうちに帰ってゆっくり寝るラ~!」とか言い出したのでみんな困惑w
するとネルラさん、「ハッ!あたし何言ってんだろ!いまのは忘れて忘れて!」と劇中のセリフを引用して見事にオチをつけておりました。きっと前日に高尾山に登りながら考えたんでしょうね←
あかねちんは、「ルーは15歳という設定で、いままでは7歳の女の子とか50歳くらいの男の人を演じてきたんですけど、ようやく15歳という自分の年齢に近い役を演じることができてやりやすいです」
みんなからは「ルーたん」と呼ばれてるらしい。
ルーたん可愛いよルーたん。
とまぁ、取り急ぎの感想でした。
これでわたくしは今年の娘。舞台観劇は終了してしまったので、あとはみんな最後まで無事に駆け抜けられることを祈っております。
太陽編もっかい観たい……。