感想文の続き。
もう一度書きますが、ネタバレします。
原作は読んでません。
まだ太陽編しか観てません。
その上での感想です。
そういえば今回、初日は2階の最後尾でしたが、二日目はなんと1階2列目の席で観ることができたんですよ。
お譲り頂いたチケットです。
本当にありがたい。娘。舞台をあんな近くで観たのは初めてでした。改めてお礼申し上げますm(_ _ )m
観劇後もいろいろと話ができて楽しかったです。
またいずれ、どこかの現場でお会いする機会がありましたら!(・∀・)
そんなわけなので、すごく俯瞰した視点と、すごく間近な視点、両極端な構図で観ることができました。
では、それぞれのキャラクターについて。
まずはやっぱりスネフェル。
あゆみん凄すぎる。
劇中、スネフェルはよく笑うんですが、それは「嗤う」と書いたほうがいいような嘲笑だったり皮肉だったりする場合が多い。
唯一ナイルキアにだけは優しく微笑んだりもするけれど、彼女を失ってからはまた哀しく、泣くように嗤う。
そんな暴虐の王という難しい役どころを、あゆみんはそれはそれは見事に演じ切っておりました。
なんて言葉じゃ全然言い足りないんですけど、他になんて言ったらいいやら。
とりあえず「観てくれ!」としか言えません。
マジで、あゆみんのスネフェルを見るためだけに池袋サンシャイン劇場行ってもいいくらい。
あゆみんの演技が達者なのは重々承知してたはずなのに、そんな過去の芝居すら超えてくる熱演。
スネフェル自体がとても哀しくて憎みきれない悪役(?)なので、まぁ惚れますよね。これファンも増えたんじゃないかな。
石田スネフェルさん、めちゃくちゃ高いヒールというか厚底ブーツ履いてるんですよ。
それであの階段を上り下りしたり、跳んだり回ったりしてるわけです。驚異的です。
男っぽい仕草――というかスネフェルっぽい仕草も板についてましたねぇ。
なにからなにまで素晴らしい。
“女優 石田亜佑美”をハロヲタしか知らないなんて、人類の損失ですよ。
あ、あと歌声も素晴らしいです。
たまにあゆみんの歌についてネガティブなこと言ってる人がいますが、黙って舞台を観に行けと言いたい。そして腰を抜かせ、と。
きりがないので次に行きますが、どぅーもまた素晴らしい女優。
知ってたけど、改めてその芝居が好きだと認識しました。
というかまず、お顔が綺麗。
二列目で観たとき、「あ~これは自分でエンジェルフェイスとか言っちゃうのも無理ないっすわ」と思いました。まじエンジェル。
どぅーは『LILIUM』以来ほとんど男役ばかりでしたけど、ここまで男役を違和感なくやりきれるメンバーって後にも先にもどぅーくらいなんじゃないかな。
「男っぽい」というより、「中性的」なんですよね。
まさに往年の少女漫画から飛び出してきたようなビジュアル。
美少女にも美少年にもなれる。演技力も言うことなし。
今回のサリオキスもばっちりハマってました。
キャラの個性で言ったらスネフェルに負けそうな役どころなんですが、どぅーが演じるとちゃんと主人公として印象に残る。
良い役者さんになったなぁ。
そういえば、サリオキスとスネフェルは宿敵なわけですけど、意外にも2人が一緒にいるシーンって少ないんですよね。
王と王子として対峙したのは、最後のシーンくらいじゃないかな。
それがまたおもしろい。
あれだけ憎み合っている2人が、実は互いのことをほとんど知らないというのが。
サリオキスがアンケスエンを、スネフェルがナイルキアを、それぞれどれほど愛しているかも知らないまま、最後に剣を交える2人。
あのシーンも迫力が凄かった。
二列目で観たのもあるんでしょうが、2人の気迫と悲しみ、そのぶつかり合いが伝わってきました。
カッコいいんだけど、悲しい戦い。
ナイルキアのチェル、可憐な(だけど芯の強い)少女を見事に表現してました。
安心して見ていられる演技力。
クセを押さえた、伸びやかで透き通るような歌声。
なにより可愛い。
そしてハープの生演奏!
もはや普通に弾ける人みたいになってたけど、めちゃくちゃ頑張って練習したんだろうなぁ。
あの演奏をずっと聴いていたい。今度バースデーイベントとかでまた弾いてくれないだろうか。
フクちゃんのアンケスエンも美しかった。
めっちゃ良い人だったな……。
どうやったらあのカス……じゃなかったケス大臣からあんな素晴らしい娘が生まれるんだ。マリタのほうがよっぽど大臣の娘みたいだったぞw
アンケスエンとナイルキアのシーンはほのぼのしました。
2人が姉妹のように仲良く暮らす未来が見たかった。
フクちゃんも良い芝居をするようになりましたね。(すごい偉そうな言い方してるけど、もちろん素人目線です)
繊細かつ迫力のある歌声にも聴き惚れる。
メインキャラ4人以外で目立っていたのは、かえでぃー演じるイザイだったんじゃないでしょうか。
何を隠そう、最初に全員が出てきた瞬間真っ先に思ったのは「イザイさんカッコいい……」でした。
出番も多いですしね。
イザイさん主役でスピンオフとか作れそうな勢い。
かえでぃーがまたハマり役で、何度か舞台経験もあるから芝居も歌も安心して見ていられる。
そうそう、今回客席降臨の場面が少しあるんですが、二列目で観たとき目の前にイザイさんが来て「うおおおお」と思いましたね。
カッコいいんだけど、黒目がちなお目目が可愛かったです。
そんなイザイさんを慕うサライを演じた小田ちゃん。
サライははっきり言ってそこまで目立つ役柄ではないです。
にも関わらず、見る者の印象に残るのは小田ちゃんの名芝居の賜物でしょう。
イメージで言うと盗賊っぽい仕草が多くて、それが実に上手い。
小田ちゃんはどんな役でもそのキャラクターそのものになりきってしまう才能があると思ってるんですが、今回のような端役でもそれは健在でした。
正直、小田ちゃん以外がサライを演じたらただのイザイの腰巾着みたいに見えてしまったでしょう。
そこをちゃんとサライというキャラとして演じられたのは、小田ちゃんだからこそ。(と言ってもまだ見ぬ月編で演じるのはあゆみんなので、心配はしてませんが)
でもやはり、太陽編では「小田さくらの無駄使い」という感じがしちゃいますねw
まぁ月編で主役やるからいいけどさ。
ビジュアル的には小田サライすごく好き。
酒を飲むシーンでみんなにシカトされて悲しそうだったサライがやっとイザイさんに相手にしてもらえて喜んでるとこ可愛かったです。
まーちゃん演じるユタは、いわゆる狂言回し的なポジション。
『我らジャンヌ』でももちがやった役みたいな感じですかね。
でもあれより出番は多いし、ちゃんと演技もします。
でもなんだろう、どこか不思議な役回りというか、登場人物たちや物語に深く関わるわけではないし、かといって全く関わらないわけじゃないし、真意がちょっと掴みづらいミステリアスなキャラクターではありました。
それが良い意味で作用して、なんていうかユタさん、エロシーだった←
妙に色っぽいのね。
最近のまーちゃん自体色気がすごいからなおさら。
まーちゃん、意外とファム・ファタルとか主人公を惑わす妖艶な悪女とか似合うんじゃないだろうか。
「子供だったあのまーちゃんがこんな素敵な女性に成長してるなんて……(泣)」という感慨もひとしお。
狂言回しなので難しい長台詞が多いんですが、それをちゃんと言えてることもまた感慨深い。
多少聞き取りにくかったり早口になってしまうところはありましたが、歌になると途端に生き生きするところを見るとやはり歌のほうがやりやすいんだろうなぁと思ったり。
色っぽいといえばえりぽん演じるマリタさんも色っぽさはあったものの、とにかく殺陣がカッコよくてその印象が強い。
二列目で観たとき、イザイとマリタが戦うシーンが目の前で繰り広げられてたんですけど、迫力がヤヴァイ。
モーニング娘。の舞台を観てるとは思えませんw
双短刀を使って難しい殺陣だったと思いますが、いやー見事でしたわ。
ザ・悪役なので、悪い顔して高笑いするシーンも多く、新鮮な生田さんを見ることができました。ドSなえりぽんも嫌いじゃない。
あと歌ね。
歌唱指導の新良先生がえりぽんの歌褒めてましたが、確かに良かった。「あれ本当にえりぽん?」とか思ってしまって失礼。
すべてにおいて、去年より遥かに素晴らしかったです。
はるなん演じるネルラはアンケスエンの侍女で、キャラ的には『ごがくゆう』で演じたミラーちゃんに近い。
明るく元気でひょうきんな、良いキャラでした。
アドリブのシーンもいくつかありましたね。
踊り子?のシーンでは、
初日:ものすごい訛ってる踊り子のセリフに対して「癖が強い」
二日目昼:幼稚園児みたいな舌ッ足らずなセリフに対して「よく言えましたねぇ~」
でした。
悲惨な物語のなかで、笑いを取ってくれる貴重なキャラです。
ちょっとディズニー映画っぽいソロ曲も上手く歌えてました。
はるなんの声はああいう歌がよく合う。
それと、客席降臨して間近に来たとき、「顔ちっちゃ!」と思いました。小ぶりなメロンくらいしかない。
笑いといえば、よこやん演じるパビですよ。
お調子者でとにかく可愛いんですけど、今回一番爆笑をさらっていったのは間違いなくパビ。
おいしい役だわーw
よこやん自身の妹キャラとも相まって、実にハマり役でした。
よこやんもまた、それを堂々と演じる姿が頼もしい。
13期はふたりとも、初舞台にしてそれぞれの個性に合った良いキャラをもらいましたね。
やっぱり少しはアドリブとか笑いとかがあったほうが嬉しいな~とも思いました。
去年はそういうの全然なかったので。
そんなパビといつも一緒にいるアリは、出番そのものは決して少ないわけじゃないんだけど、キャラとしてはちょっと弱いかなぁという印象。
真莉愛ちゃんは達者に演じてましたけどね。
でもどうしても笑いはパビに持っていかれるし、強さやカッコよさはサリオキスやイザイに持っていかれるので損な役回りだったかも。
これもまた「牧野真莉愛の無駄使い」という気はするw
来年は主役級の役が来てほしい。
絶世の美少女ヒロインとか間違いなくハマると思いまっせ。
(今回も、ビジュアルだけに限って言えばナイルキアがハマってたと思う)
あかねちん演じるルーはスネフェルの側近なんですけど、「あ、こんなキャラなんだw」とちょっと驚きました。
あのスネフェルによくそんな態度をとれるな……という、謎の大物感。(たぶん小物なんですけどね)
とりあえず、無駄に露出の高いおみ足に気を取られないようにするのが大変。
はーちん演じるジクは、キャラの印象としては弱いけどそこそこ出番は多いです。
なぜか一人だけエジプトというよりギリシャっぽい衣装w
考えてみると、はーちんってこれまで男役しかやってないんですよね。(スワスワは別として)
どっちかといえば女役のほうが合うと思うんだけどなー。
今回も頑張ってましたけど、一度「これぞ」というハマり役を与えてあげて、自信をつけてほしいなと思ったり。
客演は、去年に引き続き元宝塚の汐月しゅうさん、そして初参加となる元宝塚の扇けいさん。
去年は悪役だったしゅうさん演じるメネプ神官はとても良い人で、メンバーにも慕われているしゅうさんが演じるとより優しさを感じます。
凛々しくも暖かい神官でした。
対して扇さん演じるケス大臣は、「てめぇこの野郎……」と拳を握りたくなるような悪役。
しかしまぁ、元宝塚の方にこんなこと言うのも失礼かもしれませんが、さすがでしたわ。
セリフも歌も迫力が凄い。特に歌ね。痺れる。
あんな見目麗しい容姿からは想像もできない気迫でした。
アンサンブルまで書くときりがないので、申し訳ないけどまとめて。
今回はモブのほとんどをアンサンブルが演じてくれて、だから娘。13人のキャラクターとその印象がブレずに残ったな、と思いました。
メインキャラやって急いで着替えてモブもやってまた戻って……というのは忙しないですしね。
ももひめちゃん小さくて可愛らしかったな。
高瀬ちゃんもまた、モブをやらせるにはもったいない逸材なんですよね。
劇女の石井ちゃん、大人っぽくなったな~。などなど。
(正直、初日は2階最後尾だったので、誰がどれやら全然わかりませんでしたw)
あとはアレだ、音楽。
今回も音楽が素晴らしいよ。
やっぱ和田さんの作る曲、好き。
和田さんの曲って意外とスルメ曲だと思うんですよ。
初めて聴いたときも「良い」と思うんだけど、聴けば聴くほど良くなっていく。
帰ってからサントラ聴きまくりです。早く完全版が欲しい。(今年もDVDに付いてきますよね?)
まぁそんな感じで、とりあえず太陽編を二回観た感想でした。
本当に、モーニング娘。の舞台は素晴らしい。
きっと他のどんな舞台を観ても、ここまで心が満たされることはないでしょう。
自分が娘。ヲタだからという前提ではありますが、それでもこうして毎年期待以上のものを見せてくれるんだから凄い。
頭が下がります。
みんな本当に凄いよ。この凄さを世界中の人に知ってほしい。
彼女たちの血の滲むような努力と、溢れんばかりの才能が、もっともっと知れ渡って、報われてほしい。
そういう面でも、観てて泣けてくる。
娘。ヲタでいることの幸せを噛みしめました。
本にしろ映画にしろ、フィクションというものが好きな自分にとっては、同じく大好きなモーニング娘。がフィクションを演じてくれるこの空間が本当に好きなのです。
「夢のよう」と言っても大げさではないくらいに。
今年もそんな時間を味わうことができて感無量です。
あともう一回、今度は月の砂漠編を観られることが嬉しい。(来週行きます)
そんなわけで、長々と失礼しました。