モーニング娘。'17主演の舞台『ファラオの墓』、初日と二日目の「太陽の神殿編」を観劇してきました。

 

 

 

早速、前置き抜きで感想などを。

 

 

ネタバレ云々はどうしようかな~と迷ったんですが、ネタバレしないとほとんど感想が言えないことに気づいたので、ネタバレします。それはもう、がっつりネタバレします。

 

 

これから観る予定の方は、もしお読み頂けるのであれば観劇後のほうがよろしいでしょう。

ネタバレくらいでおもしろさが減じる代物ではないですが、やはり新鮮な気持ちで観るのが一番だと思いますので。

 

 

 

ちなみにわたくし、原作は未読です。

これを書いてるいまも未読の状態なのでご了承ください。

 

 

それと、まだ「太陽の神殿編」しか観てないので、そちらだけの感想です。

 

 

 

 

では、以下ネタバレ感想。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観劇直後の感想としては、

 

 

「重いよ……」

「悲しいよ……」

 

 

という気持ち。

 

 

いやホント、メインキャラ誰も救われないじゃないかよ。

なんなのもう(泣)

 

 

ストーリーの軸は4人の恋愛模様にあるんだけど、その背景には大きな戦いがある。

戦いのあるところ、悲劇が起きるのが世の常。

とはいえこれはあまりにも救われない。これがアイドルのやる舞台か!(ここまで全部褒めてます)

 

 

 

 

結局、喜んだのはイザイさんだけなんじゃ……。

そのイザイさんも、忠実な部下であるサライを失ってしまったわけですが。(さらっと描写されたけど、これわりとショックだった)

 

 

 

まぁ大体みんな気の毒なんですが、スネフェルは哀しい男ですよ。

 

 

暴虐の王が、やっと、生まれて初めて心から愛する人ができたのに、その人を自らの手で殺めなければならなくなってしまった。

 

 

もしもスネフェルが本当に残酷で自分勝手なだけの暴君であったなら、処刑のシーンでも「法律なんか知るか!」と言ってくそったれなケス大臣を屠り、ナイルキアを救って自分のものにすることができたかもしれない。あるいはナイルキアをあっさり見捨てて、悲しみを感じることもなかったかもしれない。

でもきっと、スネフェルがそんな人間だったら、ナイルキアは彼を愛することもなかったでしょう。

 

 

いつも周囲をギラついた目で睥睨しているスネフェルが、唯一ナイルキアの前でだけ優しく微笑む。

ナイルキアも最後、これから死ぬというのに、スネフェルに優しく微笑んだ。

 

 

互いに相手を心から愛しているのに、どうしてこんな悲しい運命が待ち受けているんでしょうね。

ナイルキアの亡骸を抱いて慟哭するスネフェルの声があまりにも悲痛で、泣きました。というかそのシーン全般泣きました。いまもサントラの『永遠の愛』を聴くと泣けてくる。

(どちらかというと、二回目に観たときのほうが泣けた。行く末を知っているだけに、いろんなシーンが切ない)

 

 

 

 

サリオキスとアンケスエンもね、結局こっちも死に別れですやん。

 

 

ヒロインたちのあの自己犠牲精神なんなの……。

 

 

ある意味とても強い。

男どもよりずっと強い。

 

 

ナイルキアもアンケスエンも、結局死んじゃったからもちろん気の毒ではある。

でも2人とも望み通り、自分の愛する人の手で逝くことができた。

月並みな表現ですが、そういう意味では幸せだったのかもしれない。

 

 

逆に男は、愛する人を自分の手で殺めることになった。

 

 

死んだ者のほうが幸せだなんて、なんと悲しいことよ。

 

 

 

 

でもこれは戦乱の世の物語。

仮にアンケスエンが生きていたとしても、サリオキスと幸せに暮らしていくことは難しい。なにしろ砂漠の鷹側にとっては敵国の王妃。命を取られなければ万々歳というところ。

仮にナイルキアが生きていたとしても、敵国の王女でありサリオキスの妹であることは事実。こちらも、スネフェルと結ばれて幸せに暮らしていくことは難しい。

 

 

戦乱の世にあっては、はじめからどう転んでも結ばれるさだめにはない4人だったなんて。

 

 

 

同じ4人の男女の恋愛物語でも、『トライアングル』とは正反対の結末ですね。

あっちは幸せだったなぁ(遠い目)

みんなアルファ星に行けばいいんだよ……。

争いのない星にさ……。

 

 

 

こういう悲劇とかバッドエンドとか、好きか嫌いかと聞かれれば大好物だと答えます。

でもなんでしょうね……大好物なんだけど、悲しいわぁ。

 

 

 

メンバーみんな、こんな重い話をよくやりますよホントに。

 

 

演じるといっても、彼女たちは本気でそれぞれの役になりきってるわけです。

作中の悲劇は、そのまま重くのしかかってくる。だからこそあれだけのものを見せられるのでしょう。

 

 

それが舞台期間中、何度も続くんだからねぇ。

 

 

あと何度、我が身を捧げなければいけないのか。

あと何度、ナイルに殉じて争いを止めなければならないのか。

あと何度、愛する人を自分の手で殺めなければならないのか。

 

 

考えただけで放心しそう。

1日3公演とか狂ってるよ。というか狂っちまうよ。

 

 

特にどぅーは、似て非なる2人、サリオキスとスネフェルを交互に演じなければならないわけで、よく正常な精神状態でいられるなと驚嘆するばかりです。

 

 

今回、殺陣もたくさんあって体力的にも大変そうですが、精神的にもキツそう。

事務所さん、せめて1日2公演までにしてやることはできんかね。

代わりに公演日数を増やせばいいじゃない。舞台で1日3公演なんて、ハロプロ以外で聞いたことねぇよ。(ないわけではないらしいけど、まぁ基本2公演ですよね普通)

 

 

 

 

 

 

それと、終わり方について。

 

 

わりと唐突に終わる感じではあるんですが、まぁあれ以上どうすることもできないだろうし、妥当かなとは思いました。

 

 

脚本の清水さんは、「原作の舞台化不可能な部分は場面はスルーして、4人の恋愛模様だけを抽出した」とパンフレットで言っていて、そうなるともう2人のヒロインが死んだ時点でこの物語は終わりということなんでしょうね。

 

 

サリオキスはやがてファラオの王になってエジプトを統治していくけど、そこはこの物語の軸ではない、と。

 

 

スッキリはしませんが、どうあってもスッキリ終わるなんて無理な物語ですよね。

 

 

去年に引き続き今年も、「戦争はいかんよ……」という気持ちが強くなる舞台でした。

 

 

 

 

できればもう少し両カップルの恋愛模様を描いてほしかった気もしますが、戦いや陰謀の描写もしなくちゃならないし、2時間以内という制限のなかでは難しいのでしょう。

よくまぁこれだけちゃんとまとめたな、という称賛の言葉を送りたいです。

 

 

 

 

 

 

最後、挨拶をして袖にハケるとき、サリオキスとアンケスエンは手を繋ぎ、スネフェルはナイルキアの肩を優しく抱いて退場していく様子が微笑ましくも切ない。

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに最後の挨拶(去年の同じ方式)は、初日は石田スネフェルさん。

「普段モーニング娘。としてたくさんの人に愛して頂いているので、誰にも愛されないスネフェルという役は難しかったです」的なこと。

 

 

二日目昼は小田サライさん。

「サライはイザイさんの下で働いてて、イザイさんのことが大好きで仕方ないんです。最後マリタに殺されちゃうんですけど、イザイさんが『サライー!』って叫んでくれて、それだけで幸せです。イザイさんの下で働いててホント良かったって思えるんです」的なこと。

 

 

 

 

 

 

 

さて、物語についての感想はとりあえずこのくらいで。

(あとでまた書くかもしれませんが)

 

 

 

メンバーそれぞれの役柄についても書こうと思ったけど、長くなるので次の更新にて。