ひとつひとつ、しっかりと感想を書くのがめんどいので、最近読んだ本を一気にご紹介。
 
 
 
 
 
『ジョーカー・ゲーム』などのシリーズでおなじみの著者が、初期に発表した本格ミステリ。
主人公はなんとあのチャールズ・ダーウィンで、まだ『種の起源』を書く前の青年である。
史実に則った部分も少なからずあり、ダーウィン一向がガラパゴス諸島に到着し、そこで起こる殺人事件が描かれる。
 
 
ダーウィン先生による生物の薀蓄は興味深いし、ミステリ的にも悪くない。
ただちょっと展開がくどいようにも感じ、ワトソン役が作者の都合でおバカさんに描かれているのもどうかと。
この著者には、やはりジョーカーシリーズのようなシャープさが好ましい。
いやまぁ、普通に面白かったですけどね。
 
 
 
 
 
 
久々のラノベ。
といっても、いかにもラノベ然とした内容ではなく、サイコサスペンスのような単発ミステリ。
 
 
これがデビュー作とのことだけど、標準以上の面白さ。
普段ラノベを読まない層でも楽しめるんじゃないでしょうか。
この内容で、主人公の一人称ではなく三人称で書かれてるところもポイントが高い。
 
 
 
 
 
 
ラノベの次は、日本SFの巨匠の短編集。
「歩み去る」
「劇場」
「雨と、風と、夕映えの彼方へ」
「氷の下の暗い顔」
の四編が収められている。
 
 
巨匠、さすがのクオリティ。
SFの原初的な神秘と興奮がここにはある。滅びゆくものへの哀切も。
もうこういうSFは書かれないのだろうか。最近のも嫌いじゃないけどさ。
ちなみに紙の本はとっくの昔に絶版なので、↑には電子書籍版を貼っておきました。
 
 
 
 
 
 
 
《百鬼夜行シリーズ》第五弾。
市中の目潰し魔と、聖ベルナール女学院の絞殺魔。複雑に絡み合ったふたつの事件は、すべて絡新婦の奸計なのか。
 
 
1月に読んだけど、早くも今年度ベスト1の大傑作。
いわゆるレンガ本というやつで、文庫にして1400ページの大長編。(四分冊されたバージョンもあります)
なのでとても一言で感想を言い切れるものではないけども、ちょっと人が死にすぎじゃありませんか。京極堂や榎木津、木場まで現場にいながらみすみす死なせるとは……。
特にあの子が憐れでしょうがない。久々にフィクションで落ち込みましたよ。
ここから読んでも問題ないけど、過去の事件や登場人物に言及する描写も結構あるので(彼女の名前が出てきたのには驚いた)、シリーズ順に読むのがよろしいかと思います。というかこれを読んだらどうせ読みたくなるから。
 
 
いろんな意味で精神にきたので、これのあとしばらく他の本が読めなくなりましたw
 
 
 
 
 
 
 
最後は翻訳モノ。
20年前に単行本で出ていたものに、新たに2編を追加して文庫化。
 
 
帯には「モダンホラーの極北」と書いてあり、確かにそんな感じの短編集。
もう少し正確に言うと、怪奇小説寄りのストレンジフィクションといった雰囲気。
不気味だけどはっきりしたオチはなく、だけどなにか薄ら寒いモヤモヤが残る。
 
 
 
 
 
 
というわけで、とりあえず5冊ほど。