ハロヲタ暦16年目のヲタの意見としては、歌やダンス等のパフォーマンスはもちろん上手いに越したことはないけども、そうじゃないのもまたそれはそれで魅力なんだけどなぁ、と思ったりもします。

 

 

そう言うと、実力至上主義なヲタクから「下手くそなメンバーを擁護する盲目ヲタ」とかなんとか叩かれそうですが、それもちょっと違う。

むしろそっちこそ「実力主義が行き過ぎてスキルが高いメンバーのことしか評価できない盲目ヲタ」に思えるよ?と言いたい。

 

 

 

 

 

最近娘。の曲を聴いて、小田ちゃんの歌の上手さに惚れ惚れしました。

 

 

そういう(上手い)メンバーが誰かしらいなくちゃ駄目なんだけど、必ずしも全員がそうでなければ絶対にいけないかというと、そうでもない。

 

 

小田ちゃんのような、誰が聴いても上手いと思える歌を歌える子もいれば、ソロパートでファンがハラハラしながら見守るような、歌が苦手な子もいる。

長年モーニング娘。を応援してきた身としては、そういう状態が普通というか当たり前というか、だからこそ楽しいんだよと思うんですが、みんなはそうじゃないんだろうか。

 

 

それに、歌やダンスが苦手でも別の分野(演技とかトークとかビジュアルとかその他いろいろ)で才能を発揮する場合もあるわけで、メンバーに合格したからには何かしらの魅力は絶対にあるんですよね。

 

 

もちろん「下手でいい」というわけではないですが、彼女たちを見ていれば常に努力して上手くなろうと頑張っているのはわかるはずで、だったらそれを見守ろうよ応援しようよ、という気持ちでいます。

 

 

歌やダンスが上手い子も下手な子も、その現状に甘えているメンバーは誰もいない。

みんな常に上を目指している。大事なのはそこでしょう。

 

 

 

 

そしてそれこそが、アイドルというものの、他にはない魅力でもあります。

 

 

ただ上手い歌を聴きたければ、他の(アイドルではない)アーティストの曲を聴くのがよろしい。

 

 

なぜそうせずにアイドルの歌を聴くのか――そこをちゃんと忘れなければ、過剰なまでの実力主義に陥ることもないはずです。

 

 

行き過ぎたスキル厨(ちょっとでも歌が下手だとすぐ叩く人々)のみなさんは、世の中にはあなたの好きなアイドルよりもっと歌の上手い歌手がたくさんいるのになぜそのアイドルを応援しているのか、それを改めて考えて頂きたい。

 

 

さすれば、スキルにばかり囚われていることの馬鹿馬鹿しさに気付くでしょう。

 

 

 

 

 

最近のハローとハロヲタがこうも実力主義に傾いている理由としては、やはりプラチナ期の存在が大きいのではないかと推察します。

 

 

あの時期、確かに我々はモーニング娘。の、アイドルとは思えないスキルの高さに驚喜し、「これこそハロプロの強み」と吹聴しました。

 

 

その風潮はプラチナ期が過ぎ去ってからも(というかむしろ過ぎ去ってからのほうが)弱まることなく拡大し、娘。に限らずハロプロ/ハロヲタにとっての矜持として根付いていきましたよね。

 

 

それは事務所も同じ。

元々パフォーマンスに妥協はなかったと思いますが、メンバーに課すレベルは年々高くなっていきました。

 

 

 

 

ただ。

 

 

 

それはそれで悪いことではないんですが、プラチナ期というのはあくまで、長いモーニング娘。の歴史のなかのほんの一コマでしかないということを忘れてはなりません。

 

 

おまけに、歴史を俯瞰して見れば、あの時期は娘。にとってかなり異質だったと言ってもいい。

 

 

決してあれが普通ではないし、基準でもない。

むしろかなり特異な、レアケースな時期でありました。

 

 

であるから、プラチナ期を「モーニング娘。の基準」として見てしまうと、スキル厨的には“その後”のモーニング娘。が物足りなく思えてしまうのかもしれません。

 

 

でも違う。

それはモーニング娘。の全体ではなくて、モーニング娘。のとある一時期でしかない。

 

 

モーニング娘。は常に進化/変化している。

 

 

その意味を、本当にわかっているでしょうか。

 

 

進化も変化も、要はどちらも“変わる”ということですが、変わるということは、過去と同じではないということです。当然ながら。

 

 

そもそも、常に進化/変化しているモーニング娘。に、基準なんてものは存在しないんですよね。

 

 

そのときその状態が、いつでも“モーニング娘。”です。

 

 

決して安定はしていない。

良くもなれば、部分的に悪くなることもある。

(メンバーが入れ替わってるんだから当然ですが)

 

 

でも総体として、いつ見てもおもしろい。

 

 

いままでずっと、どんなに形が変わっても、これだけ多くのファンに支持されてきたという事実を鑑みれば、それは明白です。

 

 

これは昨今の実力主義とは相容れない性質ではありますが(だから娘。を叩く連中も出てくる)、自分としては、そんなモーニング娘。だからこそ16年も応援してこれたんだと思いますし、きっとこれからも応援していくことでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

みたいなことを考えていたところに、ビルボードのインタビュー記事がきたので遅ればせながら読みましたよ。(ここからが本題)

 

 

http://www.billboard-japan.com/special/detail/1731

 

 

インタビュー冒頭で、小田ちゃんが似たような意味のことを言っていたのが嬉しかったです。

 

 

これもグッときました。

 

 

常に何かがあって、本当にストーリーのあるグループじゃないですか。そもそもオーディションに落ちた人たちによって結成されてる時点でドラマティックですし、センターの子が卒業したり、そこに新しいメンバーが入ったり、その中で危機に直面する状況もあって、でも私はそれすらも「あ、またモーニング娘。が危機的状況になってる! この先はどうなる?」って楽しんで観てほしい。私たちも常に今と直面していて、不安定な時期もあるし、でも「それでも支えてくれた人がいたよね」「それでも観てくれた人がいたよね」「それを乗り越えての今だよね」っていう経験をしてきてるので、ファンの人ともそれを共有したいし、どうにかして私たちについてきてほしいです!

 

 

モーニング娘。のファンとして、どんなモーニング娘。でも支え、応援できるファンでありたいと改めて思います。

 

 

 

 

またしても小田ちゃんからの引用ですが、これもうんうんと頷きながら読みました。

 

 

余裕を持っている訳ではないんですけど、私たちは私たちだと思ってる。「比べないで!」とは思わないですし、比べてもいいんですけど、結局は比べられるものではないので。譜久村さんのマネをしている人、石田さんのマネをしている人……っていう11人と勝負したらソレは比べる対象になりますけど、違う人が違うことをやっているんだから、私たちは私たちが出来ることをやって、それこそ上辺のものを作らなければ、大丈夫なんじゃないんでしょうかね?

 

 

「結局は比べられるものではない」ということを理解しているヲタが、いったいどれだけいるでしょうね?

 

 

「自分の推しグループは娘。より上だ」と思いたいがために、安直に比べて悦に入っているようなヲタには一生理解できない真理かもしれません。

 

 

 

 

小田ちゃんに限らずみんな、若くてもやはりプロだなぁと思うのはこんなときです。

 

 

冷静で、客観的に自分たちのことを把握できている。

 

 

これができなければ、どんなジャンルでもプロにはなれないでしょう。

 

 

最初からなのか、メンバーになってから覚えていったのかはわかりませんが、みんなちゃんとそれが出来ていて感嘆します。

いや、「ちゃんと」なんてものではなく、尊敬すべきレベルですね。

たぶん、その辺の年上の社会人よりよっぽど出来てますよ。さすが厳しい芸能界で生きてるだけのことはある……。

 

 

 

 

まーちゃんが、モーニング娘。の立ち位置についてこんなことを言ってましたが、

 

 

モテてる男の子と女の子がいて、優樹たちは男の子と女の子のどっちからもモテる女の子だなー。ぐらいですかね。

 

 

意味がわからないようでいてなんかわかる。

よく考えたらわからないんだけど、でもなんか、わからなくはないw

 

 

 

余談ですが、まーちゃんは言葉というものに汚されてないんだなーと最近思ったんですよ。

 

 

自分のなかの気持ちを、ありのままの姿で保存できているのかなと。

言葉を覚えてしまうと、その気持ちを言葉に還元してしまい、そうなるともうそれは不純なものになってしまいます。

 

 

自分の気持ちを100%相手に伝えるのが不可能なのは、そういう理由。

言葉にしてしまった時点で、それは「言葉」という形に歪められ、果汁で言ったらせいぜい50~60%くらいしか抽出できないものになってしまう。

 

 

まーちゃんは言葉をあまり知らない分、気持ちが言葉に汚されていない。

(その代わり、他者はその意図を汲むのが大変w)

 

 

でもまーちゃんも芸能界で5年以上過ごし、徐々に大人になってきたので少しずつ言葉に浸食されているんだろうなぁと思うと若干哀しいですが、こればっかりはどうしようもないことなんですよね。

社会で生きていくには、ずっと子供のままではいられないのですから。

 

 

 

 

と、インタビューとは関係ない話をすみません。

 

 

あとはそう、みんなつんく♂さんのこと好きだなー!というのが伺えたのも嬉しかったですね。

 

 

プロデューサーじゃなくなっても、心の支えはつんく♂さんなのかな。

アーティストとしても尊敬しているのでしょう。音楽を生業とし、ステージに立っている彼女たちだからこそわかる、つんく♂さんの凄さというものを。

 

 

 

 

それと、舞台というのはライブとはまた違った良い経験になってるんだなというのも伝わってきました。

 

 

今回は、11人全員で出演できたのも大きかったのかも。

 

 

来年もぜひそうしてほしいと思う一方で、そうやってグループのことを考えて作ることが、必ずしも舞台作品のクオリティアップに必要かどうかという問題も無視はできません。

 

 

無理にでも全員を出すことで、作品のクオリティが下がってしまったら?

(個々の実力がどうこうではなく、物語を歪めてしまうという意味で)

 

 

その辺は難しいところですよね。

一番良いのは、全員出ることがその作品にとってベストな形になることなんですが。

 

 

 

 

 

 

とまぁそんな感じで、興味深いインタビューでした。

 

 

 

長々とすみません。

いつものことですけど。(反省してない)