久住四季 『星読島に星は流れた』

 

 

 

 

 

 

天文学者ローウェル博士は、自分の住む孤島で毎年、天体観測の集いを開いていた。ネット上の天文フォーラムで参加者を募り、招待される客は毎年、ほぼ異なる顔ぶれになるという。この集いへの応募が毎回凄まじい倍率になるのには、ある理由があった。招待客たちのあいだに静かな緊張が走るなか、滞在3日目、ひとりが死体となって海に浮かぶ。犯人は、この6人のなかにいる──。奇蹟の島の殺人事件を、俊英が満を持して描いた快作長編推理、早くも文庫で登場!(Amazonより)

 

 

 

 

ライトノベル出身の著者による、オーソドックスな孤島ミステリ。

 

 

あっと驚く大仕掛けがあるわけではないけど、上手くまとまった良品と言えるんじゃないでしょうか。

 

 

 

一般文芸として刊行された本とはいえ、キャラや文章は良くも悪くもラノベ。

そのせいか、語り手の主人公は妻子持ち(でも共に故人)で三十五歳の医者なのに、読んでると二十歳そこそこの学生のような印象を受ける。

 

 

読みやすい分、軽すぎるきらいがあり、ところどころこっぱずかしい描写があるのはご愛嬌か。

 

 

隕石や天文に絡めたミステリーとして、まあまあ楽しく読めました。

 

 

 

 

でもこの内容で、しかも単行本から2年と経たずに文庫化してしまうなら、最初から文庫書下ろしで出してもよかったんじゃないか……とは思った。