終わってしまったのが寂しいのでまだまだ『続・11人いる!』の話を書くブログ。



観てない方は置いてけぼりな内容で申し訳ない。


でも観た者として、しがないヲタブロガーとして、感じたことを書き留めておきたいのです。





さっきは千秋楽EASTのことを書いたので、今度は全体の総括的なやつを。




今回の舞台は、観た直後はもちろん、観てから数日経ってさらにじわじわ好きになってくる物語だなぁと思いました。


どんどんみんな(キャラクター)のことが好きになる。
そして、細かい部分のこだわりや違いも見えてきて、それが物語にも深みを与える。



なにより、ダブルキャストですよ。


観る側もある意味大変だけど、演じる側はもうとんでもなく大変なんだろうなぁと素人でもわかるこのシステム。


でもそのおかげで、二倍以上に楽しめたと思います。


単純に「ひとつの役を二人が演じてくれて(ヲタ的に)お得」でもあり、「演じる人によっての違い」が足し算ではなく掛け算的な魅力の増大に一役買っていました。


よく観ると細かいところが微妙に違っていて、感情の発し方が違ってたり、ある場面でWESTでは激しく踊ってたけどEASTではゆっくり舞うように動いてたり、そんな違いもまた興味深い。



EASTとWEST、どちらが良いかはもう選べません。


東京初日を観たあとの感想では「強いて選ぶとすればEAST」と書きましたが、二回目に観たWESTが(初日以上に)たいへん素晴らしく、そうかと思えば千秋楽で観たEASTもやっぱり良くて、ああこりゃダメだどっちも好きすぎると言うほかない。


前にも言いましたが、今回の舞台は観た人によって「どのポイントが好きか」が結構分かれるような気がします。


それだけ、どちらの公演も配役もそれぞれ違った魅力があったということなのでしょう。





改めて、工藤・石田・小田の三人の演技は文句のつけようがない。絶賛しか出てこない。


この三人で主役二人を回したのも頷けます。
舞台の内容に関わらず、三人の演技を観るという目的だけでも喜んでお金を出せる。


小田ちゃんは今回、「モーニング娘。に入って初めてこんなに自信を失った」的なことを言ってましたね。
でもそんな血の滲む苦労を(良い意味で)感じさせないほどのものを見せてくれたと思います。
もっともっと小田ちゃんの演技を見たい。本人大変かもしれないけど、女優・小田さくらをもっと見たいですハイ。


どぅーもあゆみんもそうだけど、小田ちゃんも演技の才能あるよね。(と素人が言う)


そう言ったら小田ちゃんは「才能があったらもっと凄いはず」と卑下するかもしれませんが、とはいえ全然才能がなかったら同じ分だけ努力してもあの芝居はできないでしょう。


「才能」が違うなら、「素質」と言い換えましょうか。


なんにしても、頑張った結果あれだけのものを見せられるのであれば、観客としてはブラボー!と称賛を送りまくりたいです。



どぅーの女(ではないけどほぼ女)役と、あゆみんの男役も素晴らしかった。


個人的には、どぅーは(男役のタダは安定のクオリティとして)フロル役の新鮮さが印象的でした。
どぅーがあそこまで溌剌としたキャラクターを演じたのって、『ステーシーズ』以来じゃない?


あゆみんは、どちらかといえばタダ役が好き。
これまでの舞台では感情を思いっきり表に出すタイプのキャラクターが多かったけど、今回は口数がそう多くない、劇中のセリフで言えば「重要なことになると黙る」キャラを演じたことが、これまた新鮮で良かったです。






そして今回、これまでになく注目を浴びたのが、バセスカ役のふたり。


ふたりともどうやら、ヲタの評価としてはあまり演技には向いてないと思われていたようですが(自分はそうは思ってなかったけどね。いやホントに)、そんな評価も一気に覆りました。


このふたりにバセスカを任せた人に、グッジョブと言いたい。


ほとんど主役と言っていいバセスカを、こちらの期待以上の熱量で演じ切ってくれた。


それぞれのバセスカの、気高さ、王としての誇り、矜持、そして弱さ。


同じ役なのに同じでない。でもまったく違うわけでもない。
そんな難題をふたりは見事にクリアして、最高のものを見せてくれたと思います。


フクちゃんの演技には、「やっぱりフクちゃんはここまでいけるんだ……!」と確信にも似た感動をもらいました。
いやぁ、いまのフクちゃんならこれくらいやってくれると思ってたんですよ。でも、そんな期待以上のもの見せてくれて、とても満足です。惚れ直しましたリーダー。


まーちゃんの演技には、「まーちゃんが……あのまーちゃんがよくぞここまで……(泣)」という感動を。
いや、去年の『トライアングル』のダイスでも、「お、これは思ったよりいける。もしかして主役級の役でもこなせるのでは?」とは思ってました。
そんなところに今回のバセスカ役。かなり期待して観ましたが(不安もちょっとだけあったけど)、こちらも期待以上で、もうひたすら圧倒されるばかりです。


“舞台と観客”という面でも、“アイドルとファン”という面でも感動。
言葉通り、感情を動かされました。



まーちゃんなんて特に、普通の日本語でさえ怪しいのによくあんな難しい言葉や長台詞を覚えて、役として昇華して演じられたもんだ。


こう言ったら本人嫌がりそうだけど、まーちゃんの演技ももっと見たいよまーちゃん!





舞台が久しぶりだった生田飯窪のサブリーダーズも良かった。


えりぽんはやはりレッドでしょうかね。
あの赤毛と、殺陣。


殺陣良かったなぁ。
敵があと10人くらい出てきてくれて、ひたすら斬りまくってほしかった。
本人も殺陣が好きって言ってるし、今年も殺陣道やったらどうでしょう。
台詞はちょっとぎこちない部分もあったけど、4年ぶりだからそこはしょうがない。



はるなんは元々演技には定評がありましたが、アテナイではその美しい佇まいを、ローンでは「叔父さん」と「和平使節団」という役どころを上手く演じてくれてました。
飯窪ローンが帽子を手で押さえながらダッ!って駆け出すところ好き。





12期もまた去年より出番の多い芝居に挑戦し、個人的に印象に残ったのはチェルとまりあちゃん。


チェルはすでに演技力は認められてた気がしますが、「やっぱりいいね!」と思わされました。歌もめっちゃ良かったよ。完全に歌唱メンじゃないすか。


まりあちゃんは、意外……と言ったら失礼ですけど、「あ、こんなにいけるのか」と正直驚きました。演技も歌も。
なにより抜群に美しくて、ただそこに立っているだけでも尋常じゃないオーラを発してるんですよね。あの特異な美貌は、物語という世界の中でもたいへん映える。


あかねちんは男役、それも片方は高齢の男性役を演じて苦労したと思いますが、努力の跡が感じられました。
ねちんの石頭、結構好きよ。


はーちんはやっぱりトマノかな。最初はちょっとぎこちなかったけど、二回目に観たときはちゃんとトマノになってた。千秋楽WESTではアドリブで泡沫サタデーナイトの振り付けも入れて笑いをとってたみたいです。
ローンはちょっと栄養失調気味に見えたのでw、今度は病弱でかよわい女の子役とかやらせればハマるかも。





つばきファクトリーと研修生と演劇女子部のみんなも、初日のレポに書いた通り素晴らしく。


こうして舞台に立っているのを見ると、愛着も湧いてきますね。
みんながこれからさらに活躍していきますように。



元宝塚のおふたり、しゅうさんとのえるさんがいたことも、この舞台をさらに良いものにしてくれたことでしょう。


ほとんどが十代の女の子たちのなかで、本当の大人の(そしてベテランの)貫録を示してくれたのは大きかったはず。
普段ハロプロばかり見ている自分としても、新たな刺激をもらいました。いやカッコよかったです。痺れました。


マニアックなところを言うと、ゾンブルが「ヌフハハハハハハ!!!」って高笑いしながら舞台に上がってくるところが好きです。これ以上ないくらい完璧な悪役の高笑い!






あとはそう、音楽も素晴らしかったんですよ。


サントラには三曲しか収録されてませんが、ぜひDVDには全曲収録のサントラをつけてほしい。


全体のテーマソングである『東の地平・西の永遠』は、もう反射的に泣ける。
ちなみに原作の最後のページに書いてある言葉がそのまま歌詞になってたりもするんですよねこれ。


バセスカとフォースのシーンでも、音楽がかかった途端に熱がほとばしります。
あのシーンは、演者の芝居はもちろん、素晴らしい音楽があったからこその迫力でした。


他にもオリエンタルな雰囲気のアリトスカソング(勝手に命名)とか、ドゥーズの集団がキレキレに踊る曲とか、オナの神秘的なあれとか、バセスカを殺せ!とか、もう一度聴きたい曲がたくさん。


さすがの和田さん作曲。
またぜひ劇女の舞台に提供してほしいですね。









というわけでまぁ、終わってしまいましたよ。


DVDの発売はまだかしら!?(まだだよ


例年通りなら9月ごろに出るでしょうか。待ちきれねぇ。四回も観たのに。



今回はリリウムやトライアングルに比べてシンプルなプロットの物語で、最初はそれが少し物足りなかったのも事実です。


しかしなんでしょう、時が経つにつれてこの物語が/キャラクターがどんどん好きになっていく。


さっき改めて原作を読み返してみて、ああこれをモーニング娘。が演じたんだよなぁ……と感慨深い気持ちになりました。


思い返すほどに愛おしくなってきます。


うん。良いもの見せてもらいました。





年に一度の娘。の舞台。
個人的にはコンサートと同じか、それ以上に楽しみにしてるやつ。


モーニング娘。が年に一回しか舞台やらないとか、もったいなさ過ぎじゃない?
あれだけ芝居ができて歌えて踊れて、みんな若くて可愛い女の子の集団の舞台、それが年に一回とは!


実にもったいない。せめて年に二回くらいはやってほしい。


なんならハロコン減らしてでもいいから。っていつも言ってるけど。


だってハロー全員のコンサートなんて、ハロコン二回にひなフェスにカウコン……そんなにやらなくてよくない?だったらその時間削ってもうひとつ舞台やったほうがよくない?


というのは完全に自分の好みの話ですが、本当にそうなってほしいとは思ってる。まず無理だろうなというのもわかってる。




とにかく、今年も楽しませて頂きました。














メンバーも言ってたように、どこかモーニング娘。の状況にも似た11人の物語。



みんなお疲れ様。ありがとう。




次の娘。の劇女も、いまから楽しみにしておきます。