アーサー・C・クラーク 『都市と星〔新訳版〕』


都市と星〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF ク)/アーサー・C・クラーク

¥1,058
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遙か未来、銀河帝国の崩壊によって地球に帰還することを余儀なくされた人類は、誕生・死さえも完全管理する驚異の都市ダイアスパーを建造、安住の地と定めた。住民は都市の外に出ることを極度に恐れていたが、ただひとりアルヴィンだけは、未知の世界への憧れを抱きつづけていた。そして、ついに彼が都市の外へ、真実を求める扉を開いたとき、世界は…。巨匠が遺した思弁系SFの傑作、待望の完全新訳版。(Amazonより)




『幼年期の終り』や『2001年宇宙の旅』と並ぶ、クラークの代表作が新訳で蘇っていた。



宇宙に進出したものの〈侵略者〉に敗れ、人類がすごすごと地球に引きこもってからなんと十億年。


ひとりの人間の寿命はゆうに三百歳を超え、それすらまた再生できるという、要は“ほぼ不死”なシステムを備えた、超絶便利なハイパー科学都市ダイアスパーに暮らす主人公のアルヴィン。


彼はダイアスパーの住人のなかでも異端者であり、他の住人が恐れてやまない「都市の外の世界」に憧れを抱く少年だ。


ある日、そんな内なる衝動を抑えきれなくなったアルヴィンは、運命に導かれるように外の世界への扉を開いていく。




いわゆる「謎の多い閉鎖環境から主人公が飛び出して世界の秘密を知る話」である。
しかもSFなので、スケールがでかい。


この物語ではふたつの閉鎖環境がある。
ひとつはダイアスパー、もうひとつはこの地球だ。


ダイアスパーを抜け出すまでも面白いけど、そこから先はもっと面白い。


60年前に書かれたとは思えないほど楽しく、全然古びてないところが凄い。



新訳によって文章も読みやすいので、あまり翻訳モノは読まないとかSFはちょっと……という人にもおススメです。



名作といわれるのも頷ける、巨匠の代表作をどうぞ。