頑張っている人に「頑張れ」と声をかけるのは、たとえ善意であってもどうなのよ。というのはたびたび議論される事柄である。



ハロヲタとして思うのは、コンサートなどのステージ上において、MCや卒業セレモニーの挨拶/手紙の朗読などでメンバーが涙ぐんだときに、客席のファンが発する「頑張れー!」という叫び声について。



先日のカウコンでの、フクちゃんによる手紙の朗読でもそれはあった。


涙で言葉が発せられなくなるや、すかさず「頑張れー!」と叫ぶファンが数名。



個人的には、ちょっとどうなのよと思った。


善意なのはわかる。わかるけど、もう少し黙っていられないか。



あまりに早すぎる。
まるで、涙で言葉に詰まるのを今か今かと待ち構えていたように早い。早打ちゲームならぬ、早叫びゲームと化している。「誰が一番先に言えるか勝負だ!」という競争でもしてるのか。


頑張るよ。言われなくても、メンバーは頑張るって。


でも泣いちゃうこともあるじゃないか。
泣いて、なにも言えなくなっちゃうことだってあるじゃないか。


そういうとき、間髪入れずに「頑張れー!」と叫ぶと、励ましではなく「泣くな!ちゃんと喋れ!早くしろ!」と急かして責め立てているように感じてしまう。


泣いたっていいじゃない。ちょっとくらい泣かせてよ。



たとえば誰かと二人で話をしているとき、話の流れで相手が泣き出したら、「頑張れー!」と言うのかい?


一度言ってみるといい。きっと相手は、ポカーンとした表情で泣き止むだろう。「なにこいつ……」と思われるはずだ。


相手が泣いたら、せめて少しくらい見守ってあげよう。泣かせたままにしておこう。


それでも泣き止まないようなら、優しく声をかけてあげるとか、さりげなくハンカチを差し出してあげるとか、ただオロオロするとかすればいい。




涙ぐむメンバーに「頑張れー!」と叫ぶ前に、そう叫ぶことを我慢するのを頑張ってほしい。


そしてあまりに泣き止まず、一向になにも喋れないようならば、そのときは満を持して「頑張れー!」と叫んだらよろしいんじゃないでしょうか。


そもそも、本来はそういうものだったはず。
メンバーの感動的な話にじっと耳を傾けていたけど、泣いて泣いて言葉にならず、そんな様子を見て思わず「頑張れー!」と叫んでしまったのが始まりであって、決して、泣いたのとほぼ同時に叫ぶようなものではなかったはず。




紳士淑女たるハロヲタならば、そのあたりの“間”はわきまえておきたいところです。