面白かったので本当は一冊ずつちゃんと紹介したいところなんですが、読んでから日数が経ち過ぎていまさら感想をひねり出すのもしんどい。そんな本たちを一気に紹介していくこのコーナー。



こんな本もあるよ、という参考までにどうぞ。





11 eleven (河出文庫)/津原 泰水

¥691
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個人的に、日本の現代作家で1,2を争うくらい文章が巧いと思う津原泰水の短編集。


「文章が巧い」という言い方はいかにも文章が下手くそな感じだが、他にどう言えばいいかわからない。


巻頭の「五色の舟」は漫画化もされた傑作。一番物語性があるのもこれ。


その他は、ストーリーよりも雰囲気重視。ああこの言い方も下手くそだなぁ。


こんな風に、自分の文章のショボさを痛感する、まさに生ける文字の集合体のような傑作短編集。


著者の心は彼岸にあるのでは、と思いました。






たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)/ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア

¥886
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SFファンでなくともタイトルくらいは聞いたことがある……はず。
オールタイムベスト常連の名作SF。


三つの中編からなる本書は、やはり表題作が一番有名で、「この本を読んでハンカチが欲しくならなかったらアンタは人間じゃないよ」的な賛辞まで贈られたという傑作。


まぁハンカチまではいらなかったけど、それなりに感動はした。
ちょっとあっさり書き過ぎてるきらいがあるので、もっと情感たっぷりに描いてくれたほうが日本人には合うのではと思ったり。


その他の二編も傑作(特に三編目が良い)なので、ぜひとも押さえておきたい一冊。








タンジェント (ハヤカワ文庫SF)/グレッグ ベア

¥778
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ナノテクやハードSFを駆使する作家としてイメージの強いベアによる、わりとファンタジーチックな側面が多い短編集。


どれもなかなかの作品揃いだけど、残念ながら絶版なので、古本屋で探すしかない。


見つけたら買っておきましょう。






ラプラスの魔女/東野 圭吾

¥1,814
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急に有名どころがきた。


もはや出せば売れる作家となった東野圭吾による、なんていうか、理系サスペンス。


なにやら仰々しい売り文句があったけど、それで過度な期待さえ抱かなければ普通に楽しめる佳作。


個人的にはもっと円華(ラプラスの魔女)のキャラクターに焦点を当てたほうが面白くなったんじゃないかという気もするけど、東野圭吾にそういうのを求めるのは間違ってるのかもしれない。


キャラはあっさりめですが、そのうち映像化されそうなストーリー展開は、読みやすくてよかったです。





死呪の島/雪富 千晶紀

¥1,728
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第21回 日本ホラー大賞 大賞受賞作。


とある島(にある村)を舞台に、土着ホラー、ブードゥー教、ボーイミーツガールなどの要素を盛り込んだオーソドックスなホラー。


派手さには欠けるものの、押さえるべきところはきちんと押さえてあるので、普通に楽しめました。


ヒロインが薄幸の美少女というのもお約束だけど、このヒロインがまた実にかわいそうな娘で、彼女の幸せを一心に願いつつ、最後までノンストップの読書。


どうなったかは読んでのお楽しみ。








とりあえずこのくらいで。