貴志祐介 『雀蜂』


雀蜂 (角川ホラー文庫)/貴志 祐介

¥562
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11月下旬の八ヶ岳。山荘で目醒めた小説家の安斎が見たものは、次々と襲ってくるスズメバチの大群だった。昔ハチに刺された安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。逃げようにも外は吹雪。通信機器も使えず、一緒にいた妻は忽然と姿を消していた。これは妻が自分を殺すために仕組んだ罠なのか。安斎とハチとの壮絶な死闘が始まった―。最後明らかになる驚愕の真実。ラスト25ページのどんでん返しは、まさに予測不能!(Amazonより)




『悪の教典』や『新世界より』でおなじみの貴志祐介が、文庫書下ろしで書いたコンパクトな雀蜂ホラー。



あと一回蜂に刺されたら命はない(かもしれない)男が、妻に騙されて雪の山荘で雀蜂の大群と死闘を繰り広げるお話。



雀蜂、たしかに恐ろしい。


読んでる側には滑稽に感じられるほど切迫した蜂との死闘は、しかしやってる側にとっては生きるか死ぬかの大問題なのだ。



とにかく状況が悪い方へ悪い方へと向かってゆくのがなんとも憐れみを誘うw


応援したくなるほど好感の持てる主人公でもないので、他人事として「頑張れー(棒)」と思いながら読んだ。



ラストには、ミステリーらしいツイストもある。


薄々察してはいたものの、まぁこの分量とこの設定でこのツイストならばまずまずではないでしょうか、という感じ。


著者の作品にしては物足りないのであまり評判はよくないが、ちょっとした時間潰しには最適の分量と読みやすさなのでおススメです。