九井諒子 『ダンジョン飯 1巻』


ダンジョン飯 1巻 (ビームコミックス)/九井 諒子

¥670
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珍しく漫画を取り上げたい。



自分は小説に比べて漫画はあまり読まず(8:2くらいの割合)、新しい作家を開拓することも滅多にない。


ましてや漫画の衝動買いなんてありえない。
ありえないだけに、密かに憧れたりもするんだけど、結局いつも書店の漫画コーナーをただ眺めて終わる。



そんな自分が珍しく衝動買いしたのがこれ。


買ってから調べると、どうやら一部でかなり話題になってる人気の漫画らしい。
どの本屋を巡っても手に入らず、ネットでも買えない日々が続いてるんだとか。


それは知らなかった。
小説ならばその手の情報は大体把握してるんだけど、漫画界にはあまり詳しくないのです。


確かにAmazonを見てみると、先月発売したばかりなのに(これを書いてる現時点では)在庫がない。



でもあれおかしいな。オレ普通に買えたけどな……。



奥付を見たら二刷だったので、これは最新の重版分だったのだろうか。


いまならば本屋を巡ればあるかもしれませんぜ。なくても責任は負いませんが←






それはともかく中身。


これが実に面白い。さすが、衝動買いを誘っただけのことはある。



タイトルの通り、ファンタジーRPGの世界に於けるダンジョンにて飯を食う話だ。


主人公たちは次々と現れるモンスターを倒してダンジョンの奥へ進むわけだが、当然腹が減る。


しかし諸々の事情でお金がない。じゃあダンジョンにいるモンスターやらなんやらをその場で調理して食って、自給自足の冒険をしようじゃないか、となる。


モンスターたちは一見食えたものじゃなさそうだが、上手く調理すれば意外と美味であることがわかった。


一応、プロローグの場面でドラゴンに食われた主人公の妹を、消化される前に助けに行くという目的があるわけだけど(ゲーム世界なので生き返ることが可能)、いつしか主目的はダンジョンのモンスターたちを食べることになっていくのであった。




基本的にはギャグ系のノリなので、ファンタジー特有の手に汗握る攻防などは期待しないように。


だがそれがいい。
ダンジョンRPGを真面目におちょくったような設定と、可愛らしい絵柄、絶妙な笑いのセンスがたいへん素晴らしい傑作。


2巻が待ち遠しいです。



本屋で見かけたらぜひどうぞ。