日本SF作家クラブ編 『SF JACK』


SF JACK/新井 素子

¥1,944
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去年2013年は日本SF作家クラブが創立50周年を迎えた記念すべき年であり、そのおかげで各出版社から様々な日本SFアンソロジーが出版された。


本書はその中で、角川書店から単行本で出た一冊。



収録作は、


冲方丁 『神星伝』

吉川良太郎 『黒猫ラ・モールの歴史観と意見』

上田早夕里 『楽園(パラディスス)』

今野敏 『チャンナン』

山田正紀 『別の世界は可能かもしれない。』

小林泰三 『草食の楽園』

瀬名秀明 『不死の市』

山本弘 『リアリストたち』

新井素子 『あの懐かしい蝉の声は』

堀晃 『宇宙縫合』

宮部みゆき 『さよならの儀式』

夢枕獏 『陰態の家』





なんとも豪華なメンバーだけど、のっけから冲方丁『神星伝』が凄い。


和製(平安風味)サイバーパンクとでも言うべき要素のごった煮が、ラノベか少年漫画のような勢いで展開されていく。


しかし世界観や歴史がしっかりと構築されているので、軽さはない。


これを短編でやってしまうあたりが、冲方丁の凄いところよね。
ぜひ長編化してほしい。




他には、上田、山田、瀬名、山本、堀、宮部の作品がお気に入り。



瀬名秀明『不死の市』は、なんのこっちゃワケわからんのだけど、なんか好きだ。


宮部みゆき『さよならの儀式』は安定の出来だけど、宮部作品にしては普通かな。


夢枕獏『陰態の家』は、文章が合わずに楽しめなかった。改行しすぎだってw






単行本なのでちょっとお高いけど、今の日本SFを知るのに絶好の一冊です。